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『デス・レース』 [洋画(タ行)]

「デス・レース」(2008)★★★★☆75点
原題: DEATH RACE
監督: ポール・W・S・アンダーソン
製作: ポール・W・S・アンダーソン、ポーラ・ワグナー、ジェレミー・ボルト
製作総指揮: ロジャー・コーマン、デニス・E・ジョーンズ、ドン・グレンジャー、ライアン・カヴァナー
原案・脚本: ポール・W・S・アンダーソン
オリジナル脚本: ロバート・ソム、チャールズ・グリフィス
撮影: スコット・キーヴァン
プロダクションデザイン: ポール・D・オースタベリー
衣装デザイン: グレゴリー・マー
編集: ニーヴン・ハウィー
音楽: ポール・ハスリンジャー
オリジナル原案: イブ・メルキオー
出演:
 ジェイソン・ステイサム(ジェンセン・エイムズ)
 ジョーン・アレン(ウォーデン・ヘネシー)
 イアン・マクシェーン(コーチ)
 ナタリー・マルティネス(エリザベス・ケース)
 タイリース・ギブソン(マシンガン・ジョー・メイソン)
 マックス・ライアン(パチェンコ)
 ジェイコブ・バルガス(ガナー)
 ジェイソン・クラーク(ウーリック)
 フレデリック・コーラー(リスト)
 ロバート・ラサード(ヘクター・グリム)
 ロビン・ショウ(14K)
 デヴィッド・キャラダイン(フランケンシュタインの声)
製作・ジャンル: 米国/アクション・SF/105分

デス・レース [DVD]








主演は
『トランスポーター』でブレイクのジェイソン・ステイサム。
かく言う私は『トランスポーター』を観ていないが。

スピード、競走、争い
男の子が喜びそうな要素が揃った娯楽映画。

ただ、PG-12の指定があるように
時々血が飛び散るので
そういったものが苦手な方は多少抵抗があるかも。

近未来の民営化された刑務所が舞台。
そこで繰り広げられる殺害ありのサバイバル・カーレース。

そのデス・レースには
フランクこと "フランケンシュタイン" という伝説のレーサーが存在したが、既にレースで死亡してしまっていた。
冷酷な女刑務所長ヘネシーは
不死身のフランク復活を画策し
元レーサーである主人公エイムズをフランクとしてレースに巻き込むべく、妻殺しの濡れ衣を着せて服役させる。

路上に設置された「剣」と「盾」のポイント上を通過すると
攻撃や防御の武器を繰り出すことが可能になるが
これを以って、多くのビューワーが
「実写版マリオカート」と評している。
プラス評価を下している人もいれば
パクリ・芸無しと揶揄している人もいる。
ゲーム音痴の私のように、マリオを知らない人にとっては
その仕掛けが評価を左右する材料にはならない。

主人公を演じるJ・ステイサム。
若き日には屋台の物売りとして生計を立てる一方で
アクションを学び
水泳の飛込競技ではイギリス代表選手に選ばれたこともある。
また、トミー・ヒルフィガーやリーバイスのモデルも務めた。
そんなステイサムは終始カッコいい。
海軍特殊部隊とともに行なったという肉体トレーニング成果は
懸垂をするバックショットに如実に表れており
筋肉フェチにはたまらないカットとなっている。

ライバル筆頭となるマシンガン・ジョー以外の出場者は
前半で次々に脱落・死亡してしまう。
脱落するたびに順位表で「Deceased(死亡)」の表示だけは映るものの、ほんの一瞬のことだし
誰が何番手を走っているとか、順位がどう入れ替わるとか
を知る手立てはそれ以外に全くない。
つまり、順位変動をまったく描写する意図がないわけだ。
競走であるのだから、
順位変動のデッドヒートという要素が加わったほうが
観ている方としては盛り上がるというもの。
その点、ちょっと不満が残る。

サブキャラで言えば
整備クルーメンバーのコーチとリストが印象的。
コーチ役のイアン・マクシェーンは
少し恰幅をよくしたアル・パチーノといった外見。
描写の少ないクルーにあって
頼りがいのあるリーダーとしての存在感たっぷり。
リストを演じるF・コーラーもその容姿だけで印象に残る。
非力でオタク気質だが、その純粋無垢な弟分キャラが可愛い。

ナビゲーターとして登場するケースは美人だが
エイムズとのお色気シーンは一切なし。
とにもかくにも
クラッシュと爆発が連続するアクションものに徹している。

色んな刺激に慣れっこになってしまっている私は
"迫力満点" という表現を使うほどには至らないが
気軽に楽しむ娯楽映画としては、中身も時間も適当。

先に書いた
クルーとのエピソードや
ケースとの色恋沙汰を織り交ぜて
もう少し尺を伸ばしても良かっただろう。
 
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『ダンディー少佐』 [洋画(タ行)]

「ダンディー少佐」(1965)★☆☆☆30点
原題: MAJOR DUNDEE
監督・脚本: サム・ペキンパー
原案・脚本: ハリー・ジュリアン・フィンク
脚本: オスカー・ソウル
製作: ジェリー・ブレスラー
撮影: サム・リーヴィット
音楽: ダニエル・アンフィシアトロフ
出演:
 チャールトン・ヘストン(ダンディー少佐)
 リチャード・ハリス(タイリーン大尉)
 ジェームズ・コバーン(ポッツ)
 ジム・ハットン(グラハム)
 マイケル・アンダーソン・Jr(ライアン)
 センタ・バーガー(テレサ・サンティアゴ)
 マリオ・アドルフ(ゴメス軍曹)
 ブロック・ピータース(イソップ)
 ウォーレン・オーツ(O・W・ハドリー)
 ベン・ジョンソン(チラム軍曹)
 R・G・アームストロング(ダールストロム)
 L・Q・ジョーンズ(アーサー・ハドリー)
 スリム・ピケンズ(ワイリー)
 カール・スウェンソン(ウォーラー)
 マイケル・ペイト(チャリバ)
 ジョン・デイヴィス・チャンドラー(ベンティーン)
 ダブ・テイラー(プリアム)
 ベゴナ・パラシオス(リンダ)
製作・ジャンル: 米国/アクション・戦争・ドラマ/124分

ダンディー少佐 エクステンデッド・バージョン [DVD]








時は南北戦争末期。
中隊を全滅され、その報復に立ち上がる北軍少佐ダンディーの
凶悪なアパッチ・チャリバ討伐行を描いた戦争アクション。

主演はチャールトン・ヘストン。
ヘストンというと、つい三船敏郎を思い出してしまう。
言ってみれば、南北戦争は米国人にとっての時代劇。
時代劇の大物俳優という意味で思い出すのか、
存在感は圧倒的だが、演技がイマイチという点で共通するからか。

ドラマ上の敵役・タイリーンを演じたR・ハリスや
斥候として雇われているポッツ役のJ・コバーン。
この2人の脇役の演技が作品の核を支えている。
本作では、彼らの存在があってはじめて
ダンディーが主役たりえている。

この物語では
捕虜や囚人から志願兵を募るという、少々まれなケースだが
南北戦争時代、
アメリカ原住民の襲撃に対し、
南軍・北軍が共闘するということはあったのだろうか。
ここでは、それどころか
アパッチ族だけでなく、フランス軍まで相手にするのだ。

映画冒頭でタイリーンに罵られるように
ダンディーの仕事は、詰まるところ牢番である。
捕虜・囚人を管理している一将校が
仲間が虐殺されたことに憤り、使命感に突き動かされたからといって
敵兵や犯罪者との少数の混成部隊だけで
いつ果たせるとも知れぬ討伐に乗り出すのは無謀である。
無謀であるからこそ、
アクション活劇としての面白さも生まれるのだが。

討伐隊に加わるのを固辞していたタイリーンが
ダンディーの頼みである従軍を承諾する時、
負傷と失恋で酒におぼれるダンディーが
タイリーンの叱咤で戦列復帰する時。
いずれも、最後の最後まで説得相手に抵抗する。
往生際の悪いこと。
両者とも "アパッチ討伐が終わるまでだ" という台詞を約束手形に
ようやく腰を上げるのだ。
そこには、荒々しく闘う男らしさ・潔さは感じられない。

食糧・弾薬の補給の為、メキシコの村を占領するフランス軍を襲撃。
劇中盤は、この村やそこで知り合った女性とのエピソードが加わる。
バーガー扮するドイツ人女性・サンチャゴをめぐって
ダンディーとタイリーンの間にいざこざが生まれるが
これまた子供っぽい。
これはペキンパーが意識的に狙った皮肉だろうか。
強く見える者ほど、実は内面的に小さい、と。

ダンディーがサンチャゴと水浴びする池(川?)は
往時のカラーフィルムらしい美しい色彩に彩られている。
水浴びのシーンで披露される豊満な肉体は
バーガーの魅力の一つで、男性陣へのサービスショット。

バーガーとダンディーの恋は
盛り上がりを見せることなく、唐突に終わるし
前述したように、
軸をなす男2人の対立を
却って、薄っぺらいものにしている。

ストーリー上、目玉となるはずのチャリバとの一戦は
いとも簡単に片がつき
見せ場は、望まないフランス軍との闘いへ。
オーラスだけに、派手に繰り広げられるが
やはり、兵士の圧倒的な数の違いが気になる。
アパッチ戦でもそうだったが
フランス軍兵士たちは、指揮官と思われる将校以外
銃を持たず、剣だけで戦うのである。
そりゃあ、少人数でも銃砲備えてるからいい戦いになるだろう。
しかし何故、仏兵は銃を持っていないのか。
巧みな戦略があるわけでもないので
大軍を相手に壊滅しないことに納得がいかなくなってしまう。

タイリーンの戦死で
ダンディーとタイリーンの対決は果たされずに終わる。
だが、敵軍の只中に突っ込んでいくタイリーンは
銃弾を受けたとはいえ、普通に馬を駆ることができる状態。
ダンディーに別れを告げて意気揚々と走り去るから
やってきた大軍は南軍なのかと勘違いした。
犬死も同然に突撃する理由が分からず
ここで完全に興味が失せた。

現実味・具体性に欠ける状況設定、
エキサイティングとは程遠い戦闘シーン、
無駄なエピソード、
うやむやに終わる主軸の対立など、
綻びが随所に散りばめられた失敗作。
 
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『テンタクルズ』 [洋画(タ行)]

「テンタクルズ」(1977)☆☆☆☆5点
原題: TENTACOLI(英語題: TENTACLES)
監督: オリヴァー・ヘルマン 、製作: E・F・ドリア
製作総指揮: オヴィディオ・G・アソニティス
脚本: ティト・カルピ 、 ジェローム・マックス 、 スティーヴン・カラバトソス 、 ソニア・モルテーニ
撮影: ロベルト・デットーレ・ピアッツォーリ
音楽: ステルヴィオ・チプリアーニ
出演:
 ジョン・ヒューストン(ネッド・ターナー)
 シェリー・ウィンタース(ティリー・ターナー)
 ヘンリー・フォンダ(ホワイトヘッド、トロージャン建設社長)
 クロード・エイキンス(ロバーズ保安官)
 ボー・ホプキンス(ウィル・グリーソン)
 デリア・ボッカルド(ヴィッキー・グリーソン)
 チェザーレ・ダノーヴァ(ジョン・コーリー)
 シェリー・ブキャナン(ジュディ)
 アラン・ボイド(マイク)
製作・ジャンル: イタリア/パニック/102分

テンタクルズ [DVD]







穏やかな海岸を巨大タコが恐怖に陥れるパニック映画。

ジョーズ並みのヒットを狙ったのだろうが
2匹目のドジョウとはいかなかった。
錚々たる俳優の面々への出演要請も徒労に終わった。

タコという軟体動物の性質上
サメのように張りぼてで作ったり、
金網越しにせよ人を襲う実写を撮ったりできないことも仇となった。
つまり、CGを含めたレベルの低かった当時の特撮技術で
主役となるモンスターに
この生物を選んだことから失敗は始まっている。

闇の中で襲われるというシーンは
闇自体が持つ得体の知れない恐怖感が加わることで、
襲われる恐ろしさがさらに増すのが本来だが
何せタコの姿が見えないのだから始まらない。

とにかく、出てこない主役。
当然人が襲われるシーンはほとんどなく
それでタコだって分かるか?という物体が
水面に顔を出して子どもたちのヨットを追いかける程度。
効果音もさして "効果" を生まない。

一番ビックリしたといえば、
ビリーが死体で突然海上に顔を出すカットくらいか。
あれとて、不自然といえば不自然なのだが。

ドラマだけでもしっかりしていればいいのだが、脚本もひどすぎる。
モンスターダコの発生原因、人を襲う原因も
探り出そうと動きはじめるくせに、尻切れで結論放置。
友人が死のうが、妻が死のうが、悲しみも刹那すぎるほど刹那的。
何の理由付けや経緯もなく、唐突に
調教していたシャチにタコを退治させようという発想が出てくる。
期待はずれにシャチが野生の海に戻ってしまうカットは
後でタコ退治に戻ってきてくれるのが見え見えの展開。

そして当然、タコとシャチの格闘シーンは
暗くて何がどうなっているのか、雰囲気さえもよく伝わってこない。

まさに "Les Miserables(ああ、無情)"。
見るも無残とは本作のような映画を言うのだろう。
時間の無駄。

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『トッツィー』 [洋画(タ行)]

「トッツィー」(再)(1982)★★★★85点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: TOOTSIE
監督・製作: シドニー・ポラック
製作: ディック・リチャーズ
原案・脚本: ラリー・ゲルバート
原案: ドン・マクガイア
脚本: マレー・シスガル
撮影: オーウェン・ロイズマン
作詞: アラン・バーグマン、マリリン・バーグマン
音楽: デイヴ・グルーシン
出演: 
 ダスティン・ホフマン(マイケル・ドーシー/ドロシー・マイケルズ)
 ジェシカ・ラング(ジュリー・ニコルズ、女優)
 テリー・ガー(サンディ・レスター)
 ダブニー・コールマン(ロン・カーライル、監督)
 チャールズ・ダーニング(レスリー "レス" ・ニコルズ、ジュリーの父)
 ビル・マーレイ(ジェフ・スレイター)
 シドニー・ポラック(ジョージ・フィールズ、マイケルのエージェント)
 ジョージ・ゲインズ(ジョン・ヴァン・ホーン、主演俳優)
 ジーナ・デイヴィス(エイプリル・ペイジ、女優)
 ドリス・ベラック(リタ・マーシャル、プロデューサー)
 エレン・フォーリー
 ピーター・ガットー
 リン・シグペン
 ロナルド・L・シュワリー
 デブラ・ムーニー
 エミー・ローレンス
 スーザン・エグバート
 アンディ・ウォーホール
受賞:
 アカデミー賞
  ■助演女優賞 ジェシカ・ラング
 全米批評家協会賞
  ■作品賞
  ■主演男優賞 ダスティン・ホフマン
  ■助演女優賞 ジェシカ・ラング
  ■脚本賞 マレー・シスガル、ラリー・ゲルバート
 NY批評家協会賞
  ■助演女優賞 ジェシカ・ラング
  ■監督賞 シドニー・ポラック
  ■脚本賞 ラリー・ゲルバート、マレー・シスガル
 LA批評家協会賞
  ■脚本賞 ラリー・ゲルバート、マレー・シスガル
 ゴールデン・グローブ賞
  ■作品賞(コメディ/ミュージカル)
  ■男優賞(コメディ/ミュージカル) ダスティン・ホフマン
  ■助演女優賞 ジェシカ・ラング
 英国アカデミー賞
  ■主演男優賞 ダスティン・ホフマン
 アメリカ国立フィルム登録簿
  ■1998年 新規登録作品
製作・ジャンル: 米国/ロマンス・コメディ/116分

トッツィー [DVD]








売れない俳優が人気女優に扮して巻き起こすラブコメディ。
監督は、俳優・プロデューサーとしても
ロマンスからサスペンスまでウェルメイド作品を手がけたS・ポラック。

冒頭のシーン。
演技コーチとして若い俳優に向かって俳優のいろはを説くマイケル。
"仕事を探せ。仕事がないのは言い訳にならん。
役者には昔から失業がつきものだ。
90~95%の役者は常に失業。
それがNYの役者だ。なくても仕事を見つけろ"
俳優として耳が痛い台詞だ。

稽古のため、ジュリーに家に招待されるマイケル。
ジェフを相手に、女物のドレスを手に服選びに四苦八苦。
その時ジェフが口にする "これが男の会話か" が最高。
ジュリーに好意を抱くマイケル曰く、
"初めてのデートなんだ、美しく見られたい"

ジュリーとベッドに横たわるドロシーは
「赤ずきん」に出てくる狼が扮するお婆さんのようだ。

とにかく
女装で奮闘するマイケルが繰り広げる
コミカルなエピソードには事欠かない。

アクシデント的に寝てしまったマイケルとサンディ。
来ないマイケルを待つサンディがいじらしい。
マイケルが恋するジュリーも素敵だけど
サンディだってとっても可愛いい女性なのに、と思ってしまう。

ポラック監督の妹のバーニーも女優1で登場しているようだが、
本人の顔をよく知らないので、どれかは確認できない。
雑誌のカバー撮影シーンに
アンディ・ウォーホールが登場して驚かせてくれるのも一興。

映画賞の受賞が物語るように、脚本がよくできている。
特に、マイケルとジョージのやりとりは絶妙な構成だ。
そのシーンは
俳優出の監督自身が演じあげて見事に仕上がっている。

私がこの作品で一番好きなのは、ラストシーン。
2人の後姿をバックにクレジットと共に流れる
メインテーマ "It Might Be You" 曲もグッと心に染み入ってくる。
歌詞が素敵なだけでなく
メロディーも作品全体を包む優しい雰囲気にピッタリ。

細かく触れなかったが、D・ホフマンの上手さは言わずもがなだ。

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『チャタレイ夫人の恋人』 [洋画(タ行)]

「チャタレイ夫人の恋人」(TV)(1993)★★★★☆75点
原題: LADY CHATTERLEY
監督: ケン・ラッセル
製作: マイケル・ハジャッグ
製作総指揮: バリー・ハンソン、ロバート・ハジャッグ
原作: D・H・ロレンス
脚本: マイケル・ハジャッグ、ケン・ラッセル
撮影: ロビン・ヴィジョン
音楽: ジャン=クロード・プティ
出演:
 ジョエリー・リチャードソン(コニー・チャタレー夫人)
 ショーン・ビーン(オリヴァー・メラーズ、森番)
 ジェームズ・ウィルビー(クリフォード・チャタレー卿)
 シャーリー・アン・フィールド(ボルトン夫人)
 ヘティ・ベインズ(ヒルダ、コニーの姉)
 ケン・ラッセル(マイケル・リード卿、コニー&ヒルダの父)
 デヴィッド・スターン(フィールド)
 アマンダ・マーレイ(ドレイコット夫人)
 フランク・グライムス(リンリー氏)
 スー・ドルーエ(フリント夫人)
製作・ジャンル: 英国/ドラマ・ロマンス/210分

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D・H・ロレンスの文芸大作を映像化した
英国BBCのTV映画(全4話)。

第1話「ざわめく心」
第2話「禁断の森で」
第3話「愛の歓び」
第4話「運命に燃えて」

20歳のころ、文庫本を買い込んで読破を試みたことがあったが
普段から本を読まない私は、すぐに挫折。
以後、この名作のストーリーさえ知らないまま長年を過ごしてきた。

だから、とても新鮮な心持ちでフィルムに臨んだ。
そのタイトルから、勝手なイメージで
上流社会の一夫人が国を股に掛け、
ヨーロッパ中を列車で移動なんかしながら
同じく上流階級の男性とエレガントな不倫でもするんだろうなあ
と思っていた。

ところがどっこい、自邸の使用人との恋とは意外だった。
そのラグビー邸の玄関ホールに山ほどある肖像画は妙に印象的。
これも階級の象徴か。

BBCだから、プロットは原作に忠実なのだろうが
キャラクターについてはどうだろう?

クリフォードはあんなに気弱な性格なのだろうか?
少なくとも、もっと厳格なスノッブに仕立てた方が
他者との関係がドラマチックになる。

コニーの姿を見ていると
自由とはこういうことなんだ、と教えられる。
全裸で雨の中を走り回る彼女を見ていると
時代も進み、しかも英国のような階級意識のない日本でも
あんな風に自分を解放できるだろうか。

階級の壁を破り、
階級の殻の中に囚われている自己を解放したのは
許されぬ恋に落ちた2人ではなく
その一方のコニーだけである。
彼女の衝動と行動力こそが、禁断の恋を成就させたのだ。

他方、メラーズ。
コニーが森の小屋を訪ねてくるのを待つ。
自分からコニーを奪いに行くことはない。
カナダへの船に乗り込み、コニーが追いかけてきてくれるのを待つ。
ただひたすら待つだけ、常に受身の人間。

コニーの姿を追いかけながら、今の自分を思った。
俳優という職は、世間に言わせれば
サラリーマンよりも気楽で自由を謳歌できる商売。
個人的には、
サラリーマンが手にできるものを沢山犠牲にしているから
一概に比較できるものではないと思っている。

そこで、私はどれだけ自由に行動しているだろうか。
生活を理由にこじんまりとまとまってはいないか。
好きなように体を動かしているようでいて、
その体の各部は十分伸びきっておらず、強ばったままではないか。
コニーの勇気を見習わなくてはならない、と強く触発された。
私は幸運がめぐってくるのをただ待っているメラーズにはならない、
自分で道を切り開くコニーになる。

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『デーヴ』 [洋画(タ行)]

「デーヴ」(1993)(再)★★★★90点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: DAVE
監督・製作: アイヴァン・ライトマン
製作: ローレン・シュラー=ドナー
製作総指揮: ジョー・メジャック、マイケル・C・グロス
脚本: ゲイリー・ロス
撮影: アダム・グリーンバーグ
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:
 ケヴィン・クライン(デーヴ・コーヴィック/ビル・ミッチェル大統領)
 シガニー・ウィーバー(エレン・ミッチェル)
 フランク・ランジェラ(ボブ・アレグザンダー、大統領特別補佐官)
 ケヴィン・ダン(アラン・リード、大統領補佐官)
 ヴィング・レイムズ(デュエーン・スティーヴンソン、シークレットサービス)
 ベン・キングスレー(ナンス、副大統領)
 ローラ・リニー(ランディ)
 チャールズ・グローディン(マレー・ブルム)
 ボニー・ハント(ホワイトハウスのツアーガイド)
 アーノルド・シュワルツェネッガー(本人)
 ラリー・キング(本人)
 ジェイ・レノ(本人)
 ポール・サイモン(本人)
 オリヴァー・ストーン(本人)
製作・ジャンル: 米国/ドラマ・コメディ/110分

デーヴ [DVD]









何度観ても素晴らしい脚本に裏打ちされた
ハートウォーミングな映画だと思う。

チャールズ・グローディンは
「ミッドナイト・ラン」でも横領犯の会計士を演じていたが
ここでも例によっていい味を出しながら金を扱っている。
福祉施設の予算確保のためのデーヴとマレーの奮闘ぶりは
民主党政権が行なった事業仕分けさながらだ。

一旦飛び出したデーヴとエレン。
ホワイトハウスに舞い戻りそれぞれの部屋に戻るときに見せる
2人の間のケミストリーが心をつかむ。

デーヴの辞任会見をテレビで見ていたボブの周りから
あっという間に支援者たちが去るのは痛快。

大統領本人の汚職がバレて
影武者でいられなくなったデーヴの引き方。
巧みなプロットに感心する。

役目を終えてSPのデュエーンと別れるシーン。
替え玉になった当初、答えられずに黙ってしまった
"私のために死ねるか?" というデーヴの質問に
この別れ際にデュエーンが答える。
「あなたのためになら死ねる」
グッとくるね。

去っていくデーヴの姿を
エレン目線で、
しかも靄に消えゆくシルエットだけで見せる演出も素敵だ。

崇拝するケヴィン・クライン。
ブロードウェイでケネス・ブラナーが演出した
"The Play What I Wrote" を観に行ったとき
毎回登場するサプライズゲストが彼だった。
私は2階席に座を占めていたが、その感激といったらなかった。
共演とまでは言わなくても、是非芝居の話を聞きたい名優だ。

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『ダーク・シャドウ』 [洋画(タ行)]

「ダーク・シャドウ」(2006)☆☆☆☆10点
原題: The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde
監督: ジョン・カール・ビュークラー
製作: ピーター・デイヴィ
原作: ロバート・ルイス・スティーヴンソン
脚本: ジョン・カール・ビュークラー
撮影: ジェームズ・M・ルゴイ
編集: ノーマン・アプスタイン
音楽: アンディ・ガーフィールド
出演:
 トニー・トッド(ヘンリー・ジキル博士/エドワード・ハイド)
 トレイシー・スコギンズ(カレン・アターソン)
 ヴァーノン・ウェルズ(デニス・レイニヨン博士)
 ダニエル・ニコレット(ホィットニー・ウェディングス)
 スティーヴン・ワステル(リチャード・エンフィールド刑事)
 デボラ・シェルトン(ドナ・カルー刑事)
 ジュディ・シェコニ(ラネイ)
 ティム・トマーソン(アミー・スウィフト)
 ピーター・ジェイソン(ハミルトン警部補)
製作・ジャンル: 米国/ホラー/89分

ダーク・シャドウ [DVD]








「ジキル博士とハイド氏」の現代版らしい。
原作は何度となく映画化されている。
原作小説は好きだし、
ブロードウェーでミュージカルも観た。
ということで、期待して観た。

しかし、原作のテイストはほとんどない。
自らを実験台にした結果、怪物に変身してしまうというだけ。
二重人格を抱える苦悩も描かれないし
両人格を取り巻くドラマもない。

俗に言うB級、いやC級ホラー。

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『ターミナル』 [洋画(タ行)]

「ターミナル」(2004)(再)★★★★☆80点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: THE TERMINAL
監督・製作: スティーヴン・スピルバーグ
製作: ローリー・マクドナルド、ウォルター・F・パークス
製作総指揮: ジェイソン・ホッフス、アンドリュー・ニコル、パトリシア・ウィッチャー
原案: アンドリュー・ニコル、サーシャ・ガヴァシ
脚本: サーシャ・ガヴァシ、ジェフ・ナサンソン
撮影: ヤヌス・カミンスキー
プロダクションデザイン: アレックス・マクダウェル
衣装デザイン: メアリー・ゾフレス、クリスティーン・ワダ
音楽: ジョン・ウィリアムズ
出演:
 トム・ハンクス(ビクター・ナボルスキー)
 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(アメリア・ウォーレン)
 スタンリー・トゥッチ(フランク・ディクソン)
 シャイ・マクブライド(ジョー・マルロイ)
 ディエゴ・ルナ(エンリケ・クルズ)
 バリー・シャバカ・ヘンリー(レイ・サーマン)
 ゾーイ・サルダナ(ドロレス・トーレス)
 クマール・パラーナ(グプタ・ラジャン)
 マイケル・ヌーリー(マックス)
 ジュード・チコレッラ(カール・アイヴァーソン)
 エディ・ジョーンズ
 ギレルモ・ディアズ
 ヴァレラ・ニコラエフ
 コリー・レイノルズ
 リニ・ベル
製作・ジャンル: 米国/ドラマ・ロマンス・コメディ/129分

ターミナル DTSスペシャル・エディション [DVD]








観るのは2度目。

「スプラッシュ」「ビッグ」「フォレスト・ガンプ」。
コンプレックスやハンデを背負った役を演らせたら
トム・ハンクスは格別だ。

まだケバケバしくないC・Z・ジョーンズもいい。

2人の恋も成就しないのも、
薄っぺらなハッピーエンドにしなくて私の好み。

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『007/カジノ・ロワイヤル』 [洋画(タ行)]

「007/カジノ・ロワイヤル」(2006)★★★☆☆55点
原題: CASINO ROYALE
監督: マーティン・キャンベル
製作: バーバラ・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソン
製作総指揮: アンソニー・ウェイ、カラム・マクドゥガル
原作: イアン・フレミング『007/カジノ・ロワイヤル』
脚本: ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ポール・ハギス
撮影: フィル・メヒュー
プロダクションデザイン: ピーター・ラモント
衣装デザイン: リンディ・ヘミング
音楽: デヴィッド・アーノルド
テーマ曲: モンティ・ノーマン(ジェームズ・ボンドのテーマ)
主題歌: クリス・コーネル
出演:
 ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)
 エヴァ・グリーン(ヴェスパー・リンド)
 マッツ・ミケルセン(ル・シッフル)
 ジュディ・デンチ(M)
 ジェフリー・ライト(フェリックス・レイター)
 ジャンカルロ・ジャンニーニ(レネ・マティス)
 シモン・アブカリアン(アレックス・ディミトリオス)
 カテリーナ・ムリーノ(ソランジュ・ディミトリオス)
 イワナ・ミルセヴィッチ(ヴァレンカ)
 セバスチャン・フォーカン(モロカ)
 イェスパー・クリステンセン(ミスター・ホワイト)
 クラウディオ・サンタマリア(カルロス)
 トビアス・メンジーズ(ヴィリアーズ)
 イザック・ド・バンコレ
受賞:
 英国アカデミー賞
  ■音響賞 MartinCantwell
製作・ジャンル: 米国=英国/アクション・サスペンス/144分


007 カジノ・ロワイヤル デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]









久しぶりに吹替えで映画を観た。
仕事で何度か一緒になっている声優が主役007をアテているから。
だから、演技よりもストーリー本位で感想を。

冒頭15分のアクションシーンは不要。
ポーカーの途中でル・シッフルを襲うテロ集団の連中。
脅すなら、もっと違った脅し方を見たかった。
あんな陳腐なアクションも不要。
全体的に冗長的な描き方ゆえ、144分などという長さになる。
コンパクトに仕上げてテンポ出した方が数段スリリング。

ハンニバルに続いて、ジャンカルロ・ジャンニーニを目にしたが
彼の演ずるマティスは、結局黒か白かも分からないまま。
キーとなるあの役をボンヤリ描いたのでは、作品自体を損なう。

愛するヴェスパーとのラスト。
引き上げても助からないのであれば、
水中のシーンをラストにして欲しかった。

新生ボンドのD・クレイグは魅力的だが
盛り上がりすぎの肩の筋肉が悪目立ち。

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『テルマ&ルイーズ』 [洋画(タ行)]

「テルマ&ルイーズ」(1991)(再)★★★☆☆60点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: THELMA & LOUISE
監督・製作: リドリー・スコット
製作: ミミ・ポーク
脚本: カーリー・クーリ
撮影: エイドリアン・ビドル
音楽: ハンス・ジマー
出演:
 スーザン・サランドン(ルイーズ)
 ジーナ・デイヴィス(テルマ)
 ハーヴェイ・カイテル(ハル)
 マイケル・マドセン(ジミー)
 ブラッド・ピット(J.D.)
 クリストファー・マクドナルド(ダリル)
 スティーヴン・トボロウスキー(マックス)
 ティモシー・カーハート(ハーラン)
受賞:
 アカデミー賞
  ■脚本賞 カーリー・クーリ
 全米批評家協会賞
  ■助演男優賞 ハーヴェイ・カイテル
 ゴールデン・グローブ賞
  ■脚本賞カーリー・クーリ
製作・ジャンル: 米国/ドラマ/128分

テルマ & ルイーズ [DVD]








久々に観たが、それなりの面白さは色あせない。

いまさらながら
ブラピやマイケル・マドセンが出てたんだと新鮮な認識。

「勝手にしやがれ」「明日に向かって撃て!」
「俺たちに明日はない」「イージーライダー」
当時はやった破滅的なラストシーンを踏襲、快感を残す。

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