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『妖怪百物語』 [邦画(ヤ行)]

「妖怪百物語」(1968)★☆☆☆☆10点
監督: 安田公義
企画: 八尋大和
脚本: 吉田哲郎
撮影: 竹村康和
録音: 大角正夫
照明: 伊藤貞一
美術: 西岡善信
音楽: 渡辺宙明
編集: 菅沼完二
ナレーター: 内藤武敏
特撮監督: 黒田義之
出演:
 藤巻潤(大木安太郎、隠し目付 "菅井彦久郎")
 高田美和(おきく)
 平泉征(太吉)
 坪内ミキ子(お仙)
 ルーキー新一(新吉)
 林家正蔵(噺家)
 神田隆(但馬屋利右衛門)
 五味龍太郎(堀田豊前守)
 吉田義夫(重助)
 水原浩一(藤兵衛)
 小倉康子(おりく)
 浜村純(伍平、宮守)
 杉山昌三九(茨木伴内)
 花布辰男(甚兵衛、おきくの父・長屋主)
 伊達三郎(浪人)
 山本一郎(浪人)
 南部彰三(町年寄)
 荒木忍(老僧)
 玉置一恵(名主)
 近江輝子(お寅)
 小柳圭子(大首)
 毛利郁子(浪人の妻)
製作・配給・ジャンル: 大映/大映/特撮・ホラー/79分

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百物語を催した折に
憑き物落としの呪(まじな)いをしなかったばかりに
降りかかる妖怪のたたりを描く。

土転びに始まり、数々の妖怪が登場する。
妖怪に詳しくない私でも名前の分かったのは
一つ目小僧、のっぺっぽう、烏天狗、からかさ、ろくろ首あたり。

特撮も初歩的な技法の域を出ず
妖怪図鑑じゃあるまいし、ストーリーとあまり関係のない部分で
やたらめったら登場しても意味がない。

全編を通して
善人は人間に殺され、悪人は妖怪に殺される。
妖怪は子供の新吉のように無垢な人間には危害を加えず
本来、主役である藤巻潤演じる安太郎が担うべき
勧善懲悪のヒーロー役をその妖怪たちが一手に引き受ける。

池のたたりで、悪人でもない浪人2人が
ろくろ首に殺される話のように、
妖怪は人間の性質の善悪にかかわらず
危害を加えるものと思っていた。

安太郎と妖怪たち。
両雄相立たずで、勧善懲悪のドラマも曖昧模糊となってしまった。

これは製作当時
子供向けに作られたのか、はたまた大人をターゲットにしたものか。
この程度では
子供を怖がらせるのにも、おぼつかないのでは…

まだ若き平泉征(現平泉成)の声はしゃがれていない。

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『雪に願うこと』 [邦画(ヤ行)]

「雪に願うこと」(2006)★★☆☆50点
監督: 根岸吉太郎
製作: 若杉正明
プロデューサー: 田辺順子
エグゼクティブプロデューサー: 甲斐真樹
原作: 鳴海章「輓馬」
脚本: 加藤正人
撮影: 町田博
美術: 小川富美夫
音楽: 伊藤ゴロー
音楽プロデューサー: 佐々木次彦
スクリプター: 森直子
衣裳デザイン: 小川久美子
照明: 木村太朗
装飾: 小池直実
録音: 小野寺修
出演:
 伊勢谷友介(矢崎学)
 佐藤浩市(矢崎威夫、学の兄)
 小泉今日子(田中晴子、矢崎厩舎の賄い)
 吹石一恵(首藤牧恵、騎手)
 草笛光子(矢崎静子、学と威夫の母)
 山崎努(丹波、財産家の老人)
 椎名桔平(黒川、獣医)
 香川照之(小笠原、威夫の同僚)
 小澤征悦(須藤、学の東京での友人)
 でんでん(藤巻保、厩務員)
 山本浩司(加藤テツヲ、厩務員・学の幼なじみ)
 岡本竜汰(富永、厩務員)
 出口哲也(湯原、厩務員)
 津川雅彦(大関、馬主)
製作・ジャンル: ビターズ・エンド=「雪に願うこと」フィルムパートナーズ/ドラマ/112分

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ばんえい競馬に携わる人間たちを扱った映画。
サラブレッド競馬は近代化著しい昨今だが
その陰で、ばんえい競馬は存続自体が危機に瀕している。

監督の意向か、プロデューサーの趣味か知らんが
いや~、泥臭い輓馬(ばんば)の現場に
若手から老人まで、
よくもこんなに二枚目と美人ばかり集めたもんだ。

40代の実力俳優が終結しているのは喜ばしい。
その一方で
地方色豊かな作品に、
都会の似合う上品な俳優ばかり配役したことが許せない。
主役の兄弟ぐらいはよしとしても。

日本映画界では
キャスティングディレクター(Casting Director、CD)
というポジションがまだまだ確立されていないが
財政だけでなく芸術性を追求できるCDが育つことを願う。

ワンポイントで出演の小澤征悦の芝居が甘い。
怨み辛みが腹に落ちていない表面的な演技。
ハイソに生まれ育った家庭環境は誤魔化せない。

作品のシンボルになっている上士幌町の橋「タウシュベツ川橋梁」
特に、雪国の冬の現実を知らない都会暮らしにとっては
その雪景色はとても美しく印象的。

ばんえい競馬のレース。
ニュース映像か何かで見たことがあるが
画面に大写しになる輓馬の体の大きさ、
殊に首の太さには驚かされる。

ばんえい競馬やウンリュウに賭ける
形振り構わぬ熱意・執念・一徹さといった力強さが
全く伝わってこない。
キャスティングばかりを責めたが
あるいは
その配役に応えられなかった俳優陣の演技力不足かもしれない。

兄弟の確執以外に、明確な対立軸のないストーリーにおいて
どんな形にせよ、
各人が胸に抱えた過去や苦悩が大きく熱いものでなければ
それを背負って走るウンリュウの姿にもカタルシスは生まれない。

学が東京へ戻る決意を兄に告げるシーンで
兄弟愛と学の心の弱さが少し窺い知れる。
(施設に母を訪ねた帰りに、威夫が雪を投げつける演技は空ぶりだ)

伊勢谷にはやはり白洲次郎の方が似合うが
こういう静かで弱い人間をしっかり演じられる役者に成長してほしい。

競馬好きの佐藤浩市が
2008年からJRAキャンペーンキャラクターを務めることになったのは
この映画出演も一因だろうか。

またしても、根岸監督にはがっかりだった。

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『夜霧よ今夜も有難う』 [邦画(ヤ行)]

「夜霧よ今夜も有難う」(1967)★★★☆☆60点
監督・脚本: 江崎実生
企画: 高木雅行
脚本: 野上龍雄、石森史郎
撮影: 横山実
美術: 坂口武玄
編集: 鈴木晄
音楽: 伊部晴美
出演:
 石原裕次郎(相良徹)
 浅丘ルリ子(北沢秋子)
 二谷英明(グエン)
 高品格(仙吉)
 郷(宍戸)鍈治(ビル、ウェイター)
 太田雅子(梶芽衣子)(ヒロミ、仙吉の娘)
 佐野浅夫(宮武刑事)
 鈴木瑞穂(チャン、グエンの同志)
 内田稔(鬼頭、CIB捜査官)
 二本柳寛ニ(佐伯、港南会)
 深江章喜(大崎、港南会)
 榎木兵衛(西、港南会)
 長弘(若松)
 杉山俊夫(関口)
 伊藤るり子(和枝、関口のパートナー)
製作・ジャンル: 日本/ドラマ・ロマンス・アクション/93分

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同名の主題歌は映画に先行して大ヒット。
今でもカラオケで口にする人は多い。
裕次郎ファンでない私は、テレビで歌を聞いたことがあるだけ。
同名映画が存在することすら知らなかった。

ストーリーにまったく山がない。
追っ手の追及がゆるく、派手なアクションも少ないので
スリルに欠ける。

裕次郎を二枚目だと思ったことは一度もないが
彼には色気と華がある。
「僕たちは1500回の昼と夜を取り戻した」
スターシステムの健在だった頃の日本映画には
こういったクサい決め台詞が似合う。

ラストで裕次郎が真珠の指輪だかイヤリングだかを海に捨てる。
去っていくルリ子の美しい涙も真珠のように光った。
ハードボイルドとまでは言わないが
「カサブランカ」のボガートにも通ずる日活映画の男の美学。

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『夜の蝶』 [邦画(ヤ行)]

「夜の蝶」(1957)★★★☆☆60点
監督: 吉村公三郎
製作: 永田雅一
企画: 川崎治雄
原作: 川口松太郎
脚本: 田中澄江
撮影: 宮川一夫
美術: 間野重雄
音楽: 池野成
出演:
 京マチ子(マリ)
 山本富士子(おきく)
 船越英二(秀二)
 穂高のり子(けい)
 山村聡(白沢一郎)
 小沢栄太郎(木崎孝平)
 芥川比呂志(原田修)
 近藤美恵子(浅井君子)
 川上康子(早苗)
 八潮悠子(みどり)
 瀬戸ヱニ子(つねよ)
 南左斗子(文江)
 立花宮子(さち子)
 種井信子(てる子)
 市田ひろみ(かずえ)
 樋口登志子(京子)
 川崎敬三カ(ジミー)
 高田宗彦(木ちゃん)
 潮万太郎(洋酒屋)
 ジョー・オハラ(靴みがき)
 河原侃二(占師)
 見明凡太朗(小野田)
 中村伸郎ナカムラノブオ(フランソワの客)
 宮口精二ミヤグチセイジ(フランソワの客)
製作・ジャンル: 日本/ドラマ/92分

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山本富士子の美貌、京マチ子の懐の深い色気。
銀座を舞台にした、女の攻防がおもしろい。

山本富士子に関しては
名前以外ほとんど知らなかった私には意味をもつ鑑賞となった。
彼女が、五社協定によって映画界からホされたことは
日本映画界にとってどれだけ大きな損失であろうか。

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