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『ザ・ウォーカー』 [洋画(サ行)]

「ザ・ウォーカー」(2010)★★☆☆50点
原題: THE BOOK OF ELI
監督: アレン・ヒューズ、アルバート・ヒューズ
製作: ジョエル・シルヴァー、ブロデリック・ジョンソン、アンドリュー・A・コソーヴ、デヴィッド・ヴァルデス、デンゼル・ワシントン
製作総指揮: スティーヴ・リチャーズ、スーザン・ダウニー、エリック・オルセン
脚本: ゲイリー・ウィッタ
撮影: ドン・バージェス
美術デザイン: ゲイ・バックリー
衣装デザイン: シャレン・デイヴィス
編集: シンディ・モロ
音楽: アッティカス・ロス
音楽監修: デヴァ・アンダーソン
出演:
 デンゼル・ワシントン(イーライ "ザ・ウォーカー")
 ゲイリー・オールドマン(カーネギー)
 ミラ・クニス(ソラーラ、クローディアの娘)
 レイ・スティーヴンソン(レッドリッジ、カーネギーの手下)
 ジェニファー・ビールス(クローディア、カーネギーの情婦)
 フランシス・デ・ラ・トゥーア(マーサ、老婦人)
 マイケル・ガンボン(ジョージ、老人)
 トム・ウェイツ(技師)
 マルコム・マクダウェル(ロンバーディ)
 クリス・ブラウニング
 リチャード・セトロン
 ラティーフ・クラウダー
 エヴァン・ジョーンズ
 ジョー・ピングー
製作・ジャンル: 米国/SF・アクション・サスペンス/118分

bookofeli.jpg
一冊の本を携え
一人旅する"ウォーカー(旅人)" を描いたロードムービー。
サスペンス・アクション超大作と銘打ってはいるが
静かなアクションで展開される一種の宗教映画。

舞台は世界が崩壊した近未来。
D・ワシントン演じるイーライが
一冊の本を西へ運ぶ天命を受けて西へと旅するのだが
それが聖書であることは自明で、謎も何もない。

聖書こそ世界を支配する術だと信じ、それを奪おうとするカーネギー。
イーライは彼に執拗な追撃を受けるわけだが
イーライの圧倒的な強さゆえか、その攻防にあまり見応えはない。
G・オールドマンも、悪役としての魅力を発揮しきれない。

カーネギーに "本" を奪われたまま旅を続けるイーライが
たどり着いた "西" とはサンフランシスコ。
ゴールデンゲートブリッジ(金門橋)も登場。
挙句、アルカトラズ島へと舟を漕ぐ。

そのアルカトラズこそ、世界再生の拠点。
本を持たぬまま旅を続けだした時に、予測がつくことだが
長旅の間、毎日読み続けていた彼こそが
"聖書" となっていたのだ。

邦題では「ザ・ウォーカー」となっているが
原題では「THE BOOK OF ELI(イーライ書)」であり
クリスチャンでない私でも、何かキリスト教絡みかなと感じた。
たとえば
「ヨブ記」は "Book of Job"、「ダニエル書」は "Book of Daniel"
「エゼキエル書」は "Book of Ezekiel" などなど
旧約聖書に多い書名である。
英語圏の人間には、
タイトルを見ただけで中身の予測がついてしまうかもしれない。

イーライに帯同するソラーラの存在意義が不明。
愛する母を捨ててまで、イーライに付いて行く動機が薄弱。
使命を果たし絶命するイーライに変わって
新たな伝道の旅を引き継ぐと言った月並みなラストのために
用意されたとしか思えない。

キリスト教、あるいは宗教といったものに執着の薄い日本人にとって
この作品が受けるとは考えにくい。

「時計じかけのオレンジ」で名を馳せた
M・マクダウェルの名をクレジットで見つけるも
どこで登場したのか分からなかった。

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『スリ(掏摸)」』 [洋画(サ行)]

「スリ(掏摸)」(1960)★★★☆65点
原題: PICKPOCKET
監督・脚本: ロベール・ブレッソン
撮影: レオンス=アンリ・ビュレル
音楽: ジャン・バディスト・リュリ
出演:
 マルタン・ラサール(ミシェル)
 マリカ・グリーン(ジャンヌ、ミシェルの母の隣人)
 ジャン・ペルグリ(警部)
 ピエール・レマリ(ジャック)
 カッサジ(1人目の共犯者)
 ピエール・エテックス(2人目の共犯者)
 ドリー・スカル(ミシェルの母)
 セザール・ガッテーニョ (刑事)
製作・ジャンル: 仏国/ドラマ・サスペンス/76分

スリ [DVD]








一人のスリの顛末を描いたモノクロ映画。
白黒の画面が掏りというテーマにフィットする。

スリにとって指を和らげることが大切で
それにはピンボールが一番というが、眉唾ものだ。

スリの技にしても
3人での連係プレーは見所あるが
個々の技は粗い気がして、あまりプロフェッショナリズムを感じない。
挙句、ミシェルより腕の確かな仲間の2人が先に捕まってしまう。

肩がまったく動かない不自然なミシェルの歩き方、
ストレートな男性の役をやるときの篠井英介を思い出した。

スリを行なうことが知的証明と考えている節もあるが
訓練し練習を重ね
上手いスリ仲間と組んでもなお二流感の強い主人公。
終始、冴えない根暗な男のイメージが付きまとう。

ジャンヌ演じるマリカ・グリーンは
エヴァ・グリーンの伯母に当たるのだそうだ。
顔立ちはほとんど共通点がなく、
マリカの方が優しく品のある美しさを湛えている。

暗鬱なムードが支配する作品にあって
彼女の美しさだけが救いだ。

主人公を含め、
登場人物がみな何を考えているのか非常に分かりにくい。
フランス映画特有のアンニュイに通じる部分かもしれないが
静かな中にもドラマが生まれないのは
とにもかくにも人物描写が薄いせいだ。

ミシェルとジャックの友情関係すらよく把握できないままで終わった。

ジャンヌとの会話の後
衝動的にパリを離れ、イタリア・英国に渡ったのは
一体どういう想いからだったのだろう。

パリに戻り、ジャンヌを支えるために改心したかにも見えたミシェルを
卑怯なまでのおとり捜査で逮捕する警察の意図も分からない。

捕まって初めて、
他人の、ジャンヌの存在の大切さに気づくというエンディングだが
そこまでの心の経緯が伝わってこない。
昔の接見所は手を触れることもキスを交わすこともできるほど
大きな格子だったんだ、と瑣末なことにばかり目がいった。

まどろっこしくも切ない映画。
かといって、実は
このつかみ所のない感情のやり取りが嫌いではない。

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『シークレット/嵐の夜に』 [洋画(サ行)]

「シークレット/嵐の夜に」(1997)★★★★☆75点
原題: A THOUSAND ACRES
監督: ジョスリン・ムーアハウス
製作: マーク・エイブラハム、スティーヴ・ゴリン、リン・アロスト、ケイト・グインズバーグ、シガージョン・サイヴァッツォン
原作: ジェーン・スマイリー
脚本: ローラ・ジョーンズ
撮影: タク・フジモト、リチャード・ハートレイ
出演:
 ジェシカ・ラング(ジニー・クック・スミス、長女)
 ミシェル・ファイファー(ローズ・クック・ルイス、次女)
 ジェニファー・ジェイソン・リー(キャロライン・クック、三女)
 ジェイソン・ロバーズ(ラリー・クック、三姉妹の父)
 コリン・ファース(ジェス・クラーク)
 キース・キャラダイン(タイ・スミス、ジニーの夫)
 ケヴィン・アンダーソン(ピーター・ルイス、ローズの夫)
 ミシェル・ウィリアムズ(パミー、ローズの娘)
 エリザベス・モス(リンダ、ローズの娘)
 ジョン・キャロル・リンチ(ケン・ラサール、弁護士)
 レイ・ベイカー(ウォーレス・クロケット)
 ヴィト・ルギニス(チャールズ・カーター、弁護士)
 パット・ヒングル(ハロルド・クラーク、ジェスの父)
 ケネス・タイガー(ローズの担当医)
 スタン・ケイヒル(フランク・ラスムッセン、キャロラインの婚約者)
 アン・ピトニアック(メアリー・リヴィングストン)
 レイ・トーラー(マーヴ・カーソン)
 スティーヴ・キー(ローレン・クラーク)
 ダン・コンウェイ(ヘンリー・ドッジ)
 ベス・グラント(ロバータ)
 アンドレア・ニットーリ(ウェイトレス)
製作・ジャンル: 米国/ドラマ・文芸/105分

シークレット ~嵐の夜に~ [DVD]








大農場主である父とその3人の娘をめぐる家族ドラマ。

娘2人と近親相姦。
"怒りが私の支えなの" というローズの台詞は重い。
乳癌で失われた彼女の左胸は
それを愛撫したであろう父の手の呪いのように思ってしまうのは
私の行き過ぎた妄想だろうか。

コリン・ファース演じるジェスはいい奴かと思っていたが
姉妹と関係を持ち、
挙句は2人の前から姿を消すただのすけこましだった。

怒りと絶望から、思考の混乱する父ラリー。
父の変心と裁判で、溝ができるジニー夫妻。
徐々に壊れていく家族にあって
夫と別れ農場を後にするジニーと残されたローズの間には
慈しみあってきた姉妹の絆があった。

悲しいかな、その絆を育んだのは
暴君の父につけられた癒えることない深い傷。
この姉妹の複雑な胸の内を
J・ラングとM・ファイファーが繊細かつ大胆に表現している。

3代続いた農場を立派に切り盛りした偉大なる父、
姉妹の人生を不毛なものにしてなおそれに気づかない罪深き父。
"怒り" の中で死んでいったローズが痛々しい。

人を傷つけた認識も後悔のかけらもない者をどう裁くか。
ジニーは、遺言のごとくローズが言い残した頼みに反して
キャロラインに父の罪を打ち明けることはしなかった。
あれは "ローズの真実" であって、"ジニーの" ではないからだ。

それに、父が正気を失った今
キャロラインに父の正体を知らしめたところで
誰一人幸せになる者はいないことをジニーは知っていたのだ。

ドラマに幕を下ろすジニーのナレーション。
父たちが築いた農場を "喜びと悲しみを育てた大地" と語る。
上手く言い表したものだと思う。
2人の養女に希望を託すジニーだが
果たして、
自分が掴めなかったものを彼女たちに見出すことは幸せだろうか。
それで、自身の喪失を埋め合わせることができるのだろうか。

時々私は、青い空に包まれたアメリカの広い緑の農場に憧れる。
身の丈を隠すほどのトウモロコシ畑。
自然の美しさの中に、やりきれない寂しさを覚えたまま観終わった。

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『潜水服は蝶の夢を見る』 [洋画(サ行)]

「潜水服は蝶の夢を見る」(2007)★★★★☆85点
原題: LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON
    (英語題 THE DIVING BELL AND THE BUTTERFLY)
監督: ジュリアン・シュナーベル
製作: キャスリーン・ケネディ、ジョン・キリク
製作総指揮: ジム・レムリー、ピエール・グルンステイン
原作: ジャン=ドミニク・ボビー「潜水服は蝶の夢を見る」
脚本: ロナルド・ハーウッド
撮影: ヤヌス・カミンスキー
美術: ミシェル・エリック、ロラン・オット
衣装: オリヴィエ・ベリオ
編集: ジュリエット・ウェルフラン
音楽: ポール・カンテロン
出演:
 マチュー・アマルリック(ジャン=ドミニク・ボビー、"ELLE" の名編集長・愛称 "ジャン=ドー")
 エマニュエル・セニエ(セリーヌ・デスムーラン、ジャン=ドーの妻)
 アンヌ・コンシニ(クロード・マンディビル、執筆補助係)
 マリ=ジョゼ・クローズ(アンリエット・デュラン、言語療法士)
 オラツ・ロペス・ヘルメンディア(マリー・ロペス、理学療法士)
 パトリック・シェネ(ルパージュ、神経科医)
 ジェラール・ワトキンス(コシュトン、担当医)
 マックス・フォン・シドー(パピノ、ジャン=ドーの父)
 アガト・ドゥ・ラ・フォンテーヌ(イネス、、ジャン=ドーの愛人)
 ニエル・アレストリュプ(ピエール・ルッサン、友人)
 イザック・ド・バンコレ(ローラン、友人)
 ジャン=ピエール・カッセル(リュシアン神父/店主)
 マリナ・ハンズ(ジョゼフィーヌ、ジャン=ドーの元恋人)
 エマ・ドゥ・コーヌ(ウジェニー)
受賞:
 カンヌ国際映画祭
  ■監督賞 ジュリアン・シュナーベル
 LA批評家協会賞
  ■撮影賞 ヤヌス・カミンスキー
 ゴールデン・グローブ
  ■外国語映画賞
  ■監督賞 ジュリアン・シュナーベル
 英国アカデミー賞
  ■脚色賞 ロナルド・ハーウッド
 インディペンデント・スピリット賞
  ■監督賞 ジュリアン・シュナーベル
  ■撮影賞 ヤヌス・カミンスキー
 放送映画批評家協会賞
  ■外国語映画賞
 セザール賞
  ■主演男優賞 マチュー・アマルリック
  ■編集賞 ジュリエット・ウェルフラン
製作・ジャンル: 仏国=米国/ドラマ・伝記/112分

潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】 [DVD]








脳梗塞で "閉じ込め症候群(Locked-in Syndrome)" になった
雑誌 "ELLE" の名編集長ジャン=ドミニク・ボビー。
ベストセラーとなった彼の自叙伝の映画化。

まず、閉じ込め症候群とは
脳底動脈血栓症などに伴う高次機能障害の一種。
眼球以外の運動機能が完全に麻痺した状態。
植物状態と違うのは、知覚や意識が正常である点。
だからこそ、主人公は自分の体を "潜水服" と称するわけだ。
もし植物状態と診断を間違われたら、
それこそ、地獄の中の地獄となりかねない。

ただ、眼開閉によってのみ意思疎通が可能で
多くの場合、予後不良で早期に死亡することが多い。

映画では、左目が捉える像を
ぼかしたり歪ませたりして巧みな視覚効果を利用している。
眼球の動きに合わせていると思われるカメラワークも見事。
観る者を主人公の視線に惹きこんでいく。

ジャン=ドーを演じたM・アマルリック。
唇を曲げてはいるが、表情筋も動かないわけだから
回想シーン以外は
実質片目だけで、あの役を作り上げたのだ。
それで、セザール賞の主演男優賞に輝くのだから
頭が下がるの一言である。

下世話だが、
彼を手助けする2人の女性療法士が美人なのは
一流ファッション誌のイケイケ編集長には幸いだったはず。

話したくもない時に
まばたきの会話を強要されることは苦痛以外の何物でもない。
求めることは愚か、
やめさせたくても逃げ出したくても
何一つ自分の自由にはならない。

ジャン=ドーが "死にたい" と告げた時
取り乱すアンリエットの優しさと苦悩はひしひしと伝わってくる。

体も動き、五感も正常な私たちだが
知らぬ間に、
自分自身に分厚い潜水服を着せてしまっているのかもしれない。
その潜水服を脱ぎ捨てられるうちに脱いでおこう。

ジャン=ドーに残された術は片目のまばたきだけ。
それでも、本を一冊書き上げられたのは
過去の記憶と想像力にだけは、蝶の羽は生えていたからだ。
実務的には
伝える彼にとっても、書き取るクロードにとっても
恐ろしく気の遠くなる作業だったにちがいないが。

周りを顧みることのなかった人生。
家族の大切さに気づいたことが
彼にとっての救いであり、
彼が生きる意味とは、家族の存在に尽きると言ってもよかったろう。

ラストテロップ。
"ジャン=ドミニクは1997年3月9日死去
「潜水服は蝶の夢を見る」の出版後10日目だった"

氷山の氷が崩れ行くフィルムは、瓦解する自己を表すものであり
ラストに同じフィルム逆回転で再生されるのは、
瓦解した俗念の昇華を意味しているにちがいない。

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『十人のならず者』 [洋画(サ行)]

「十人のならず者」(1955)★☆☆☆☆20点
原題: TEN WANTED MEN
監督: H・ブルース・ハンバーストン
脚本: ケネス・ガメット
原案: アーヴィング・ラヴェッチ、ハリエット・フランク・Jr.
撮影: ウィルフリッド・M・クライン
美術: エドワード・アイロウ
装置: フランク・タトル
音楽: ポール・ソーテル
出演:
 ランドルフ・スコット(ジョン・スチュアート、大牧場主)
 ジョスリン・ブランド(コリンヌ・マイケルズ)
 リチャード・ブーン(ウィック・キャンベル、ホテル・バー経営者)
 スキップ・ホメイヤー(ハウイー・スチュアート、アダムの息子)
 レオ・ゴードン(フランク・スキャヴォ、雇われガンマンの頭)
 ドナ・マーテル(マリア・セグラ)
 デニス・ウィーヴァー(クライド・ギボンズ、保安官)
 キャスリーン・クローリー(マーヴァ・ギボンズ、クライドの妻)
 アルフォンソ・ベドヤ(ハーマンド、ジョンの牧童頭)
 クレム・ビヴァンス(トッド・グリンネル、牧場主)
 トム・パワーズ(ヘンリー・グリーン)
 ルイス・ジーン・ハイト(トム・ベインズ)
 マイナー・ワトソン(ジェイソン・カー、マーヴァの父)
 レスター・マシューズ(アダム・スチュアート、ジョンの兄)
 リー・ヴァン・クリーフ(アル・ドラッカー)
 フランクリン・ファーナム(スティーヴン)
製作・ジャンル: 米国/西部劇/80分

十人のならず者 [DVD]








一人の女性と町の覇権を狙う悪と
町を守る牧場主の対決を描いた西部劇。

「激突!」のD・ウィーヴァーが、若き保安官役で登場。

決闘の最中、"連中がいつ襲ってくるか分からない" と言いつつ
裏でのんびり語らっていたりするので
緊張感・スリルといったものが皆無。

何より、年寄りが結構殺されて悲しい。

キャンベルも雇ったガンマンたちに裏切られ
愚か極まりない最期を遂げる。

主役のジョンを演じるR・スコットが年寄りなので
ガンファイトの醍醐味は味わえない。
役柄の設定から言えば、主役は若者で十分。

年配を主役に据えるなら
ガンマンでない牧場主らしさ、年寄りらしさを
生かしたストーリーや闘い方を考えるべき。

あれだけ身内や仲間が殺されたら
最後がダブル・ウェディングでもハッピーエンドにはならない。

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『さらば愛しき女よ』 [洋画(サ行)]

「さらば愛しき女よ」(1975)★★★☆65点
原題: FAREWELL, MY LOVELY
監督: ディック・リチャーズ
製作: ジョージ・パパス、ジェリー・ビック、ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮: エリオット・カストナー
原作: レイモンド・チャンドラー「さらば愛しき女よ」
脚本: デヴィッド・Z・グッドマン
撮影: ジョン・A・アロンゾ
音楽: デヴィッド・シャイア
出演:
 ロバート・ミッチャム(フィリップ・マーロウ、私立探偵)
 ジャック・オハローラン(ムース・マロイ)
 シルヴィア・マイルズ(ジェシー・ホールステッド・フロリアン)
 ジョン・アイアランド(ナルティ、警部補)
 ハリー・ディーン・スタントン(ビリー・ロルフ、刑事)
 シャーロット・ランプリング(ヘレン・グレイル)
 アンソニー・ザーブ(レアード・ブルネット)
 ケイト・マータフ(フランシス・アムサー、娼館の女主人)
 ジミー・アーチャー(ジョージー)
 ウォルター・マッギン(トミー・レイ)
 ジョン・オリアリー(リンゼイ・マリオット)
 シルヴェスター・スタローン(ジョニー)
 ジム・トンプソン(バックスター・ウィルソン・グレイル判事)
 ローガン・ラムゼイ(刑事局長)
 ジョー・スピネル(ニック)
製作・ジャンル: 米国/ミステリー/95分

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ハードボイルド小説の大家R・チャンドラーの
私立探偵マーロウを主人公にした長編小説の映画化。
出所した大男マロイによるベルマ探しの依頼に始まるミステリー。

原作を読んだことはない。
それでも、細かい経緯は別にして
犯人が先読みできてしまうのは少し残念だった。

R・ミッチャムのリアルな存在感は
世間と隔絶した印象の強いハードボイルドの主人公を
現実に根ざした生身の人間にしている。
それゆえに、
ハードボイルド・ファンの目にはウェットに映るかもしれない。

この作品でも
S・ランプリングの澄んだ瞳が美しい。
あの青味がかったグレーの瞳で見つめられれば
どんな男だってその謎めいた美しさの虜となること間違いなし。
役どころの割に出番の少ないキャラクターだが
それでも鮮烈なインパクトを残すのは
しなやかな物腰も含めた優雅な美しさゆえに他ならない。

マロイ役のJ・オハローランとアムサー役のK・マータフ。
この2人の、文字通りスケールの大きさは際立つ。
それぞれが持つキャラクターと相まって
存在自体が強烈なアクセント。
アムサーのパワーたるや、
女性という概念を吹っ飛ばすほど衝撃的だ。

スタローンがそのアムサーの手下で出演。
台詞もないチョイ役だが、あの特徴的なタレ目にはすぐ目がいく。

片や、若きH・D・スタントンは目立たない。

個人的には
マーロウの手足となって働くジョージーが好きだ。
主人に忠実な柴犬のよう。
ディマジオの記録に喜々とする2人が微笑ましい。

NYのネオンに始まり、またそのネオンに終わるこの映画。
謎解きのストーリーも悪くはないが
ミッチャムの魅力に尽きる。

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『勝利への脱出』 [洋画(サ行)]

「勝利への脱出」(再)(1980)★★★☆65点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: ESCAPE TO VICTORY
監督: ジョン・ヒューストン
製作: フレディ・フィールズ
原案・脚本: ヤボ・ヤブロンスキー
原案: ジェフ・マグワイア、ジョルジェ・ミリチェヴィク
脚本: エヴァン・ジョーンズ
撮影: ジェリー・フィッシャー
音楽: ビル・コンティ
出演:
 シルヴェスター・スタローン(ロバート・ハッチ)
 マイケル・ケイン(ジョン・コルビー大尉、連合軍キャプテン)
 マックス・フォン・シドー(カール・フォン・シュタイナードイツ軍少佐)
 ペレ(ルイス・フェルナンデス、連合軍選手)
 ボビー・ムーア(テリー・ブレイディー、連合軍選手)
 オズワルド・アルディレス(カルロス・レイ、連合軍選手)
 カジミエシュ・デイナ(連合軍選手)
 ポール・ヴァン・ヒムスト(連合軍選手)
 ハルヴァー・ソレンセン(連合軍選手)
 マイク・サマビー(連合軍選手)
 コ・プリンス(連合軍選手)
 ラッセル・オスマン(連合軍選手)
 ジョン・ウォーク(連合軍選手)
 セレン・リンステッド(連合軍選手)
 ケヴィン・オキャロハン(トニー・ルイス、連合軍ゴールキーパー)
 カロル・ローレ(レネー、レジスタンス)
製作・ジャンル: 米国/ドラマ・スポーツ・アクション/116分

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第2次世界大戦下で行なわれる
ドイツ軍 vs 連合軍捕虜のサッカー試合をメインに
捕虜たちの脱出劇を描いた作品。

サッカーの王様・ペレをはじめ、
アルディレス、ボビー・ムーア、デイナ、ファン・ヒムストら
有名サッカー選手が出演している。
そのほか、
ラッセル・オスマン、ジョン・ウォーク、ローリー・シヴェル、
ロビン・ターナー、ケヴィン・オキャロハンなど
英国イプスウィッチ・タウンFCの現役メンバー(当時)が多数出演。
M・ケインとスタローンのプレーシーンを吹き替えているのも
同クラブチームの選手である。

この映画は
1942年8月、第2次世界大戦下のウクライナで行われた
ドイツ空軍 vs ディナモ・キエフの親善試合をモデルとしている。
ディナモの圧勝に終わったこの試合、
面目を潰されたドイツ軍は、報復として
ディナモの選手たちを強制収容所へ送り、その多くを処刑した。

悲劇に終わったモデルとなった実際の試合とは違って
痛快な脱出劇に仕立てたのが本作。

クレジットでも、M・ケインを抑えてトップに流れるように
「ロッキー2」を打ち上げ
乗りに乗っていたスタローンのためという色彩の強い映画。

針金を口にくわえてシャワーから脱出するシーンは
数年後に大ヒットする「ランボー」を思わせる画面(えづら)。

正ゴールキーパーのトニーは
腕を折られた上に、
居残りで脱出できなかったとなれば、とても可哀想だ。

私のような素人でも
W杯やクラブ選手権などをTVでよく観るような時代になり
ダイナミックなプレーに慣れ親しんでいる今観ると
プロ選手のプレーの凄さがこじんまりと感じれられてしまう。
贅沢病だな。

一番好きなのは
敵チームであるペレのオーバーヘッドシュートに
思わず立ち上がって拍手を送ってしまうシュタイナー少佐の姿。

脱出作戦が遂行されず
疑問と不満を抱いている連合軍将校たちも
徐々に試合にのめり込んでいく過程も同様に微笑ましい。

レジスタンスの苦労が水の泡となってしまうのは残念だが
ラストの爽快さはハナマル。

「大脱走」の二番煎じ的な印象は拭えないが
脱獄・脱出を含め、人を出し抜くストーリーには血が騒ぐ。

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『ジンギス・カン』 [洋画(サ行)]

「ジンギス・カン」(1965)★★☆☆50点
原題: GENGHIS KHAN
監督: ヘンリー・レヴィン
製作: アーヴィング・アレン
原作: バークレイ・マーサー
脚本: クラーク・レイノルズ、ビヴァリー・クロス
撮影: ジェフリー・アンスワース
音楽: デュッシャン・ラディック
出演:
 オマー・シャリフ(ジンギス=カン/テムジン、イエスガイ族長)
 スティーヴン・ボイド(ジャムーガ、メルキトの族長)
 フランソワーズ・ドルレアック(ボルテイ)
 ジェームズ・メイソン(カム=リン、中国高官)
 テリー・サヴァラス(シャン、サルキトの族長)
 イーライ・ウォラック(フワレズムの君主)
 ロバート・モーレイ(中国皇帝)
 マイケル・ホーダーン(ギーン)
 ケネス・コープ(スボダイ)
 ドン・ボリセンコ(ジェバイ)
 ロジャー・クラウチャー(カサー)
 ウッディ・ストロード(センガル)
 イヴォンヌ・ミッチェル(カトケ、シャンの妻)
製作・ジャンル: 米国=英国=西独=ユーゴスラビア/歴史劇/126分

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東洋人らしいキャストがいないことを挙げて
勘違い映画だと一蹴するのは野暮な話。
なので、人種的な問題は捨象して楽しむべき映画。

この時代、どれくらい中国ロケが出来たのだろうか?
製作参加国を見ても、完全にmade in 欧米だし
内景はともかく、外景もセットだとしたら大したもの。

毛利元就の "三本の矢" まがいの話をして
ボルテイがテムジンを諭すシーンがあるが
こういう逸話は世界中にころがっているのだろうか。

チンギス=ハンにまつわる作品は、数知れずあり
最近で言えば、
浅野忠信主演で話題になった映画「モンゴル」がある。
私は昔、
加藤剛主演のTVドラマ「蒼き狼 成吉思汗の生涯」を観て
ずいぶん面白かった印象が残っているが、詳細は覚えていない。

歴史紹介に終わるか、ドラマとして成立するかは
主人公の魅力と、敵役との対決など困難の克服にある。

この映画で言えば
vs ジャムーガ、vs 中国皇帝、
そしてモンゴル民族の統一、
それに色を添えるボルテイとの愛やカム=リンとの友情。
皇帝を倒して中国を飛び出し
ラストはジャムーガとの死闘となるなど、
正統な方程式を組んでいるのだが
雌雄を決するまでの、心理的対立や葛藤の描き方が薄いだけに
生かしきれていないのが残念。

ドラマチックにテムジンの死で終わるのはいいが
ガクッと首が落ちるのと、手の力が抜けるのと
臨終の瞬間が2段階に分かれて見えるのは、
細かいながらとても気になる。

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『真珠の耳飾りの少女』 [洋画(サ行)]

「真珠の耳飾りの少女」(2003)★★★★85点
原題: GIRL WITH A PEARL EARRING
監督: ピーター・ウェーバー
製作: アンディ・パターソン、アナンド・タッカー
製作総指揮: ピーター・ブロック、ニック・ドレイク、リチャード・アードーズ、フランソワ・イヴェルネル、ダリア・ジョヴィチッチ、キャメロン・マクラッケン、トム・オーテンバーグ、ダンカン・リード
原作: トレイシー・シュヴァリエ「真珠の耳飾りの少女」
脚本: オリヴィア・ヘトリード
撮影: エドゥアルド・セラ
美術: ベン・ヴァン・オズ
衣装デザイン: ディーン・ヴァン・ストラーレン
音楽: アレクサンドル・デプラ
出演:
 スカーレット・ヨハンソン(グリート)
 コリン・ファース(ヨハネス・フェルメール)
 トム・ウィルキンソン(ピーター・ファン・ライフェン)
 キリアン・マーフィ(ピーター)
 エシー・デイヴィス(カタリナ・ボルネス、フェルメールの妻)
 ジュディ・パーフィット(マーリア・シン)
 ジョアンナ・スキャンラ(タンネケ)
 アラキーナ・マン(コーネリア、フェルメールの娘)
 アナ・ポップルウェル(マールトヘ)
受賞:
 LA批評家協会賞
  ■撮影賞 エドゥアルド・セラ
 ヨーロッパ映画賞
  ■撮影賞 エドゥアルド・セラ
製作・ジャンル: 英国=ルクセンブルク/ドラマ・ロマンス・歴史/100分

真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]








17世紀に活躍したオランダ人画家
フェルメールが描いた一枚の絵を巡る恋愛ドラマ。

すっかり作品に引き込まれ、あっという間の100分間だった。

"真珠の耳飾りの女" といえば、フェルメールの代表作の一つ。
日本にもフェルメール・ファンは数多い。

同時代同国で肩を並べた天才画家レンブラント同様
光と影を巧みに使ったフェルメール。
彼の画法そのままに、
ウェーバー監督は、
色彩と光にこだわり、
この映画全体を絵画に見立てて描ききっている。
最後にタンネケがグリートを訪ねる土間のシーンに象徴的だが
ドア口を額縁代わりにして、
暗い手前から明るい奥を描く画(え)が美しい。
名画の中にロマンスを紡ぎだした演出は素晴らしい。
その裏で、照明・撮影、そして編集班の苦労は想像に難くないが。

フェルメールの作品には
左手に日の光が差し込む窓のある構図が多い。
本作のように、
彼のアトリエが、その絵の背景となった部屋かどうかは不明だが
彼の好んだ場所であることは間違いない。

フェルメール・ブルーとも呼ばれる
当時高価だったウルトラマリンの青を惜しみなく用いた絵画が特徴。
同じ構図で描かれた有名な "牛乳を注ぐ女" でも、
この青がエプロンに精彩を放っている。
ちなみにメイド頭のタンネケという名は
この "牛乳を注ぐ女" のモデルとなったメイドと同名。

image.jpg

白い頭巾とケープをまとった真っ白な肌が
凹凸のあるすりガラスから差し込む太陽光に美しく輝く。

フェルメールの実娘がモデルといわれる実物の "真珠~" の女は
大きな瞳とふっくらとした頬が、幼さとあどけなさを湛えている。
一方、グリートを演じたS・ヨハンソンは当時まだ18歳ながら
白肌の奥に、絵にはない大人の色気をかもし出す。

タンネケを演じるJ・スキャンラは
メイド頭としての厳しい口調と裏腹に
そのふくよかな体格から、母性的な優しさを感じさせる。

フェルメールを演じるC・ファース。
彼の風貌に芸術家の深みを感じられず
視覚的センスに恵まれた画家のイメージからは縁遠い
と感じるのは私だけだろうか。
肉屋の生活感がまったくなく妙に現代的なピーターもいただけない。

素朴な美しさを瑞々しく表現した主役のスカーレット。
そのそばにいる男性2人のキャスティングだけが…

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『十二夜』 [洋画(サ行)]

「十二夜」(1996)★★★☆☆60点
原題: TWELFTH NIGHT
監督・脚本: トレヴァー・ナン
製作: スティーヴン・エヴァンス、デヴィッド・パーフィット
原作: ウィリアム・シェイクスピア
撮影: クライヴ・ティックナー
音楽: ショーン・デイヴィ
出演:
 ヘレナ・ボナム=カーター(オリヴィア)
 イモジェン・スタッブス(ヴァイオラ)
 スティーヴン・マッキントッシュ(セバスチャン)
 ニコラス・ファレル(アントーニオ)
 トビー・スティーヴンス(オーシーノー公)
 ナイジェル・ホーソーン(マルヴォーリオ)
 ベン・キングズレー(フェステ)
 メル・スミス(トービー・ベルチ)
 イメルダ・スタウントン(マライア)
 リチャード・E・グラント(アンドルー・エーギチーク)
 ピーター・ガン(フェイビアン)
製作・ジャンル: 英国/古典・コメディ・ロマンス/134分

十二夜 [DVD]








シェイクスピア喜劇の定番をトレヴァー・ナンが脚本・監督。
不肖私も舞台でアントーニオを演じたことがある作品。

オリヴィアとセバスチャンはたとえ似ていなくても
観客は冒頭から双子だという設定を知っているから
お芝居の嘘ということで、特に舞台ではお約束で許される。
とはいえ、映画では似させるのにこだわるのは当然。
よく似たタイプを見つけてきた。

演技的には兄より妹の役柄に大きく依存する作品だけに
セバスチャンの演技力はさほど問題とならない。

重要な役どころといえば
物語の芯となるオリヴィアとヴァイオラ、
お笑い組のマルヴォーリオ、トービー、マライア、エーギチーク、
そして、その間を縦横無尽に行き来するフェステ。

ティム・バートンの内縁の妻、H・ボナム=カーターのオリヴィア嬢。
個人的な趣味と言われればそれまでだが
もう少し一般的に言う美形を持ってきてほしかった。

トービー、マライアは芸達者な2人を揃えて合格点。
しかし、マルヴォーリオがつまらない。
もう少し若手を起用してもよかったのではないだろうか。
フットワークが悪すぎて全く笑えない。
直接笑いを誘う役ではないが、滑稽に見えることが絶対条件。
ただただスノッブには見えるが、それだけ。

エーギチークに関しては同情する。
原作を読み込んでもなかなか捉えどころのないキャラクターなのだ。
愚直・臆病かつ、ある種精神分裂的性格。
どこに役の要があるか難しいのだ。
私は舞台でも映像でもこの役を見事に演じた俳優を知らないし
エーギチークを面白いと思わせる役者こそ名優だと信じる。

さて、何よりのミスキャストはフェステのB・キングズレー。
キャスティングの理由も意図もまったく分からない。
道化というと、
帽子とかスキンヘッドというイメージで演出されることがままあるが
道化はイメージキャストで成立するような単純な役ではない。
生真面目で重々しい役を演じることが多いキングズレー。
巧みに言葉を操る知性も必要だが
同時に、軽さや憂いが演技のキーとなる道化にはどう見ても不適。
オスカー俳優であり、ナイトの称号まで受けた彼だが
私は大根役者の部類だと思っている。
下手とは言わないが、何をやっても一本調子。
シェイクスピア劇には、
道化やそれに代わるポジション(パックなど)が多く登場するが
どれも作品を全体像を規定する上で大切で難しい役であり
重鎮や性格俳優と言われる人によって演じられることが多い。

あと、自分が演じたことがあるからだが
セバスチャンがアントーニオに対して随分薄情に感じる。
複数のカップル成立で盛り上がっている最中
何の別れの言葉もなくアントーニオが去っていく演出…???
邸内の連中と対照させるために
去るマルヴォーリオやトービーらと同じくくりにする意図は分かるが。

結局残ったのは、
I・スタッブスの好演と
双子、よく似てたなあという印象だけか。

80年代ミュージカル界を席巻した
ロンドンミュージカルの大半を演出したトレヴァー・ナン。
いまだに現役としてその高評価を受けつづけている。
2003年ブロードウェイで観た舞台
"Vincent in Brixton" も彼の演出だった。
ナンの演出というより、
クレア・ヒギンスの演技の素晴らしさによるものかもしれないが
ただのキスがあれほど美しく号泣を誘うものだと知った作品。
ナンの才能は私も疑わないが
実は喜劇が苦手、
あるいは、彼も人の子、時には駄作も作ってしまうということだ。

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