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『真珠の耳飾りの少女』 [洋画(サ行)]

「真珠の耳飾りの少女」(2003)★★★★85点
原題: GIRL WITH A PEARL EARRING
監督: ピーター・ウェーバー
製作: アンディ・パターソン、アナンド・タッカー
製作総指揮: ピーター・ブロック、ニック・ドレイク、リチャード・アードーズ、フランソワ・イヴェルネル、ダリア・ジョヴィチッチ、キャメロン・マクラッケン、トム・オーテンバーグ、ダンカン・リード
原作: トレイシー・シュヴァリエ「真珠の耳飾りの少女」
脚本: オリヴィア・ヘトリード
撮影: エドゥアルド・セラ
美術: ベン・ヴァン・オズ
衣装デザイン: ディーン・ヴァン・ストラーレン
音楽: アレクサンドル・デプラ
出演:
 スカーレット・ヨハンソン(グリート)
 コリン・ファース(ヨハネス・フェルメール)
 トム・ウィルキンソン(ピーター・ファン・ライフェン)
 キリアン・マーフィ(ピーター)
 エシー・デイヴィス(カタリナ・ボルネス、フェルメールの妻)
 ジュディ・パーフィット(マーリア・シン)
 ジョアンナ・スキャンラ(タンネケ)
 アラキーナ・マン(コーネリア、フェルメールの娘)
 アナ・ポップルウェル(マールトヘ)
受賞:
 LA批評家協会賞
  ■撮影賞 エドゥアルド・セラ
 ヨーロッパ映画賞
  ■撮影賞 エドゥアルド・セラ
製作・ジャンル: 英国=ルクセンブルク/ドラマ・ロマンス・歴史/100分

真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]








17世紀に活躍したオランダ人画家
フェルメールが描いた一枚の絵を巡る恋愛ドラマ。

すっかり作品に引き込まれ、あっという間の100分間だった。

"真珠の耳飾りの女" といえば、フェルメールの代表作の一つ。
日本にもフェルメール・ファンは数多い。

同時代同国で肩を並べた天才画家レンブラント同様
光と影を巧みに使ったフェルメール。
彼の画法そのままに、
ウェーバー監督は、
色彩と光にこだわり、
この映画全体を絵画に見立てて描ききっている。
最後にタンネケがグリートを訪ねる土間のシーンに象徴的だが
ドア口を額縁代わりにして、
暗い手前から明るい奥を描く画(え)が美しい。
名画の中にロマンスを紡ぎだした演出は素晴らしい。
その裏で、照明・撮影、そして編集班の苦労は想像に難くないが。

フェルメールの作品には
左手に日の光が差し込む窓のある構図が多い。
本作のように、
彼のアトリエが、その絵の背景となった部屋かどうかは不明だが
彼の好んだ場所であることは間違いない。

フェルメール・ブルーとも呼ばれる
当時高価だったウルトラマリンの青を惜しみなく用いた絵画が特徴。
同じ構図で描かれた有名な "牛乳を注ぐ女" でも、
この青がエプロンに精彩を放っている。
ちなみにメイド頭のタンネケという名は
この "牛乳を注ぐ女" のモデルとなったメイドと同名。

image.jpg

白い頭巾とケープをまとった真っ白な肌が
凹凸のあるすりガラスから差し込む太陽光に美しく輝く。

フェルメールの実娘がモデルといわれる実物の "真珠~" の女は
大きな瞳とふっくらとした頬が、幼さとあどけなさを湛えている。
一方、グリートを演じたS・ヨハンソンは当時まだ18歳ながら
白肌の奥に、絵にはない大人の色気をかもし出す。

タンネケを演じるJ・スキャンラは
メイド頭としての厳しい口調と裏腹に
そのふくよかな体格から、母性的な優しさを感じさせる。

フェルメールを演じるC・ファース。
彼の風貌に芸術家の深みを感じられず
視覚的センスに恵まれた画家のイメージからは縁遠い
と感じるのは私だけだろうか。
肉屋の生活感がまったくなく妙に現代的なピーターもいただけない。

素朴な美しさを瑞々しく表現した主役のスカーレット。
そのそばにいる男性2人のキャスティングだけが…

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