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「半沢直樹」(2020)部分評 [TVドラマ]

「半沢直樹」(2020)★★★★☆75点
演出: 福澤克雄、田中健太、松木彩
原作: 池井戸潤
脚本: 丑尾健太郎、金沢知樹、谷口純一郎
プロデューサー: 川嶋龍太郎、青山貴洋
音楽: 服部隆之
出演:
 堺雅人(半沢直樹)
 上戸彩(半沢花)
 及川光博(渡真利忍)
 片岡愛之助(黒崎駿一)
 北大路欣也(中野渡謙)
 香川照之(大和田暁)
*****(以下、50音順)*****
 浅野和之(富岡義則)
 粟島瑞丸(尾西克彦)
 池田成志(諸田祥一)
 石黒賢(山久登)
 市川猿之助(伊佐山泰二)
 井川遥(女将・智美)
 井上芳雄(加納一成)
 今井朋彦(玉置克夫)
 今田美桜(浜村瞳)
 入江甚儀(田島春)
 江口のりこ(白井亜希子)
 柄本明(箕部啓治)
 大鷹明良(的場一郎)
 尾上松也(瀬名洋介)
 賀来賢人(森山雅弘)
 角田晃広(三木重行)
 木場勝己(神谷巌夫)
 児嶋一哉(笠松茂樹)
 段田安則(紀本平八)
 佃典彦(曾根崎雄也)
 土田英生(平山一正)
 筒井道隆(乃原正太)
 戸次重幸(郷田行成)
 夏目三久(銀行イメージキャラクター)
 西田尚美(谷川幸代)
 古田新太(三笠洋一郎)
 益岡徹(岡光秀)
 丸一太(苅田光一)
 南野陽子(平山美幸)
 みのすけ(灰谷英介)
 宮野真守(金融庁・古谷)
 山崎銀之丞(広重多加夫)
 山田純大(福山啓次郎)
 山本亨(牧野治)
************************
 山根基世(ナレーション)
制作・ジャンル: TBS/ドラマ・経済/54分(一部延長回あり)

hanzawa.jpg
 
 
前にも書いたように
地上波の帯ドラマは一切観なくなってしまった。
だが、池井戸原作のドラマ・映画は多少なりとも観ている。
本作の第1シリーズも
ついこの春先にネットで一気観したばかり。
2020版はまだ中途だから、これまでのところに限定した部分評価になる。
この時点で書こうと思ったのは
明日(9月6日)の放映が撮影の遅れから一週延期され
代わりに、主演者たちのトーク番組生放送になるらしく、
それを観てバイアスを受けるのを嫌ってのことだ。
といっても、すでにネットの記事で多少なりとも要らない情報を入れてしまっているがね。

後刻、追加したり編集したりすると思うけど
まずは、"トーク番組前に" 思いつくままに書いてみる。

また、ストーリーは完結していないし
扱ってる内容は面白いので
ここでは、それ以外、
演技についての戯言を中心に羅列することにする。
かつ、ゲストを中心にコメントする。


まず、「半沢直樹」というTBSドラマ…
これはもはやドラマではなくコント、いやネタ見せ大会だな。
ストリーム(話の筋)はあっても、ドラマではない。
顔芝居のオンパレード。
出演者はみんな顔芸が必須って意識で、競い合ってるよね。
顔芝居自体は否定しないが、
トータル的に見て演技にどう盛り込むかが問題。
どうとかこうとかのレベルじゃなくて、だらけだ。

作家としてほとんど挫折なく成功した原作者・池井戸順氏は
経済小説で脚光を浴びたが
スキャンダルや裏話様のストーリーばかりが注目されていた。
そこで、人間ドラマを描かなくてはダメだと開眼したというが
今こうして映像化された作品に、いったい何を思うのだろう。
見事にエンタメとして昇華してくれたと楽しんでいるか、
それとも
キャラのぶつけ合いに終始し、そのキャラの間に交わされるケミストリーの欠如に
心のなかで愚痴をこぼしているか。
何はともあれ
立派なエンターテインメントであることは間違いない。
だからこそ、人気もある。
ドラマとは別物だが、私も楽しんでいる。

西田尚美。
右肩下がってるなあ。歩いてるシーンで特に目立った。
程度の差はあれ、ほとんどの人間は体が歪んでいる。
俳優さんの中にもそういった歪みを持つ人はすくなくない。
堺雅人も頭がいつも少し傾いている。
特に、顔が歪んでる芸能人は多いよね。
具体的には挙げないが、口が曲がっている人は多い。
皆さん、矯正の努力はしているはずだが、限界がある。
かくいう私も背骨の歪みから
西田さんよろしく右肩が下がっている。
普段気づく人はほとんどなく、
衣装合わせでスタッフに気づかれることがたまにある程度。
だから、そんなことを気にする視聴者は少ないだろうけど
今回は気になったなあ。というか、初めて気づいた。
きっと彼女には合わない毅然とした堅物の役を振られ、
普段縁のない背筋をピンと伸ばした歩きをしたせいだろう。
最低限の役目は果たしていると思うが、弱い。
キャラクターとして弱い。
女性としてあの地位まで上り詰めた肝っ玉の太さがない。
組織の前に己の無力さを感じ、忸怩たる思いを抱いていることとは別次元の話だ。
こういう時に
俳優としてではなく、人としての強さ・大きさが露呈する。
これは、後述する江口のりこに、尚更に当てはまること。

江口のりこ。
まず、演技下手だなあ。
のっぺりとして不気味な顔立ちは
俳優として大きな武器だと思うし、
それを売りに、今の地位まで這い上がってきたんだと思う。
それはそれとして、芝居はNG[右斜め下]
台詞少なめの、
「時効警察」くらいのポジションが彼女にはうってつけ。
彼女の人生一番の大役を任されて
演技プランはかなり練ったんだろう、努力が随所に伺える。
ただ、その努力がプランが、見えちゃうんだよねー
"ザ・貞子" のシーンとか。
大芝居を求める声が「半沢」ファンには多いと踏んでのこと?
彼女が持ち込んだのか、演出家が指示したのか、
いずれにしても、狙うこと自体がダッサイ。
あのカットだけが浮いてる。
人間としての幅が演技には大きく影響する。
その幅がなけりゃ、役作りも薄っぺらくなる。
頑張れば頑張るほど、その頑張りが見えてしまう。
"観客は役者の汗なんか見たくないんだよ"
若い頃、先輩に言われたことを思い出す。
プランはプラン、
設計図さえ書けば、立派な家が立つわけじゃない。
大工の腕次第で、出来上がりは似て非なるものになる。
柄本明演じる重鎮政治家の怒声に驚く場面だけはリアルだが
劇団の大先輩にビビったというのが本音だろう。
ただ、その理由は別にどうでもいいことだ。
キャラクターとしては良くても
プランが立派でも、
演技が下手では…。
これは本人の責任ではない。キャスティングした人が悪い。
今すぐには思い浮かばないが
他に適任者は少なからずいるはず。
柄本のバーターかい!?

古田新太。
テレビに出始め、すぐに好きになったが
笑いを取りに行くワンパターンの大げさ芝居が
だんだん鼻についてきて、
ついには嫌いになってしまった。
オンエアを見かけたら、すぐにチャンネルを変えるほどに。
だが、今回は出番や台詞が少ないこともあるが
抑えたままの演技が良かった。
顔芝居なんかしなくても
悪辣さや悔しさがしっかり伝わってきた。
あれこそ、役者としてキャラの濃い人の使い方だと思う。
制作サイドも
歌舞伎役者やアングラ・小劇団出身俳優をあんな風に起用したかったんじゃないかな、当初は。

猿之助。
演技を観るのは、この作品で初めてだと思うが
完全に拒否反応。
プロの歌舞伎役者ではあるんだろうけど、現代劇じゃダメだ。
ドラマでの演技に悩む尾上松也に、
"歌舞伎っぽいって駄目だしされるなら、帰っちまえばいい。
呼ぶんじゃねえ"
そう助言したと記事で読んだが、
猿之助は「半沢」でも、その発言を実践している。
しかし、ドラマの役を
型重視の歌舞伎の役にしてしまうことと
歌舞伎を活かし、そのテイストを組み入れて演じることは
全く違う。
だから、薄っぺらくなるのは必然だ。
画面や記事から、彼自身が直線的な人だということは分かる。
伊佐山という人物は薄っぺらな人間だろうけど
私が薄っぺらだというのは猿之助の演技の話。
ぺらっぺらのぺらっぺら。
ドアップ顔のイメージが残るだけ。
ただただ、つまらない。

嫌いだった愛之助を少し好きになった。
顔が受け付けなかったし、紀香絡みで毛嫌いしていた。
でも、前シリーズも含め、
歌舞伎での演技を活かすって、
こういうことなんだよ猿之助さん!
まんま歌舞伎をやることじゃないよ。
まあ、彼はまんましか出来ないからやってるんだろうけどね。
一方、愛之助さんは柔軟な役者さんだと思う。
これから、別の作品でも是非
愛之助の演技を見てみたい気持ちにさせられている。

尾上松也について短評すれば
情報に振り回される役の心持ちの変遷をよく表現していた
と感じる。
現場での辛辣なダメ出しとしっかり向き合って
彼なりに格闘した結果だろう。
それは役者のあるべき姿。
結果、先輩のような一面的な演技にとどまることなく
好評へとつながっていく。

戸次重幸、酷いねえ。最悪。
TEAM NACS の中で飛び抜けて演技が下手。
俳優を名乗らないほうが良いと思う。
せいぜい自分たちの舞台だけに留めておくべきだ。
「下町ロケット」にも出ていたけど
そのシーン飛ばしたくなったよ。
筋が分からなくなるし
他の人の演技は観たいから我慢したけど。
同じTBSなんだから
制作スタッフも「下町」の演技見てるだろうに、
何であんなに大事なポジションで使うのだろう。
まったく以って理解に苦しむ。

制作のTBSの意向だろうけど、池井戸原作ドラマには
歌舞伎役者やお笑い芸人が多く起用されてるけど、
歌舞伎役者の芝居はクサいし、芸人の演技は概して酷い。
角田さんは演技を評価する視聴者が多いが
特段上手いとは思わないし、ややもすると悪目立ち。
メガネが大きくズレるのが面白い
なんて言ってた芸人仲間もいたが
私は、狙い丸見えのあの演技で、グッと引いてしまう。
アンジャッシュ・児島に至っては
見るも無残な立ち居振る舞い、ただただ邪魔。
「下町ロケット」には古坂大魔王も出ていたが、
元々芸人としても嫌いだということも手伝って
観ていて "ドラマの邪魔するんじゃねえ" って
ぶっ飛ばしてやりたくなった。

お笑いタレントがドラマや映画に出演する先鞭をつけたのは
明石家さんまと言えよう。
同時期に俳優へとシフトしていった片岡鶴太郎。
使う側に見る目があったのかどうかは別として
彼らのように、器用な、あるいは素質のある人ならともかく
最近、やたらと芸人がドラマに出ている気がする。
帯ドラ観ない私が言うのも何だが、
ネット情報からだけでも、そういう風潮が感じられる。
いいなあ、上手いなあ、って素直に感激できる芸人さんには
とんと出会わない。

思いつくままに書いてきたが
何だか、"薄っぺらい" 発言を連発ちゃったなあ。
ほとんど褒めてないね、今回。
それだけ沢山、不満を覚えた演技に遭遇したってこと。
でも、十分楽しんでいる。
でなければ、毎週決まった時間に地上波を付けたりしない。
まだまだ書きたいことは出てきそうだが
部分評としては、とりあえずここまで。

ネットでは
「半沢」人気を追い風に高評価を受けている出演者も多いから
私の見方は見る目がないと批判を受けるかもしれないが
これはあくまで私見、私の感想。
ブログでは自由に言わせてもらいたいし
十人十色、他人の意見を否定するつもりは毛頭ない。

今日放送されるトーク特番を観て
感じ方が変わってしまうかもしれないが、
俳優や制作スタッフはあくまで "作品" が勝負である。

ちなみに、一番のお気に入りは
山根さんのナレーションです[exclamation] 山根さん、最高[exclamation]
 
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