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『20世紀少年 ‐最終章‐ ぼくらの旗』 [邦画(ナ行)]

「20世紀少年 ‐最終章‐ ぼくらの旗」(2009)★☆☆☆☆15点
監督: 堤幸彦
製作: 堀越徹、 亀井修、島谷能成、平井文宏、西垣慎一郎、島本雄二、大月昇、和田倉和利、長坂信人、板橋徹
企画・脚本: 長崎尚志
原作・脚本: 浦沢直樹
製作総指揮: 小杉善信
エグゼクティブプロデューサー: 奥田誠治
プロデューサー: 飯沼伸之、甘木モリオ、市山竜次
撮影: 唐沢悟
録音: 鴇田満男
照明: 木村明生
美術: 相馬直樹
装飾: 茂木豊
音楽: 白井良明
音響効果: 北田雅也
主題歌: T・レックス 『20th Century Boy』
編集: 伊藤伸行
SFX/VFXスーパーバイザー: 野崎宏二
SFX/VFX/特撮: 阪上和也
第2班監督: 木村ひさし
COプロデューサー: 大村信
出演:
 唐沢寿明 (ケンヂ)矢吹丈/ケンヂ(遠藤健児)
 豊川悦司 (オッチョ)落合長治
 常盤貴子 (ユキジ)瀬戸口ユキジ
 香川照之 (ヨシツネ)皆本剛
 平愛梨 (カンナ)遠藤カンナ
 中村嘉葎雄 (神様)
 黒木瞳 (キリコ)
 藤木直人 (蝶野、警官)
 石塚英彦 (マルオ)
 宮迫博之 (ケロヨン)
 佐々木蔵之介 (フクベエ)
 高橋幸宏 (ビリー、焼き鳥屋の大将)
 古田新太 (春波夫)
 竹内都子(市原節子)
 佐野史郎 (ヤン坊/マー坊)
 六平直政(仁谷神父)
 福田麻由子(サナエ、オッチョを助ける少女)
 広田亮平(カツオ、サナエの弟)
 森山未來 (角田)
 小池栄子 (高須)
 木南晴夏 (小泉響子)
 石橋蓮司 (万丈目胤舟)
 サーマート・セーンサンギアム(チャイポン、タイマフィア)
 チェン・チャオロン(王、中国マフィア)
 山寺宏一 (コンチ、DJ)
 手塚とおる(金子、漫画家)
 田鍋謙一郎(氏木、漫画家)
 竹中直人(ピエール一文字)
 岡田義徳(集会場の裏方)
 津田寛治(諸星ダン)
 遠藤賢司(猟師)
 丸山智己(地球防衛軍隊長)
 北村総一朗(敷島教授)
 片瀬那奈(敷島ミカ)
 井浦新[ARATA](田村マサオ "13番")
 武蔵(大垣、厳道館師範代)
 光石研(山崎、元警察庁長官)
 MCU(ライブ客)
 左右田一平(ライブ客)
 原口あきまさ(ライブ客)
 吉田照美(ライブ客)
 ダイアモンド☆ユカイ(ライブ客)
 斎藤工(ライブ客)
 高嶋政伸(地球防衛軍隊員)
 石橋保(ケンヂの同級生)
 研ナオコ(ジジババ)
 西山潤(子供時代のケンジ)
 藤原薫(子供時代のサダキヨ)
 松元環季(子供時代のユキジ)
 安西壱哉(子供時代のマルオ)
 矢野太一(子供時代のモンちゃん)
 山田清貴(子供時代のヤン坊・マー坊)
 上原陸(子供時代のフクベエ)
 吉田海夕(子供時代の池上)
 澤畠流星(子供時代のオッチョ)
 小倉史也(子供時代のヨシツネ)
 吉井克斗(子供時代のドンキー)
 森山拓哉(子供時代のケロヨン)
 清水歩輝(子供時代のコンチ)
 安彦統賀(子供時代のヤマネ)
 田辺修斗(中学時代のケンヂ)
 神木隆之介(中学時代の勝俣忠信)
製作・配給・ジャンル:映画「20世紀少年」製作委員会(=日本テレビ、小学館、東宝、バップ、読売テレビ、電通、読売新聞、シネバザール、オフィスクレッシェンド、ディーライツ、STV、MMT、SDT、CTV、HTV、FBS、シネバザール、オフィスクレッシェンド)/東宝/サスペンス・ドラマ/155分

20世紀少年 <最終章> ぼくらの旗 通常版 [DVD]20世紀少年 <最終章> ぼくらの旗 豪華版 (本編DVD1枚+特典ディスクDVD1枚)※生産限定








浦沢直樹の人気コミック「20世紀少年」の映画化第3弾。

福田麻由子はさすが、芯が通っている。
デビュー時からその演技を絶賛されてきた彼女も
少し大人びたが、その安定感のある演技で
女優として確実に成長していることをうかがわせる。

源氏一派。
ケンジと音が似ててややこしい。
原作では、音でなく活字だから問題なかったんだろう。
かといって、原作のこの部分は変更しないだろうから
一番初めに口にする広田少年よ、もっとハッキリ発声してくれ。

高橋幸宏の登場が何とも嬉しい。
台詞はないが、渋さがあふれている。

宮迫のわざとらしい芝居、何とかならないのか。
救いようがないレベルだが
本人は名優と思っているらしいから性質が悪い。

前作で平愛梨の真っすぐな情熱はいいが、
大ざっぱな情感に流されて台詞を吐くのはいただけない。
意味をきちんと把握して発すれば、彼女の言葉はもっと重みを増す。

先日亡くなった左右田一平も
一市民で登場している。
作品とは関係ないが、偉大な名脇役を失ったものだ。

円盤を爆破しても
細菌も、爆熱で一瞬にして死滅しなければ
爆破地点の地上に細菌がばら撒かれることには変わりはない。

ロボットを横倒しにする手助けをするなら
オッチョはジープを足の内側でなく
外側に衝突させるのが道理ではないか。

トモダチの正体について。
前2作で一度も登場しない人間が、
いきなり犯人というのはあり得ないし
本作で、オッチョがヨシツネを疑うが
疑うのが前半ではあまりに早くて、オチが利かなくなる。
当然、主要メンバーで、
ほとんど何の仕事もせず消えた人物を想像するわけで、
人間ドラマに作りあげず
"やっぱりね" の種明かしに大金を注ぎ込んだのか、と呆れる。

キーとなるケンジの歌。
この歌が何故みんなの心を捉えたか、その説明は全くない。
それが明快に描かれれば、
クライマックスやそれに向う流れを、
もっと高揚感のあるものにできたにちがいない。
つまり、血の大晦日以降
ケンジは、カリスマにも正義のヒーローにもなれていない。

ロールが流れた後まで引っぱる真相。
ケンジがあんな大事な事件や人物を忘れていた、
という設定には説得力がない。
この部分が物語の発端と分かった途端、
大量の時間と金をかけて製作した作品全体がゴミ屑と化した。
原作どおりの結末かどうかは知らないが
連載の始まった当初、ワクワクしながら読んでいた終着点がこれか。
何のカタルシスもない湿気たラスト。
 
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『20世紀少年 ‐第2章‐ 最後の希望』 [邦画(ナ行)]

「20世紀少年 ‐第2章‐ 最後の希望」(2008)★★☆☆45点
監督: 堤幸彦
製作: 堀越徹、亀井修、島谷能成、平井文宏、西垣慎一郎、島本雄二、大月昇、和田倉和利、長坂信人、板橋徹
製作指揮: 島田洋一
プロデューサー: 飯沼伸之、甘木モリオ、市山竜次
エグゼクティブプロデューサー: 奥田誠治
ラインプロデューサー: 鶴賀谷公彦、井上潔
企画: 長崎尚志
原作・脚本監修・音楽: 浦沢直樹
脚本: 長崎尚志、渡辺雄介
撮影: 唐沢悟
美術: 相馬直樹
衣裳: 川崎健二
編集: 伊藤伸行
音楽・音楽監督: 白井良明
音楽: 長谷部徹、AudioHighs
音響効果: 北田雅也
VFXスーパーバイザー: 野崎宏二
照明: 木村明生
録音: 鴇田満男
装飾: 茂木豊
第2班監督: 木村ひさし
主題歌: T・レックス『20th Century Boy』
出演:
 豊川悦司(オッチョ)
 常盤貴子(ユキジ)
 平愛梨(カンナ)
 香川照之(ヨシツネ)
 藤木直人(蝶野刑事)
 石塚英彦(マルオ)
 宇梶剛士(モンちゃん)
 小日向文世(ヤマネ)
 佐々木蔵之介(フクベエ)
 ユースケ・サンタマリア(サダキヨ)
 木南晴夏(小泉響子)
 中村嘉葎雄(神様)
 小松政夫(珍宝楼の店主・珍)
 西村雅彦(七龍の店主)
 前田健(マライア)
 荒木宏文(ブリトニー)
 六平直政(仁谷神父)
 佐藤二朗(ホクロの警官)
 森山未來(角田)
 井浦新[ARATA](13番)
 古田新太(春波夫)
 小池栄子(高須)
 光石研(山崎)
 石丸謙二郎(歌舞伎町警察署長)
 西村和彦(斉木刑事)
 田中要次(東野刑事)
 佐々木すみ江(山根邸の隣人)
 梅津栄(オデオン座の老人)
 手塚とおる(漫画家・金子)
 田鍋謙一郎(漫画家・氏木)
 甲本雅裕(カンナの担任教師)
 はなわ(スクリーン映像の男)
 サーマート・セーンサンギアム(チャイポン、タイマフィア)
 チェン・チャオロン(王、中国マフィア)
 山崎樹範(ムロップ町診療所医師)
 設楽統(円卓会議のメンバー)
 日村勇紀(円卓会議のメンバー)
 フレッド・マックィーン(ブラハルツ事務総長)
 徳光和夫(万博開会式の司会)
 山寺宏一(DJ)
 竜雷太(チョーさん)
 研ナオコ(ジジババ)
 西山潤(子供時代のケンジ)
 松元環季(子供時代のユキジ)
 安西壱哉(子供時代のマルオ)
 矢野太一(子供時代のモンちゃん)
 山田清貴(子供時代のヤン坊・マー坊)
 上原陸(子供時代のフクベエ)
 澤畠流星(子供時代のオッチョ)
 小倉史也(子供時代のヨシツネ)
 吉井克斗(子供時代のドンキー)
 森山拓哉(子供時代のケロヨン)
 清水歩輝(子供時代のコンチ)
 安彦統賀(子供時代のヤマネ)
 藤原薫(子供時代のサダキヨ)
 黒木瞳(キリコ)
 唐沢寿明(ケンヂ)
製作・配給・ジャンル: 映画「20世紀少年」製作委員会(=日本テレビ、小学館、東宝、バップ、讀賣テレビ放送、電通、読売新聞、シネバザール、オフィスクレッシェンド、ディーライツ、札幌テレビ放送、宮城テレビ放送、静岡第一テレビ、中京テレビ放送、広島テレビ放送、福岡放送
)/東宝/サスペンス・ドラマ/139分

20世紀少年(第2章) 最後の希望 通常版 [DVD]20世紀少年<第2章> 最後の希望 豪華版(生産限定) [DVD]








浦沢直樹の人気コミック「20世紀少年」の映画化第2弾。

まず、取り上げたいのは
カンナ演じる平愛梨と、小泉響子演じる木南晴夏。

平の演技は伸びやかで清々しい。
この役に就けなかったら引退を考えていたという彼女。
後悔ないように、という思いが
カンナの真っすぐな潔さを後押ししているのかもしれない。

木南は、単純に
"いいなあ、面白い子だなあ" と思わせてくれる。
演技的には未熟でも、瞬発力がある。
なかなか稀少なキャラクターで
この先、女優としてどう成長していくかとても楽しみだ。

井浦新は、いかにもカルト教団の信徒といったイメージ。
オウムを思い起こさせるほど、ぴったりハマっていて
存在感たっぷりである。

存在感の大きさでは
殺人警官に扮した佐藤二朗も負けていない。
ただ、ホクロは
なし、あるいはリアルに少し薄めにしたほうが
より不気味さが増して恐怖感を煽ると感じた。
アップになれば、並びの悪い歯だけで特徴十分。

前作でも、知名度の高い俳優について思ったことだが
さすがに皆、独特のカラーやキャラクターイメージを備えているが、
真実味を持って演じられる者が想像以上に少ない。
映像でも舞台でも
もっともっとマスコミの批判に晒されるべきだ。
悲しいことに
そのマスコミは製作にも携わるわけで
自分の身に跳ね返ってくることを恐れて批判しない。
演者もスタッフも批判されてこそ
その技術・人間性を磨き、
より高いステージで作品を提供できるはず。

また、俳優目線で技術的に再認識したのは
あくびしたり、吹き出す演技って意外に難しいこと。
人のふり見て我がふり直せ、だ。

救世主復活を模倣するというトモダチの計画は
なかなかのアイデアだと思う。
やはり、浦沢の発想は面白い。
前述した数名の俳優以外に、ドラマ的には見るものはなく
原作のストーリーの面白さだけで持っている嫌いが強い。

瑣末的な疑問などをいくつか。

トモダチランドで、ボーナスステージの映像を見せる意図は?
また、ボーナスステージに行けるのが
問題児と成績優秀者である理由は?

サダキヨは、何故モンちゃんを殺したのだろう?
子供時代も含め、
ケンジら秘密基地のメンバーに対する思いが
はっきりと描かれていないので、
カンナらを救う為とはいえ、
涙を流しながら焼身自殺する心理が解らない。

覆面をかぶったトモダチの口元に、丸い膨らみがある。
気になって仕方ないが、
ピンマイクだと思うのは邪推だろうか。

第1作では
黒木瞳が唐沢の姉ではトウが立ちすぎだなあ
と思っていたが
時間経過があって、高校生となったカンナの母親に見合う。

名のある出演俳優や製作委員会メンバーの
数の多いこと多いこと。
改めて思う、金かけてんなあ。
 
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『20世紀少年 -第1章- 終わりの始まり』 [邦画(ナ行)]

「20世紀少年 -第1章- 終わりの始まり」(2008)★☆☆☆30点
監督: 堤幸彦
製作: 堀越徹、亀井修、島谷能成、平井文宏、西垣慎一郎、島本雄二、大月昇、和田倉和利、長坂信人、板橋徹
プロデューサー: 飯沼伸之、甘木モリオ、市山竜次
エグゼクティブプロデューサー: 奥田誠治
製作指揮: 島田洋一
ラインプロデューサー: 井上潔
企画: 長崎尚志
原作: 浦沢直樹
脚本: 福田靖、長崎尚志、浦沢直樹、渡辺雄介
撮影: 唐沢悟
美術: 相馬直樹
衣装: 川崎健二
音楽: 白井良明、長谷部徹、AudioHighs、浦沢直樹
音響効果: 北田雅也
音楽監督: 白井良明
主題歌: T・レックス「20thCenturyBoy」
VFXスーパーバイザー: 野崎宏二
照明: 木村明生
装飾: 茂木豊
録音: 鴇田満男
出演:
 唐沢寿明("ケンジ"・遠藤健児)
 豊川悦司("オッチョ"・落合長治)
 常盤貴子("ユキジ"・瀬戸口雪路)
 香川照之("ヨシツネ"・皆本剛)
 石塚英彦("マルオ"・丸尾道浩)
 宇梶剛士("モンちゃん"・子門真明)
 宮迫博之("ケロヨン"・福田啓太郎)
 生瀬勝久("ドンキー"・木戸三郎)
 小日向文世("ヤマネ"・山根昭夫)
 佐々木蔵之介("フクベエ"・服部哲也)
 佐野史郎(ヤン坊/マー坊)
 石橋蓮司(万丈目胤舟、友民党党首)
 中村嘉葎雄(神様、ホームレス)
 黒木瞳("キリコ"・遠藤貴理子、ケンジの姉)
 石井トミコ(遠藤チヨ、ケンジの母)
 森山未來(漫画家・角田)
 津田寛治(諸星)
 吉行和子(諸星の母)
 片瀬那奈(敷島ミカ)
 洞口依子(木戸美津子)
 平愛梨("カンナ"・遠藤カンナ)
 研ナオコ(ジジババ)
 竹内都子(市原節子、ユキジの大学の同級生)
 池脇千鶴(アルバイトの店員・エリカ)
 徳井優(コンビニの本部教職員)
 藤井隆(友民党CMのタレント)
 山田花子(友民党CMのタレント)
 中田敦彦(スクーターの若者)
 藤森慎吾(スクーターの若者)
 竹中直人(ピエール一文字)
 竜雷太(チョーさん)
 光石研(ヤマさん、刑事)
 石橋保(ケンジの同級生)
 入江雅人(ケンジの同級生)
 布川敏和(ケンジの同級生)
 デーブ・スペクター(TVのコメンテーター)
 宮崎哲弥(TVのコメンテーター)
 西山潤(幼少期のケンジ)
 松元環季(幼少期のユキジ)
 安西壱哉(幼少期のマルオ)
 矢野太一(幼少期のモンちゃん)
 山田清貴(幼少期のヤン坊/マー坊)
 上原陸(幼少期のフクベエ)
 澤畠流星(幼少期のオッチョ)
 小倉史也(幼少期のヨシツネ)
 吉井克斗(幼少期のドンキー)
 森山拓哉(幼少期のケロヨン)
 清水歩輝(幼少期のコンチ)
 田辺修斗(中学時代のケンジ)
 畠山彩奈(幼少期のカンナ)
 遠藤憲一
 ベンガル
 及川光博
 藤井フミヤ
 不破万作
 ダンディ坂野
 瀬戸陽一朗
 木下優樹菜
 阿藤快
 中村正(内山トラベルの電話の声)
製作・ジャンル: 映画「20世紀少年」製作委員会(日本テレビ放送網、小学館、東宝、バップ、讀賣テレビ放送、電通、読売新聞、シネバザール、オフィスクレッシェンド、ディーライツ、札幌テレビ放送、宮城テレビ放送、静岡第一テレビ、中京テレビ放送、広島テレビ放送、福岡放送)/ドラマ・アドベンチャー・サスペンス/142分

20世紀少年 第1章 終わりの始まり 豪華版(生産限定) [DVD]








ビッグコミック・スピリッツに連載されていた漫画の映画化。

私も当時読んでいたが、
浦沢の遅筆でしばしば中断されるうち
漫画全般に興味を失い、コンビニでの立ち読みもやめ
この作品も読まなくなってしまった。

前半しか読んでいない私にも
前宣伝どおり、主要メンバーの風貌は原作に似ており、
そのキャラクターをよく捉えている。

唐沢は若々しい。
28歳の役だが、全く違和感がない。
逆を言えば、歳相応・老け役に違和感が出てくるのだが。
とにかく、正義感の強いガキ大将・ケンジにぴったりだ。

"いらっしゃいませ、キングマートへようこそ" の言い方は
唐沢のアイデアだろうか?
東京出身のロッカーに、田舎訛りのあの言い回しはどうだろう。
一瞬、映画の舞台は東京だったよな、と確認してしまった。

唐沢の特徴であるが、泣き・笑いが上手くない。
特に彼が泣いても、私にはハートがまったく伝わらない。
「白い巨塔」の財前五郎のような冷徹な役とか
高潔な役柄が似合う。
端的に言えば、彼の演技は "ふり" ばかりである。
この映画で言えば
駅のホームで母親とカンナを見送った後が分かりやすい。
悲しい気持ちを表すために取ってつけたような洟すすり。
こういう演技を観ると辟易する。
観客を馬鹿にするのもいい加減にしろ、と言いたい。

改めて思うのは
名が知れていても、上手い俳優・いい俳優の少ないこと。
この先も一生舌足らずであろう豊川のように
技術面に問題を抱えている俳優は論外。
子役の方がよほど上手い。
ケンジやドンキーを演じた子役は特にいい。
しかし、これが現実だ。
悔しかったら私自身が売れるしかない。

作品に戻って、冷静にストーリーを観察するに
トモダチは
ヤン坊・マー坊を含め、9人の戦士が誰かを知っているわけだから
ケンジの仲間たちにも、指名手配はかかってもいいはずだ。

また、ロボットの吐く液体が細菌兵器を含んでいるとすれば
オリラジが "雨か?" と言って、液体を浴びた時点で死ぬはずでは?

ロボットを目の前に、トモダチはお面だけで平気なのか。
面まで剥いじゃうんだし。

原作を尊重したのか、
あるいは
原作がある為、変更・追加場面以外に推敲する頭がなかったのか
演出や多少の変更で上手くつなげられる所をなおざりにしている。
何日も仲間と籠もって練り上げた黒澤明たちの台本作りこそ
ものづくりの基本。
どんなジャンルでも、やっつけで安易に創作活動してはほしくない。

それにしても、動きの鈍いロボット一体で攻撃するより
飛行機で細菌を空中散布する方がよほど早い。
でも、"よげんのしょ" の忠実な実現だから仕方ないのか。

特に、気になったこと。
小声・ウィスパーの場面の音量が小さすぎる。
俳優たちはしっかり演技しているのだから
レベルを上げても、十分ウィスパーのシーンだって分かる。
外国映画では字幕を読んでいるせいか、全く感じないが
邦画ではしばしば感じること。
監督たちはもっと俳優を信じよう。

人気コミックの映像化が盛んになって久しいが
どの作品でも原作を越えるのはなかなか難しい。
無名でも演技の上手い俳優はたくさんいる。
ストーリーが面白い人気作だからこそ、
敢えてスターと言われる俳優を一切使わずに作るのも一手だと思う。

駄作と斬り捨てられる作品だが
コミックを途中から読んでいないので
続編も観るつもりでいる。
 
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『野良猫ロック ワイルド・ジャンボ』 [邦画(ナ行)]

「野良猫ロック ワイルド・ジャンボ」(1970)★★★★☆75点
監督・脚本: 藤田敏八
製作: 笹井英男、岩沢道夫
原作: 船知慧「破れても突っ込め」
脚本: 永原秀一
撮影: 安藤庄平
美術: 斎藤よし男
音楽: ホリ企画
出演:
 范文雀(アサ子、正教学会幹部・藤森信介の二号)
 地井武男(タキ)
 藤竜也(ガニ新)
 前野霜一郎(デボ)
 夏夕介(ジロー)
 梶芽衣子(C子)
 白木マリ(女医)
 佐々木賢(香取)
 香川雅弘(河北)
 佐藤好将(西部会A)
 雲井辰雄(西部会B)
 露木護(保)
 夏純子(海岸の女・A)
 加藤和男(監視所の警官・A)
 内田良平(監視所の警官・B)
 和田アキ子
 にしきのあきら
 野村真樹
製作・ジャンル: 日本/アクション・ドラマ/84分

野良猫ロック・ワイルド・ジャンボ [DVD]








和田アキ子のソウル・ミュージックにのせて贈る青春ドラマ。
若い頃の和田は
今とは比べ物にならないほどパワフルでイカした歌い方をしている。
冒頭だけでなく、後半にもうまく使えたらいいのに。
本人が野暮ったいメット姿で登場するのは余計だ。

バンド "オックス" のメンバーだった夏夕介が
俳優に転身した最初の作品でもある。

范文雀に、藤竜也、梶芽衣子。
若い頃から大人びたカッコよさを備えた俳優たち。
現代の若者にはない精悍さと野性味がある。

今は死語となってしまった "不良" たちには、
はかなさと憂いを感じる。

現金輸送車の襲撃現場を去る、ジープ上のガニ新・デボ・C子。
細かい演技は置いておいて、ここが唯一納得できないシーン。
成功で喜ぶ笑顔の3人が映るのだが
直前でジローが死んでいるのだから、あの喜び様は理解できない。
無音にすることで
束の間の成功に狂喜する姿を刹那的に描きたかったのだろうが
展開的に納得できない。
このカットを大切にするのなら、
ジローの死は一瞬でも後にするべきだ。
撃たれたけど何とかジープに乗り込み、一緒に喜んだものの、
喜びの中で死ぬとか。

生き方の多様化した今日よりはるかに自由で放埓な彼らを
懐かしく、そして羨ましく思う映画。

あっけない死に方、
あくまでセンチメンタルに走らないラストに拍手。

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『日本一の色男』 [邦画(ナ行)]

「日本一の色男」(1963)★★★★85点
監督: 古澤憲吾
製作: 渡邊晋、安達英三朗
脚本: 笠原良三
撮影: 小泉福造
美術: 村木与四郎
衣裳: 鈴木身幸
音楽: 宮川泰、萩原哲晶
出演:
 植木等(光等)
 団令子(金山丸子、ローズ化粧品No.1セールスレディ)
 草笛光子(雪桜、芸者・権田原の女)
 白川由美(春子、バー "シャルマン" のマダム)
 浜美枝(相川ナオミ、高取の愛人)
 淡路恵子(日暮道江、新星チャームスクール校長)
 藤山陽子(トシ子、光の恋人)
 京塚昌子(権田原コチ、女政治家)
 ハナ肇(権田原裕福)
 由利徹(高取、大東生命社長)
 芝木優子(高取の女秘書)
 田崎潤(野田、ローズ化粧品社長)
 人見明(浦和、同社営業部長)
 井上大助(吉田、同社営業部員)
 谷啓(小俣、新星チャームスクール教頭)
 犬塚弘(週刊誌 "読捨" 記者)
 石橋エータロー("シャルマン" のボーイ)
 桜井センリ(アパートの管理人)
 安田伸(風呂屋の客)
 八代美紀(栗子)
 久里千春(桃子)
 中真千子(山桜)
 柳川慶子(純子)
 園田あゆみ(新子)
 清水由記(風呂屋の番台)
製作・ジャンル: 日本/コメディ/93分

日本一の色男 [DVD]








「無責任」シリーズに続く、「日本一の男」シリーズ第一弾。

"無責任" だった植木が
やたらと "責任" を口にするのは作品の意図だろうが
理屈っぽく考えれば、自由には責任が伴うということか。

"整頓された顔" って言い草がいいね。

草笛光子は美しくて色気があるな。

肩を露にした雪桜をマッサージする前に
恋人の写真に謝る姿が可愛らしい。

合間合間で挟まれる植木の歌。
歌っているときの明るい笑顔もいい。
♪無責任一代男♪ もしっかり披露。

お調子者と言ってしまえばそれまでだが
底抜けの明るさ・フットワークの軽さ。
景気低迷で暗い昨今、こういう考え方がなおさら必要だ。
健全で元気な日本がここにはある。

ちょっと悲しい結末もご愛嬌。
観ていて気分の晴れやかになる傑作喜劇。

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『猫と庄造と二人のをんな』 [邦画(ナ行)]

「猫と庄造と二人のをんな」(1956)★★☆☆☆40点
監督: 豊田四郎
製作: 滝村和男、佐藤一郎
原作: 谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のおんな」
脚本: 八住利雄
撮影: 三浦光雄
美術: 伊藤憙朔
音楽: 芥川也寸志
出演:
 森繁久彌(庄造)
 浪花千栄子(母・おりん)
 山田五十鈴(妻・品子)
 香川京子(後妻・福子)
 万代峰子(煙草家のおかみ)
 三好栄子(城川夫人)
 南悠子(初子)
 芦乃家雁玉(木下)
 林田十郎(中島)
 田中春男(萩村)
 山茶花究(添山)
 横山エンタツ(国粹堂)
 環三千世(多美子)
 春江ふかみ(はま子)
 都家かつ江(まつ)
 桂美保(みどり)
 谷晃(魚屋)
 宮田芳子(萩村の妻)
 森川佳子(女の子)
 平尾隆弘(空地の子供)
 三木のり平(友川)
製作・ジャンル: 日本/ドラマ・コメディ/136分

香川京子が蓮っ葉な役どころを演じていたことも驚きなら
山田五十鈴の
とってつけたようなキャラクター芝居には思わず失笑。

えげつないほどに露骨な女性の争い。
やはり当時は、映画というメディアが
とても自由な表現を許された時代の先を行く存在だったんだと
とても驚かされる。

それを避けて、自転車で家のそばを旋回する
森繁演じる庄造の姿がとてもリアルに感じられる。

『眠らない街 新宿鮫』 [邦画(ナ行)]

「眠らない街 新宿鮫」(’93)★★★☆☆60点

眠らない街 新宿鮫 [DVD]








映画自体の評価は★3つにとどめてしまったが、結構楽しめた。

真田広之はいい役者だと思う。
これまで、映画以外でも、舞台・ドラマで活躍してきた彼は
その露出度に比べて、
意外なほど演技に対する評価が低いような気がする。

芸能の裏ネタの常連のイメージしかなかった田中美奈子も
これまた、私の予想外に歌がうまかった。

警察人じゃなくてヤクザの方でしょ、と思った今井雅之は
薄っぺらい警察キャリアなら適当かと。

奥田瑛二はちょっと中途半端な役作り。
新宿・初台の様変わりを実感させられる。

『西陣心中』 [邦画(ナ行)]

「西陣心中」(’77)★★★★☆80点

うまく言葉にできないが、
ATG作品には、時代の郷愁だけでなく、人心の真っすぐさを感じる。
島村佳江のエロっぽくない色気がたまらない。
一方で、ゆみ(島村)が西陣織にこだわる理由が見えてこない。

『難波金融伝 ミナミの帝王 スペシャルVer.50 金貸しの掟』 [邦画(ナ行)]

「難波金融伝 ミナミの帝王 スペシャルVer.50 金貸しの掟」(’04)★★★☆☆50点

難波金融伝 ミナミの帝王(50)金貸しの掟 [DVD]








「ミナミの帝王」は観たこともなければ、コミックスも読んだこともなかった。
他の話で萬田がどんなキャラクターを見せているか分からないが
金貸しを筋を通すよかもんにすることで、人気が出ているのかな?
やっぱ勧善懲悪好きの日本人気質は今でも健在ということか。
ただ劇場公開するほどの作品かな? Vシネで楽しむのが適当。

『野良犬』 [邦画(ナ行)]

「野良犬」(’73)★☆☆☆☆25点

野良犬 [DVD]








同名の黒澤映画のリメイクだが
冒頭以外、設定は変わっているらしい(私はオリジナルを見ていない)。
映画・ドラマ・舞台などは本(脚本)が8割だと私は思っている。
オリジナルについては当てはまらないかもしれないが
この作品に関していえば、全く面白くない。
最初から最後まで眉間に皺を寄せただけの大根芝居を披露する渡哲也には辟易。
”野良犬”である若者達は何を喋っているか台詞が分からないことが多い。

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