『1224 FILM THE MOVIE 2013』 [ライヴ]
「1224 FILM THE MOVIE 2013」(2013)★★★★90点
監督: 永石勝
プロデュース: 土屋浩、関口みつのぶ
企画・制作: YUI ENTERTAINMENT Inc.
協力: EMI MUSIC JAPAN株式会社
企画協力: 株式会社ドリームファクトリーワールドワイド
企画・配給 MMW Inc.
出演:
氷室京介
布袋寅泰
松井恒松
高橋まこと
収録: 1987年12月24日 渋谷公会堂
会場: ワーナー・マジカル・シネマズ板橋
鑑賞日: 2013年3月21日(木)
上演時間: 午後6:50~(123分)
ジャンル: ロック
数多くのミュージシャンに多大な影響を与えた
伝説のバンドBOWY。
解散宣言が飛び出した87年Xmasイヴのライヴ・ドキュメンタリー。
収録されているのは、ステージパフォーマンスは勿論のこと、
アンコール前の楽屋の様子
解散宣言
解散の噂を聞きつけ渋公前に集まった数千人のファン
そして公園通りの街並み。
"事件" と騒がれた往時が偲ばれる貴重な映像である。
公開初日に鑑賞。
スクリーンと音量の大きさは、映画館ならではの迫力。
大画面の液晶テレビが増えたとはいえ、
DVD映像では決して味わえない。
UP映像を堪能できる映画館での鑑賞は
実際のライヴに立ち会うのとは、
また一味違った臨場感を体感できる。
本編が始まると同時に、胸がドキドキしっぱなしだった。
スタイリッシュにステージを泳ぎまわる氷室。
激しくクレイジーな動きをする布袋は、時折ダサくも映るが
そのエネルギッシュでシャープな演奏ぶりはやはりイカしている。
眉間にしわを寄せ、手元と正面を見据える以外、
ほとんど不動でベースを弾きつづける松井の渋いこと渋いこと。
カッコよくて仕方ない。
ちょっとポッチャリで
グラサン姿がどうもひょうきんに映る高橋だけが普通で、
ちょっとバンドのヴィジュアルテイストからは外れている。
私がステージをプロデュースするなら、
ドラムは、氷室と重なるステージ中央でなく
ベースの松井が陣取る上手寄りにセッティングするところだが
まあ目をつぶろう。
氷室のメイク&ファッションは
1990年に全米公開された『シザーハンズ』で
ジョニー・デップが演じたエドワードを想起させるが、
BOWYの活動時期は1981~88年。
このライヴも1987年のクリスマスイヴ。
ティム・バートンやジョニー・デップが
BOWYを観て感化されたなんてことはないだろうが
エドワード・シザーハンズに先行していたのは氷室京介だ。
熱狂するファンに揺れる客席。
渋谷公会堂が意外に小さいことが分かる。
アンコール前の楽屋風景。
そもそも
アンコール前にファンを待たせて楽屋に戻ることが予想外だった。
アンコールありきで行われる昨今のライヴを考えると
舞台袖で汗を拭き水分補給する程度かと思っていたが
ステージからかなり離れた楽屋まで戻り、一息つくメンバー。
その楽屋でのわずかな時間の過ごし方もまちまち。
着替えをする松井と高橋。
化粧前に腰かけて、髪やメイクを直す布袋。
机上のタオルに顎をのせ、ただ休息をとる氷室。
2度目のアンコールで "ONLY YOU" が披露された後
氷室から解散宣言がなされる。
布袋から渡される花束。
込み上げる感情に、声を詰まらせ
何度も布袋を見やる氷室。
背を向け、自らも涙をこらえるのに必死な布袋。
以後も確執を噂される二人だが
そこには確かな絆があったのだと私は信じている。
CDがメディアとして普及する以前に
絶大な人気を誇ったBOWYの凄さは、一概に
売り上げや観客動員を尺度に推し量ることはできないだろう。
氷室と布袋という2人のカリスマを抱えたことが
その凄さの源であり、解散の原因になったのかも。
少なからぬ郷愁を排しても
私にとってその存在はCOOL以外の何物でもないが、
今の10代・20代の若者の目にはどう映るのだろうか?
CDやDVDによる事後体験であっても
多くの人たちが支持してくれるものと信じたい。
これまでも、いろんな音源や映像ネタを切り張りして
BOWY商品をリリースしてきた
東芝EMI(現 EMI MUSIC JAPAN)。
そのあくどい商法は
BOWYとそのファンを冒涜するものとの批判を浴びてきた。
本作に関しても、配給元の MMW Inc. が
スポーツ紙に【完全未公開の解散宣言ライヴ】と書かれたことを
"事実と違う、誤解を招いた" と自ら謝罪しているが
記者が独断でそう銘打つわけなどなく
当然、配給会社からのプレスリリースを基にしているはずである。
"LAの映像プロダクションによってリプロデュースされた" そうだが
その効果たるや、どれほどなのか
2001年にリリースされたDVDを観ていないので比較できない。
修復スタッフのクレジットすら流れない。
DVDをちょっといじって映画館に掛けただけ、と解釈するのが筋。
ただ、EMI のさもしい営利主義に取り巻かれているからといって
BOWYの素晴らしさが色褪せるものでは全くない。
BOWY未経験者も、是非映画館に足を運んでほしい。
同じ内容であろうと思われる
2001年12月24日リリースのDVD『1224』に
収録されている曲を列記しておく。
「LIAR GIRL」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「ANGEL PASSED CHILDREN」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「BLUE VACATION」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「ハイウェイに乗る前に」
作詞・作曲:氷室京介
「GIGORO&GIGOLET」
作詞・作曲:氷室京介
「PSYCHOPATH」
作詞:松井恒松/作曲:布袋寅泰
「CLOUDY HEART」
作詞・作曲:氷室京介
「MARIONETTE」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「わがままジュリエット」
作詞・作曲:氷室京介
「LONGER THAN FOREVER」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「季節が君だけを変える」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「WORKING MAN」
作詞:松井恒松/作曲:布袋寅泰
「B・BLUE」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「RENDEZ-VOUS」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「Honky Tonky Crazy」
作詞・作曲:BOWY
「PLASTIC BOMB」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「BEAT SWEET」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「IMAGE DOWN」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「NO, NEW YORK」
作詞:深沢和明/作曲:布袋寅泰
「MEMORY」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「ONLY YOU」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「Dreamin'」
作詞:布袋寅泰、松井五郎/作曲:布袋寅泰
監督: 永石勝
プロデュース: 土屋浩、関口みつのぶ
企画・制作: YUI ENTERTAINMENT Inc.
協力: EMI MUSIC JAPAN株式会社
企画協力: 株式会社ドリームファクトリーワールドワイド
企画・配給 MMW Inc.
出演:
氷室京介
布袋寅泰
松井恒松
高橋まこと
収録: 1987年12月24日 渋谷公会堂
会場: ワーナー・マジカル・シネマズ板橋
鑑賞日: 2013年3月21日(木)
上演時間: 午後6:50~(123分)
ジャンル: ロック
数多くのミュージシャンに多大な影響を与えた
伝説のバンドBOWY。
解散宣言が飛び出した87年Xmasイヴのライヴ・ドキュメンタリー。
収録されているのは、ステージパフォーマンスは勿論のこと、
アンコール前の楽屋の様子
解散宣言
解散の噂を聞きつけ渋公前に集まった数千人のファン
そして公園通りの街並み。
"事件" と騒がれた往時が偲ばれる貴重な映像である。
公開初日に鑑賞。
スクリーンと音量の大きさは、映画館ならではの迫力。
大画面の液晶テレビが増えたとはいえ、
DVD映像では決して味わえない。
UP映像を堪能できる映画館での鑑賞は
実際のライヴに立ち会うのとは、
また一味違った臨場感を体感できる。
本編が始まると同時に、胸がドキドキしっぱなしだった。
スタイリッシュにステージを泳ぎまわる氷室。
激しくクレイジーな動きをする布袋は、時折ダサくも映るが
そのエネルギッシュでシャープな演奏ぶりはやはりイカしている。
眉間にしわを寄せ、手元と正面を見据える以外、
ほとんど不動でベースを弾きつづける松井の渋いこと渋いこと。
カッコよくて仕方ない。
ちょっとポッチャリで
グラサン姿がどうもひょうきんに映る高橋だけが普通で、
ちょっとバンドのヴィジュアルテイストからは外れている。
私がステージをプロデュースするなら、
ドラムは、氷室と重なるステージ中央でなく
ベースの松井が陣取る上手寄りにセッティングするところだが
まあ目をつぶろう。
氷室のメイク&ファッションは
1990年に全米公開された『シザーハンズ』で
ジョニー・デップが演じたエドワードを想起させるが、
BOWYの活動時期は1981~88年。
このライヴも1987年のクリスマスイヴ。
ティム・バートンやジョニー・デップが
BOWYを観て感化されたなんてことはないだろうが
エドワード・シザーハンズに先行していたのは氷室京介だ。
熱狂するファンに揺れる客席。
渋谷公会堂が意外に小さいことが分かる。
アンコール前の楽屋風景。
そもそも
アンコール前にファンを待たせて楽屋に戻ることが予想外だった。
アンコールありきで行われる昨今のライヴを考えると
舞台袖で汗を拭き水分補給する程度かと思っていたが
ステージからかなり離れた楽屋まで戻り、一息つくメンバー。
その楽屋でのわずかな時間の過ごし方もまちまち。
着替えをする松井と高橋。
化粧前に腰かけて、髪やメイクを直す布袋。
机上のタオルに顎をのせ、ただ休息をとる氷室。
2度目のアンコールで "ONLY YOU" が披露された後
氷室から解散宣言がなされる。
布袋から渡される花束。
込み上げる感情に、声を詰まらせ
何度も布袋を見やる氷室。
背を向け、自らも涙をこらえるのに必死な布袋。
以後も確執を噂される二人だが
そこには確かな絆があったのだと私は信じている。
CDがメディアとして普及する以前に
絶大な人気を誇ったBOWYの凄さは、一概に
売り上げや観客動員を尺度に推し量ることはできないだろう。
氷室と布袋という2人のカリスマを抱えたことが
その凄さの源であり、解散の原因になったのかも。
少なからぬ郷愁を排しても
私にとってその存在はCOOL以外の何物でもないが、
今の10代・20代の若者の目にはどう映るのだろうか?
CDやDVDによる事後体験であっても
多くの人たちが支持してくれるものと信じたい。
これまでも、いろんな音源や映像ネタを切り張りして
BOWY商品をリリースしてきた
東芝EMI(現 EMI MUSIC JAPAN)。
そのあくどい商法は
BOWYとそのファンを冒涜するものとの批判を浴びてきた。
本作に関しても、配給元の MMW Inc. が
スポーツ紙に【完全未公開の解散宣言ライヴ】と書かれたことを
"事実と違う、誤解を招いた" と自ら謝罪しているが
記者が独断でそう銘打つわけなどなく
当然、配給会社からのプレスリリースを基にしているはずである。
"LAの映像プロダクションによってリプロデュースされた" そうだが
その効果たるや、どれほどなのか
2001年にリリースされたDVDを観ていないので比較できない。
修復スタッフのクレジットすら流れない。
DVDをちょっといじって映画館に掛けただけ、と解釈するのが筋。
ただ、EMI のさもしい営利主義に取り巻かれているからといって
BOWYの素晴らしさが色褪せるものでは全くない。
BOWY未経験者も、是非映画館に足を運んでほしい。
同じ内容であろうと思われる
2001年12月24日リリースのDVD『1224』に
収録されている曲を列記しておく。
「LIAR GIRL」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「ANGEL PASSED CHILDREN」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「BLUE VACATION」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「ハイウェイに乗る前に」
作詞・作曲:氷室京介
「GIGORO&GIGOLET」
作詞・作曲:氷室京介
「PSYCHOPATH」
作詞:松井恒松/作曲:布袋寅泰
「CLOUDY HEART」
作詞・作曲:氷室京介
「MARIONETTE」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「わがままジュリエット」
作詞・作曲:氷室京介
「LONGER THAN FOREVER」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「季節が君だけを変える」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「WORKING MAN」
作詞:松井恒松/作曲:布袋寅泰
「B・BLUE」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「RENDEZ-VOUS」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「Honky Tonky Crazy」
作詞・作曲:BOWY
「PLASTIC BOMB」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「BEAT SWEET」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「IMAGE DOWN」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「NO, NEW YORK」
作詞:深沢和明/作曲:布袋寅泰
「MEMORY」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「ONLY YOU」
作詞:氷室京介/作曲:布袋寅泰
「Dreamin'」
作詞:布袋寅泰、松井五郎/作曲:布袋寅泰