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『デス・レース』 [洋画(タ行)]

「デス・レース」(2008)★★★★☆75点
原題: DEATH RACE
監督: ポール・W・S・アンダーソン
製作: ポール・W・S・アンダーソン、ポーラ・ワグナー、ジェレミー・ボルト
製作総指揮: ロジャー・コーマン、デニス・E・ジョーンズ、ドン・グレンジャー、ライアン・カヴァナー
原案・脚本: ポール・W・S・アンダーソン
オリジナル脚本: ロバート・ソム、チャールズ・グリフィス
撮影: スコット・キーヴァン
プロダクションデザイン: ポール・D・オースタベリー
衣装デザイン: グレゴリー・マー
編集: ニーヴン・ハウィー
音楽: ポール・ハスリンジャー
オリジナル原案: イブ・メルキオー
出演:
 ジェイソン・ステイサム(ジェンセン・エイムズ)
 ジョーン・アレン(ウォーデン・ヘネシー)
 イアン・マクシェーン(コーチ)
 ナタリー・マルティネス(エリザベス・ケース)
 タイリース・ギブソン(マシンガン・ジョー・メイソン)
 マックス・ライアン(パチェンコ)
 ジェイコブ・バルガス(ガナー)
 ジェイソン・クラーク(ウーリック)
 フレデリック・コーラー(リスト)
 ロバート・ラサード(ヘクター・グリム)
 ロビン・ショウ(14K)
 デヴィッド・キャラダイン(フランケンシュタインの声)
製作・ジャンル: 米国/アクション・SF/105分

デス・レース [DVD]








主演は
『トランスポーター』でブレイクのジェイソン・ステイサム。
かく言う私は『トランスポーター』を観ていないが。

スピード、競走、争い
男の子が喜びそうな要素が揃った娯楽映画。

ただ、PG-12の指定があるように
時々血が飛び散るので
そういったものが苦手な方は多少抵抗があるかも。

近未来の民営化された刑務所が舞台。
そこで繰り広げられる殺害ありのサバイバル・カーレース。

そのデス・レースには
フランクこと "フランケンシュタイン" という伝説のレーサーが存在したが、既にレースで死亡してしまっていた。
冷酷な女刑務所長ヘネシーは
不死身のフランク復活を画策し
元レーサーである主人公エイムズをフランクとしてレースに巻き込むべく、妻殺しの濡れ衣を着せて服役させる。

路上に設置された「剣」と「盾」のポイント上を通過すると
攻撃や防御の武器を繰り出すことが可能になるが
これを以って、多くのビューワーが
「実写版マリオカート」と評している。
プラス評価を下している人もいれば
パクリ・芸無しと揶揄している人もいる。
ゲーム音痴の私のように、マリオを知らない人にとっては
その仕掛けが評価を左右する材料にはならない。

主人公を演じるJ・ステイサム。
若き日には屋台の物売りとして生計を立てる一方で
アクションを学び
水泳の飛込競技ではイギリス代表選手に選ばれたこともある。
また、トミー・ヒルフィガーやリーバイスのモデルも務めた。
そんなステイサムは終始カッコいい。
海軍特殊部隊とともに行なったという肉体トレーニング成果は
懸垂をするバックショットに如実に表れており
筋肉フェチにはたまらないカットとなっている。

ライバル筆頭となるマシンガン・ジョー以外の出場者は
前半で次々に脱落・死亡してしまう。
脱落するたびに順位表で「Deceased(死亡)」の表示だけは映るものの、ほんの一瞬のことだし
誰が何番手を走っているとか、順位がどう入れ替わるとか
を知る手立てはそれ以外に全くない。
つまり、順位変動をまったく描写する意図がないわけだ。
競走であるのだから、
順位変動のデッドヒートという要素が加わったほうが
観ている方としては盛り上がるというもの。
その点、ちょっと不満が残る。

サブキャラで言えば
整備クルーメンバーのコーチとリストが印象的。
コーチ役のイアン・マクシェーンは
少し恰幅をよくしたアル・パチーノといった外見。
描写の少ないクルーにあって
頼りがいのあるリーダーとしての存在感たっぷり。
リストを演じるF・コーラーもその容姿だけで印象に残る。
非力でオタク気質だが、その純粋無垢な弟分キャラが可愛い。

ナビゲーターとして登場するケースは美人だが
エイムズとのお色気シーンは一切なし。
とにもかくにも
クラッシュと爆発が連続するアクションものに徹している。

色んな刺激に慣れっこになってしまっている私は
"迫力満点" という表現を使うほどには至らないが
気軽に楽しむ娯楽映画としては、中身も時間も適当。

先に書いた
クルーとのエピソードや
ケースとの色恋沙汰を織り交ぜて
もう少し尺を伸ばしても良かっただろう。
 
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『シン・ジョーズ』 [洋画(サ行)]

「シン・ジョーズ」(2016)★☆☆☆☆20点
原題: Saltwater
監督: A.B. ストーン
製作: アンジェラ・メレディス・ファースト、スティーブン・ファースト
製作総指揮: スティーブン・ファースト、グリフ・ファースト
脚本: スコット・フォイ、グリフ・ファースト、ジャック・スナイダー
撮影: ドン・E・フォントルロイ
美術監督: ジェイミ・ボーン
編集: スティーブン・フェイル
出演:
 レイチェル・ブルック・スミス(ジーナ、ライフガード)
 ボビー・カンポ(カプラン、ライフガード)
 ジェフ・フェイヒー(ロトガー、船長・ジーナの父)
 イザイア・ラボーデ(トロイ、ネット動画スタッフ)
 マライア・ボナー(フェリス、ネット動画スタッフ)
 アダム・アンブルーゾ(リース、ライフガード)
 カイリー(ジェシカ・ケメジュク、ライフガード)
 デヴィッド・ファウスティーノ(フレッチャー、ライフガード)
 グリフ・ファースト(スキップ・フォルテ、グルメ番組MC)
 ジェイク・チアソン(バッキー)
 マット・チアソン(ヘンリー・ウォレス)
 ニキ・スーホー(エリカ)
 メイジャー・ドッヂ
製作・ジャンル: 米国/パニック・アクション/85分
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原題は "Saltwater"、海水を意味する。
"Atomic Shark" を原題としている映画データベースやテレビの番組情報もあるが
これは、同年公開の "Atomic Shark" という別映画との混同から生じた誤り。
本作品に関しては、"Atomic Shark" は宣伝に用いられたサブタイトルにすぎない。
邦題は『シン・ゴジラ』と『ジョーズ』をもろパクリ。

ライフガードたちが主人公のパニック映画だが
ひと言で言えば、パニックものとしては愚作も愚作。
サスペンスも恐怖もほとんどなく
首をすくめて体を強張らせる瞬間は皆無と言っていい。

水着の美女を鑑賞したい男性陣には
カイリーが襲われる中盤まで観てみれば、ってくらい。
そうそう、突っ込み担当の芸人さんにとっては
格好の練習用ビデオになるんじゃないかな。


中身に触れていこう。

波間に現れる真っ赤な背びれ。
冷水で鍛えられる刀のごとく、湯気を上げながら
静かに海中を進んでいく。
人喰いザメは放射能を浴びて泳ぐ原子炉化していた。
のちに、サメは陸に上がると
臨界点に達して爆死するということが判明する。

序盤は
次々と海水浴客たちが襲われたり
焼け焦げた魚が浜に打ち上げられたり
と、まあまあパニック映画然とした入り。

イルカをサメと間違えて
遊泳者たちを避難させ、何とも気まずい雰囲気になるが
すぐに思い浮かべるのは、童話の「オオカミ少年」。
狼が来たと再三嘘をついて村人たちを振り回し
本当に狼が来た時に自らが犠牲者になってしまう。
このパターンを何かしら活かしてストーリー展開するのかな
と思ったが、すっかり肩透かし。

突如海中から飛び出してきたサメが
サーカスのライオンよろしく、燃えるホースの火の輪をくぐり
フライボードを楽しむ男の頭を喰いちぎるシーンはなかなか。
一方、撮影クルーやボートも大炎上するほどの大事件なのに
その後、大騒ぎになる様子もなく…

溺れたふりをして
ライフガードのカイリーから
人工呼吸のキスをまんまとゲットする少年の件。
少年とカイリーが同時に襲われる前振りとしては
結構出来た挿話だと思うが、
犠牲になる画が全然グロくないので、全く恐怖を感じない。

カプランをクビにし、サメの存在を信じないリースは
型通りのヒール役で期待を裏切らない。
なのに、このリースが犠牲となる瞬間が
アッサリしすぎてる上に、引きの画ってどういうこと?

臨場感たっぷりのリアルな襲われ方こそ
パニック映画の醍醐味の一つと思うのだが
ここに注力していないのは、B級映画ゆえの予算不足から?
カイリーやリースは間違いなく襲われるだろう、
ほとんどの人がそう思いながら観ているのだから
拍子抜けしてしまい、何にも残らない。
ただただもったいない。

グルメ番組の有名MC・フォルテが
レストランにやってくるあたりから
作品のコンセプトがスッチャカメッチャカになり
突っ込みどころが急増してくる。

フォルテが風船のごとく膨れて爆死するのは
笑わせたいんだろうなあ、きっと。
失笑だし、こういったシーンを組み入れた時点で
パニック映画の看板を下ろしたと言わざるを得ない。

以降は、おかしなところ山積なので
目立った点だけ端的に列挙する。

トロイの死で、フェリスが怒りからジーナを襲うが
その様が狂気と言うか、唐突と言うか。
おそらく恋人であろうトロイを失っての行為とは推測するが
トロイの乗るボートに移らせてもらえなかったことが
逆恨みの要因なのだろうが、
そもそもあそこまで執拗にボートに移りたがる意味が不明。

フェリスが船内で一瞬で犠牲となり、船が燃え出す。
ジーナはクルーザーを離れながら
すぐにボートを出すよう告げるが、
それに対して、誰一人
まだ船内にはフェリスがいるんじゃないかと訊ねない。
フェリスが犠牲になったことも、船に火が付いたことも
船外からはうかがい知れないというのにである。

冒頭で、第一の犠牲を目の当たりにする船長。
彼・ロトガーは主役・ジーナの父。
このフェリスの死の直後に、彼は襲われる。
軽くではあるが、中盤で親子の確執を見せておきながら
あの、父が襲われるシーンは一体何だ?
リースたちの最期がアッサリしすぎだと書いたが
こちらは次元が違いすぎる。
文字通り一瞬の出来事で、唖然とする。
目がテンのなるとはこのことだ。失笑。
何だったんだ、冒頭で強調して
父と娘の確執という解決すべき命題まで掲げておいて。
父であるという設定の必要性ゼロ。

ダイナマイトを手に海に臨んだジーナ。
作戦失敗で海中に取り残されるが
サメが来る前に、少し離れたボートには泳ぎ着けない。
サメの泳ぐ速さと人間のジーナが泳ぐ速さの違いである。
ところが、かなり離れた島へは
サメに追いつかれることなくジーナは泳ぎ着くし、
サメの爆発の影響を逃れるために島を離れる速さと言ったら
あっという間。
そんなに速いんだったら
島に逃れなくても、ボートに逃れること出来たよね?!

酸素ボンベをモーター代わりに
ボートで島から急襲する爆風から逃れようとするのだが
ボンベ2本でなんて、ほんの少しの距離しか走れないはず。
爆風に飲み込まれること必然なのに
簡単に乗り切ってしまうのだ。

前に戻るが
沖でまだサメの脅威に晒されている時に
茶化したラブシーンもどきのやりとりがあるが
クライマックスで、こんな茶番を差し挟む意図は?
要らないだろ?
それとも、最後に二人にキスをさせる振り?
といって
その二人のキスシーンは直前でカットアウトとなり
観る者の目には触れない。
しっかり見せたほうが
その後にホントのラストとして
原潜沈む海底の周りを泳ぐ魚達の脅威も引き立つというもの。


すべて挙げていたらキリがないので、これくらいにしておくが
それくらいツッコミどころ満載の作品。
そういうのが好きだという方は是非一見。

評価は低いが
B級を楽しんだと思えば、時間の無駄とは言うまい。

ちなみに、スタッフ・キャストのクレジットに
同じ苗字が散見できる。
殊、グリフ・ファーストに至っては
製作総指揮、脚本を担当するだけでなく、
滑稽な死に方をするポイントゲッターとして
出演まで果たしている。
低予算からのお友達映画なのかもしれない。
 
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「半沢直樹」(2020)部分評 [TVドラマ]

「半沢直樹」(2020)★★★★☆75点
演出: 福澤克雄、田中健太、松木彩
原作: 池井戸潤
脚本: 丑尾健太郎、金沢知樹、谷口純一郎
プロデューサー: 川嶋龍太郎、青山貴洋
音楽: 服部隆之
出演:
 堺雅人(半沢直樹)
 上戸彩(半沢花)
 及川光博(渡真利忍)
 片岡愛之助(黒崎駿一)
 北大路欣也(中野渡謙)
 香川照之(大和田暁)
*****(以下、50音順)*****
 浅野和之(富岡義則)
 粟島瑞丸(尾西克彦)
 池田成志(諸田祥一)
 石黒賢(山久登)
 市川猿之助(伊佐山泰二)
 井川遥(女将・智美)
 井上芳雄(加納一成)
 今井朋彦(玉置克夫)
 今田美桜(浜村瞳)
 入江甚儀(田島春)
 江口のりこ(白井亜希子)
 柄本明(箕部啓治)
 大鷹明良(的場一郎)
 尾上松也(瀬名洋介)
 賀来賢人(森山雅弘)
 角田晃広(三木重行)
 木場勝己(神谷巌夫)
 児嶋一哉(笠松茂樹)
 段田安則(紀本平八)
 佃典彦(曾根崎雄也)
 土田英生(平山一正)
 筒井道隆(乃原正太)
 戸次重幸(郷田行成)
 夏目三久(銀行イメージキャラクター)
 西田尚美(谷川幸代)
 古田新太(三笠洋一郎)
 益岡徹(岡光秀)
 丸一太(苅田光一)
 南野陽子(平山美幸)
 みのすけ(灰谷英介)
 宮野真守(金融庁・古谷)
 山崎銀之丞(広重多加夫)
 山田純大(福山啓次郎)
 山本亨(牧野治)
************************
 山根基世(ナレーション)
制作・ジャンル: TBS/ドラマ・経済/54分(一部延長回あり)

hanzawa.jpg
 
 
前にも書いたように
地上波の帯ドラマは一切観なくなってしまった。
だが、池井戸原作のドラマ・映画は多少なりとも観ている。
本作の第1シリーズも
ついこの春先にネットで一気観したばかり。
2020版はまだ中途だから、これまでのところに限定した部分評価になる。
この時点で書こうと思ったのは
明日(9月6日)の放映が撮影の遅れから一週延期され
代わりに、主演者たちのトーク番組生放送になるらしく、
それを観てバイアスを受けるのを嫌ってのことだ。
といっても、すでにネットの記事で多少なりとも要らない情報を入れてしまっているがね。

後刻、追加したり編集したりすると思うけど
まずは、"トーク番組前に" 思いつくままに書いてみる。

また、ストーリーは完結していないし
扱ってる内容は面白いので
ここでは、それ以外、
演技についての戯言を中心に羅列することにする。
かつ、ゲストを中心にコメントする。


まず、「半沢直樹」というTBSドラマ…
これはもはやドラマではなくコント、いやネタ見せ大会だな。
ストリーム(話の筋)はあっても、ドラマではない。
顔芝居のオンパレード。
出演者はみんな顔芸が必須って意識で、競い合ってるよね。
顔芝居自体は否定しないが、
トータル的に見て演技にどう盛り込むかが問題。
どうとかこうとかのレベルじゃなくて、だらけだ。

作家としてほとんど挫折なく成功した原作者・池井戸順氏は
経済小説で脚光を浴びたが
スキャンダルや裏話様のストーリーばかりが注目されていた。
そこで、人間ドラマを描かなくてはダメだと開眼したというが
今こうして映像化された作品に、いったい何を思うのだろう。
見事にエンタメとして昇華してくれたと楽しんでいるか、
それとも
キャラのぶつけ合いに終始し、そのキャラの間に交わされるケミストリーの欠如に
心のなかで愚痴をこぼしているか。
何はともあれ
立派なエンターテインメントであることは間違いない。
だからこそ、人気もある。
ドラマとは別物だが、私も楽しんでいる。

西田尚美。
右肩下がってるなあ。歩いてるシーンで特に目立った。
程度の差はあれ、ほとんどの人間は体が歪んでいる。
俳優さんの中にもそういった歪みを持つ人はすくなくない。
堺雅人も頭がいつも少し傾いている。
特に、顔が歪んでる芸能人は多いよね。
具体的には挙げないが、口が曲がっている人は多い。
皆さん、矯正の努力はしているはずだが、限界がある。
かくいう私も背骨の歪みから
西田さんよろしく右肩が下がっている。
普段気づく人はほとんどなく、
衣装合わせでスタッフに気づかれることがたまにある程度。
だから、そんなことを気にする視聴者は少ないだろうけど
今回は気になったなあ。というか、初めて気づいた。
きっと彼女には合わない毅然とした堅物の役を振られ、
普段縁のない背筋をピンと伸ばした歩きをしたせいだろう。
最低限の役目は果たしていると思うが、弱い。
キャラクターとして弱い。
女性としてあの地位まで上り詰めた肝っ玉の太さがない。
組織の前に己の無力さを感じ、忸怩たる思いを抱いていることとは別次元の話だ。
こういう時に
俳優としてではなく、人としての強さ・大きさが露呈する。
これは、後述する江口のりこに、尚更に当てはまること。

江口のりこ。
まず、演技下手だなあ。
のっぺりとして不気味な顔立ちは
俳優として大きな武器だと思うし、
それを売りに、今の地位まで這い上がってきたんだと思う。
それはそれとして、芝居はNG[右斜め下]
台詞少なめの、
「時効警察」くらいのポジションが彼女にはうってつけ。
彼女の人生一番の大役を任されて
演技プランはかなり練ったんだろう、努力が随所に伺える。
ただ、その努力がプランが、見えちゃうんだよねー
"ザ・貞子" のシーンとか。
大芝居を求める声が「半沢」ファンには多いと踏んでのこと?
彼女が持ち込んだのか、演出家が指示したのか、
いずれにしても、狙うこと自体がダッサイ。
あのカットだけが浮いてる。
人間としての幅が演技には大きく影響する。
その幅がなけりゃ、役作りも薄っぺらくなる。
頑張れば頑張るほど、その頑張りが見えてしまう。
"観客は役者の汗なんか見たくないんだよ"
若い頃、先輩に言われたことを思い出す。
プランはプラン、
設計図さえ書けば、立派な家が立つわけじゃない。
大工の腕次第で、出来上がりは似て非なるものになる。
柄本明演じる重鎮政治家の怒声に驚く場面だけはリアルだが
劇団の大先輩にビビったというのが本音だろう。
ただ、その理由は別にどうでもいいことだ。
キャラクターとしては良くても
プランが立派でも、
演技が下手では…。
これは本人の責任ではない。キャスティングした人が悪い。
今すぐには思い浮かばないが
他に適任者は少なからずいるはず。
柄本のバーターかい!?

古田新太。
テレビに出始め、すぐに好きになったが
笑いを取りに行くワンパターンの大げさ芝居が
だんだん鼻についてきて、
ついには嫌いになってしまった。
オンエアを見かけたら、すぐにチャンネルを変えるほどに。
だが、今回は出番や台詞が少ないこともあるが
抑えたままの演技が良かった。
顔芝居なんかしなくても
悪辣さや悔しさがしっかり伝わってきた。
あれこそ、役者としてキャラの濃い人の使い方だと思う。
制作サイドも
歌舞伎役者やアングラ・小劇団出身俳優をあんな風に起用したかったんじゃないかな、当初は。

猿之助。
演技を観るのは、この作品で初めてだと思うが
完全に拒否反応。
プロの歌舞伎役者ではあるんだろうけど、現代劇じゃダメだ。
ドラマでの演技に悩む尾上松也に、
"歌舞伎っぽいって駄目だしされるなら、帰っちまえばいい。
呼ぶんじゃねえ"
そう助言したと記事で読んだが、
猿之助は「半沢」でも、その発言を実践している。
しかし、ドラマの役を
型重視の歌舞伎の役にしてしまうことと
歌舞伎を活かし、そのテイストを組み入れて演じることは
全く違う。
だから、薄っぺらくなるのは必然だ。
画面や記事から、彼自身が直線的な人だということは分かる。
伊佐山という人物は薄っぺらな人間だろうけど
私が薄っぺらだというのは猿之助の演技の話。
ぺらっぺらのぺらっぺら。
ドアップ顔のイメージが残るだけ。
ただただ、つまらない。

嫌いだった愛之助を少し好きになった。
顔が受け付けなかったし、紀香絡みで毛嫌いしていた。
でも、前シリーズも含め、
歌舞伎での演技を活かすって、
こういうことなんだよ猿之助さん!
まんま歌舞伎をやることじゃないよ。
まあ、彼はまんましか出来ないからやってるんだろうけどね。
一方、愛之助さんは柔軟な役者さんだと思う。
これから、別の作品でも是非
愛之助の演技を見てみたい気持ちにさせられている。

尾上松也について短評すれば
情報に振り回される役の心持ちの変遷をよく表現していた
と感じる。
現場での辛辣なダメ出しとしっかり向き合って
彼なりに格闘した結果だろう。
それは役者のあるべき姿。
結果、先輩のような一面的な演技にとどまることなく
好評へとつながっていく。

戸次重幸、酷いねえ。最悪。
TEAM NACS の中で飛び抜けて演技が下手。
俳優を名乗らないほうが良いと思う。
せいぜい自分たちの舞台だけに留めておくべきだ。
「下町ロケット」にも出ていたけど
そのシーン飛ばしたくなったよ。
筋が分からなくなるし
他の人の演技は観たいから我慢したけど。
同じTBSなんだから
制作スタッフも「下町」の演技見てるだろうに、
何であんなに大事なポジションで使うのだろう。
まったく以って理解に苦しむ。

制作のTBSの意向だろうけど、池井戸原作ドラマには
歌舞伎役者やお笑い芸人が多く起用されてるけど、
歌舞伎役者の芝居はクサいし、芸人の演技は概して酷い。
角田さんは演技を評価する視聴者が多いが
特段上手いとは思わないし、ややもすると悪目立ち。
メガネが大きくズレるのが面白い
なんて言ってた芸人仲間もいたが
私は、狙い丸見えのあの演技で、グッと引いてしまう。
アンジャッシュ・児島に至っては
見るも無残な立ち居振る舞い、ただただ邪魔。
「下町ロケット」には古坂大魔王も出ていたが、
元々芸人としても嫌いだということも手伝って
観ていて "ドラマの邪魔するんじゃねえ" って
ぶっ飛ばしてやりたくなった。

お笑いタレントがドラマや映画に出演する先鞭をつけたのは
明石家さんまと言えよう。
同時期に俳優へとシフトしていった片岡鶴太郎。
使う側に見る目があったのかどうかは別として
彼らのように、器用な、あるいは素質のある人ならともかく
最近、やたらと芸人がドラマに出ている気がする。
帯ドラ観ない私が言うのも何だが、
ネット情報からだけでも、そういう風潮が感じられる。
いいなあ、上手いなあ、って素直に感激できる芸人さんには
とんと出会わない。

思いつくままに書いてきたが
何だか、"薄っぺらい" 発言を連発ちゃったなあ。
ほとんど褒めてないね、今回。
それだけ沢山、不満を覚えた演技に遭遇したってこと。
でも、十分楽しんでいる。
でなければ、毎週決まった時間に地上波を付けたりしない。
まだまだ書きたいことは出てきそうだが
部分評としては、とりあえずここまで。

ネットでは
「半沢」人気を追い風に高評価を受けている出演者も多いから
私の見方は見る目がないと批判を受けるかもしれないが
これはあくまで私見、私の感想。
ブログでは自由に言わせてもらいたいし
十人十色、他人の意見を否定するつもりは毛頭ない。

今日放送されるトーク特番を観て
感じ方が変わってしまうかもしれないが、
俳優や制作スタッフはあくまで "作品" が勝負である。

ちなみに、一番のお気に入りは
山根さんのナレーションです[exclamation] 山根さん、最高[exclamation]
 
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あ~ [日記]

何かの会合で稽古場に来ていた

午後になって、稽古があることに気づいた
2人芝居なのに、台詞をほとんど覚えていない
稽古までかなり時間があったはずなのに、
時間が空きすぎて、舞台のことをすっかり忘れていたようだ

おまけに台本すら持ってきていない
だって稽古があることすら忘れてたからね

ヤバい、後輩たちもいっぱい見学に来てる
もう始まるってのに、どうするどうする?!
覚えていなきゃ台本も持ってやしない
ヤバイよヤバ~い

と、ドキドキしながら目が覚めました
何だよ、夢か
いやあ、ケッタクソ悪い寝覚めでした

台詞を忘れて真っ白になるっていう、
俳優がよく見る「あるある」の夢は全く見ないんですけど
これにはちょっと焦ったなあ

舞台を離れて久しいっていうのに
何かの暗示でしょうかねえ
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コロナ禍のTV三昧 [日記]

久しぶりの投稿です

『半沢直樹』、凄い人気ですね!
第1シリーズから人気の番組なのは知ってましたが
普段、地上波、殊に帯ドラマという物をまったく観ない私は
当然のごとく観てませんでした

しかし、コロナで仕事が暇になり
時間を持て余すこともあり、TVを見る時間も増えました

ただ、私の家は IPTVのみ
地上波を観ないので、完全に時流に乗り遅れ
ネットニュースで上辺だけの情報をすくい取る程度

TVを立ち上げると、最初にアクセスされるのがCS放送
というのも手伝って
基本的に観るチャンネルはCSばかり

ヒストリーチャンネル
時代劇専門ch
ch NECO
AXNミステリー

にチャンネルを合わせることが圧倒的に多いです

以前は、映画専門のチャンネルを観るのがほとんどでしたが
コロナで家に長くいることが増え
ながらで他の事をすることが多くなりました

ということで
しっかり腰を落ち着けて画面に注目し続けるのは
あまり都合が良くない

観る番組は
バラエティ、時代劇、2時間サスペンス、人気ドラマ
地上波ではないので、どれも勿論再放送です
何度も観ている番組が多いので、
ホントは観る必要のないし、新鮮さは全く無いんですけどね

そんな私も
有り余る時間に明かして?
ネット動画で過去のヒット番組を一気観することも
たとえば、『下町ロケット』『鬼滅の刃』とかね

冒頭に触れた『半沢直樹』の第1シリーズも
この4月にようやく観ました
そして、今放映中の同第2シリーズは
地上波のオンタイム放送を観ています
地上波の帯ドラ観るなんて
もう何年ぶり?
いや優に10年以上は観てないよ

さて、次の機会は
『半沢直樹』について少し書いてみたいと思います
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新型コロナウイルスに思う

超久しぶりに書く記事が世界を苦しめる病気の話になるとは…

明けても暮れても、新型コロナの報道に接し
皆、日々の生活に大きな影響を受けている現状。

今、旅行業界に身を寄せている私にとって
経済的影響をモロに受け、非常に厳しい状況に晒されてます。

毎日、感染者の述べ人数ばかりが取り沙汰されてきて
メディアの連中は不安を煽ることしか頭にないのか、と呆れていましたが
ここへ来てようやく1日の感染者数をクローズアップするようになりました。

私がいつも気になっていた数字は
この日々発覚する感染者数の推移です。
その推移によって、感染の拡大・終息が分かります。
1日の感染者数を全面で報道するようになっても
最多を更新したくらいの報道の仕方しかありません。

コロナ グラフ.jpg

上に掲げたのは
私が作成した 1日の感染者数の推移(3/15~28)のグラフです。

ただ、「最多更新だ」と毎日報道されていても
どのくらいの拡大なのか、
こうして、必要な要素を取り上げて視覚化すれば一目瞭然。

やっているメディアもあるのかもしれないが
私はまったく見かけません。
皆が必要としている・知りたがっているポイントを捉える
それこそが報道の根本ではないでしょうか?
報道の仕方を工夫してほしいですね。
 
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高校野球で鳥肌! [日記]

リオ・オリンピックで盛り上がってますね。

その裏で高校野球の熱戦が甲子園で繰り広げられています。

自分の出身地やゆかりのある地域の出場校が
ベスト8あたりまで勝ち上がらないと
高校野球にチャンネルをあ併せなくなっているここ数年。

ちょうど、夜スタートの女子マラソンまで
興味を持てる日本人出場のオリンピック競技がなくて
チャンネルをNHK総合に合わせました。

この大会、
私の出身県である愛知県の代表は
古豪・東邦高校。

初回いきなり先制され
かつ、最大7点差をつけられ、完全な劣勢。

4点差で迎えた9回裏。
ノーアウトのランナーが出るも、
続くバッターはフライを打上げ、ランナーを進めることさえ出来ず。
そのあと、盗塁から1点を返すも
次が倒れて、2アウト。

万事休すかな、と思って観ていたんですが、
ベンチにいる仲間の選手たちは
意気消沈しているどころか、みな終始笑顔。
心から大舞台を楽しんでいる感じが伝わってきました。

その明るさが呼んだのか、タイムリーで1点を返して2点差。

なおも、続くバッターが
左中間を大きく破り、2点タイムリーでついに同点。

この時点で、延長戦決定。
私は延長になれば、この勢いで勝てるかなと
応援する気持ちに、かなり余裕ができました。

ところが、明るい東邦はこれでは終わらない。
8番打者がレフトへのタイムリーを放ってサヨナラ勝ち!!

幾度も歓喜している今オリンピックでも体験していないほど
興奮を味わった鳥肌の立つ試合でした!

たかだか2回戦。
でも、
どんなに追い込まれても、明るく常に前向きなこのチームは
まだまだ、素敵な瞬間をプレゼントしてくれそうです!

頑張れ、東邦!
頑張れ、すべての高校球児たち!
 
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渡辺謙さんについて [日記]

NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』を観ました。
今回は「渡辺謙55歳、人生最大の挑戦」、
俳優・渡辺謙をフィーチャー。


私の彼に対する演技的な評価は
優・良・可・不可で表すならば、「可」です。

私の中で渡辺謙さんと言えば、何と言っても『独眼竜政宗』。
NHK大河史上最高の平均視聴率39.7%を叩きだしました。
真っ直ぐで力強く、
若々しいエネルギーの発露は素晴らしかった。

と同時に、当時から
“真っ直ぐな演技しかできない”
大根役者だと評する声も少なからずありました。
ことに、彼が当時所属していた演劇集団・円での舞台では
それが定評だったように記憶しています。

『独眼竜』と "白血病からの生還" のレッテルを剥がさんと
一気にハリウッドに打って出て
大成功を収めたのは万人の知るところ。
やはり、あの風貌からくるスター性は圧倒的で
日本のみならず、ハリウッドでも評価されたことは
何ら不思議ではありません。


『プロフェッショナル』の内容は
現在彼が出演中のブロードウェイ・ミュージカル
『王様と私』の稽古の日々に密着したドキュメンタリー。

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稽古風景からオープニング・ナイトまでを観て
やはり、英語は下手だなあ、というのが正直な感想。
一時期、歌手活動もされていたと聞きますが
どう贔屓目に聴いても、歌も上手いとは言えません。

私は、ニューヨークに留学中
大きいものから小さいものまで、
ミュージカルやドラマ(日本で言うところの “ストレートプレイ”。ただし、ストレートプレイは英語圏では死語に近い)など、200本以上の舞台を観まくりました。

それゆえ
彼がトニー賞のミュージカル主演男優賞にノミネートされたことは、私にとって予てから驚愕の事実でしたが、
この番組の中で、その歌と英語を目の当たりにするにつけ、
改めて、納得のいかない思いになりました。

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『王様と私』が同賞で9部門にノミネートされているのは
“多分に演出のバートレット・シャー氏の力量が物を言っている”
というのが、舞台を観てもいない私の勝手な憶測です。

シャーは、今回を含め
トニー賞にノミネートされること6回、受賞も果たしている名演出家。

相手役のケリー・オハラも
同様にトニー賞6度ノミネートの実力派ミュージカル女優。

新作ではなく、リバイバル部門でという点も併せて
環境に恵まれてのノミネートと言えば、言いすぎでしょうか。

とはいえ、出演オファーを出したのはシャーであり
ミュージカル最高峰のキャストに、請われて名を連ねたことは凄い!
『硫黄島からの手紙』の演技を観ての起用だそうです。

ただ、ノミネートはされても、受賞はないでしょう。
歌や英語が二流の役者が、トニー賞を獲得できるほど
ブロードウェイは甘くはありません。
(もちろん、日々上達していることは疑いません)

歌唱力や言葉の問題はともかく、
『王様と私』の王様=ユル・ブリナー というイメージを払拭し
渡辺謙ならではの王様像を打ち立てた、その演技力が高く評価された。
それは事実だと思います。

ミュージカル通を気取っている私は
ずいぶん辛口な言葉ばかり並べましたが、
番組を観ていて
やっぱりプロフェッショナルだな、と思ったのは、
謙さんの挑戦し続ける姿勢、
「プロ=最後まで諦めない」という彼のひと言にあります。

じゃあ、必死に努力するだけでプロと言えるのかよ
と突っ込む人もいるかもしれません。
無論、評価されなくてはプロとは言えないと思います。
努力の過程でなく、結果を評価されるなら
そのステージが小さかろうが、レベルが低かろうが不問。
ただ、その大前提として、最大限の努力を最後まで怠らない。
それがプロフェッショナルではないかと、私は思うのです。

そして、渡辺謙さんは
紛うことなきプロフェッショナルです。

「最後まで諦めない」
これは言い古されているようで、
その意味を実感し、かつ実践に移せている人はいったいどのくらいいるでしょうか?

私も、これを肝に銘じて演技に精進しよう。
そう固く心に決めたのでした。
 

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太陽がいっぱい [日記]

 
仕事で通夜には出られなかった。
翌日の葬式も仕事とバッティングしていたけど
無理やり仕事の予定をずらしてもらい、葬式に駆け込んだ。

会場には、親族以外に会葬者は誰もいない。
受付もそこそこに、葬儀屋に急かされ
ぽつんと一人遺影に臨む私は、一番最後の焼香者だった。

奥様と顔が合う。
デートと称し、女優で頑張っているご長女の舞台にご一緒したのは、つい最近、今年に入ってからのことだ。

2階へ上がると、
広い控室には
入りきれないほど大勢の会葬者が、
インタビューやライヴ音声をバックに流れる
故人の写真のスライドショーを静かに見ていた。

涙を堪えて喪主の挨拶をする奥様。
そばで泣き続ける二人の娘さん。
下の娘さんは結婚されたばかりだ。
「夫は家族の太陽だった」
そう語る奥様の姿を目の当たりにして
初めて涙が頬をつたった。

火葬場へと送り出す中、Hey Jude♪ が流れる。
そして最後には、故人の歌声が快晴の寒空に響いていた。

葬儀への行き帰り、
自分がどこへ向かっているのか
何をしに来ているのか
皆目見当がつかない。

頭が真っ白、という表現があるが
そういう2次元的な感覚ではなく、
空っぽ、真空、空虚、といった具合に
無が私の体全体を包む。

気づけば、地下鉄をひと駅分歩いていた。

   *********

そんな出来事があったのは、ちょうど一週間前のこと。

「いらっしゃい」
ドアの向こうからマスター夫妻の顔が覗く。

その声を追うように
マスターとHさんから言葉がかけられた。
「ありがとね」「○○ちゃん、ありがとね」

故人と付き合いの深かった彼らは、親族同様の存在なのだ。

カウンターは一番端の席しか空いていなかったが、
私が席につくと入れ違いに
3人連れの男性客が帰っていった。

反対側の端には
仲良くしてもらっている若々しきロートルH。
その手前に、たまにお会いする40代のカップル。
彼らも常連さんだ。

ポッカリと真ん中の席が空いたカウンター。

うっすらと寂しかった。

ついこの間まで一緒に飲んでいた人が
もうこの世に存在しない。

闘病していたわけではない。
倒れて2日と経たないうちに逝ってしまった。

Bar があり、そこに酒があり音楽がある。
常連がいて、ブルースバンドがあり
そのバンドのリードボーカルだった彼。
酒が好きで人が好きで、いつも陽気な太陽だった。

Ain't No Sunshine ♪
愛する人が去り、太陽はもう輝かない。
そう歌った Bill Withers。



「そろそろ来るかな?」
「そうね、来るんじゃない?」

笑顔で話す私たちに、もう悲しさはない。

そう、
今夜、店を訪れると決めていたのは
悲しみと決別するためなのだ。
 
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想い [日記]

表面{おもてづら}はとても愛想いいのだが
常日頃から人の陰口をたたく後輩がいる。

本人には陰口・悪口という自覚はなく
ただ正論を述べているだけのつもりのようだが…

それは “自分は常に正しい” という過信が招くもの。
人ひとりが把握している知識・情報なんて、ごく僅か。
それを基に、一個の人生経験が導き出す結論など
たかが知れたものだというのに
それには気づかない。

それを愚かだと批判するつもりはない。
若いな。
そう思うだけだ。

そんな彼女の、私に対する誤解。
今日、その誤解がひとつ解け、
彼女はひとつ、自分の過ちに気づいたことだろう。


その仕事現場で
マネージャーから、別の後輩女優のご主人の訃報を聞いた。
53歳、がん。まだ若い。
この一年、
彼女は自宅看護をしながら仕事をしていたそうだ。
いつも明るく元気な彼女。
同時期に2本の舞台を抱えていた昨夏の彼女を思うと
その大変さはいかばかりだったろうか。


70年代半ばの青春ドラマ『俺たちの旅』。
そのラストでは
主演の中村雅俊が唄う ♪ただお前がいい♪ をバックに
毎回、短い散文詩が添えられていた。

「たとえ淋しくても
 たとえ苦しくても
 いろんな事があったほうがいいじゃないか
 人生は―」

これは、つい今しがた
久しぶりに観た第32話の詩だ。

普段、雑感は facebook に書き込むことが多いが、
こういった類の心模様は、「友達」に向けては語れない。

久しぶりに、一人 Bar に出かけた。
カウンターの奥には、マスター夫妻のいつもの笑顔、
私のほうを振り返り同席を喜んでくれる飲み仲間たち。

一時間ほど経ったころ
ある年配の常連さんが、お友達を連れてやってきた。
二人のために、席をずれてカウンターの端へ移動する。
隣りに座ったお友達、
彼はかなり出来上がっていて、
片端から自分の話に相づちを求めてきた。

相手を思いやれない無粋な人間。
どんなに酔っても
その Bar の常連にそんな人はいない。

ベアードビールのインディア・ペールラガーと
ダッドソーダを一杯ずつ。
腰を上げ、店をあとにした。

帰り途、遠方は雪国に住む友人から
淋しげな内容のショートメールが届いた。
別段返事を求めない、小さなつぶやき。


彼は、彼女は
今何を考えているのだろう、どう感じているのだろう。
他人{ひと}の心など、
所詮、傍から推し量ることは出来ないのだ。

他人を思いやることの大切さに感じ入り
それが「生きる意味」だとプラスに捉えるのではなく、
詰まるところ人は一人なのだ、と淡々と受け止め
ふと疎外感を覚えた夜。

ただそこに、寂しさは欠片もない。
 
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