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『愛より強い旅』 [洋画(ア行)]

「愛より強い旅」(2004)★★☆☆☆40点
原題: EXILES
監督・製作・脚本・音楽: トニー・ガトリフ
撮影: セリーヌ・ボゾン
編集: モニック・ダルトンヌ
音楽: デルフィーヌ・マントゥレ
出演:
 ロマン・デュリス(ザノ)
 ルブナ・アザバル(ナイマ)
 レイラ・マクルフ(レイラ)
 アビブ・シェック(アビブ)
 ズイール・ゼカム(サイッド)
 ラティーファ・アフラール
 フランシスコ=ジャヴァイア・ロドリゲス=ヴェガ
 モハメド・ハラーリ
 ハッサン・ナバト
 エレナ・アラヴェロ=ゴンザレス
受賞:
 カンヌ国際映画祭
  ■監督賞 トニー・ガトリフ
製作・ジャンル: 仏国/ドラマ・音楽/103分

exiles.jpg
パリからアルジェリアへ
自らのルーツを探る男女を描いたロードムービー。

ガトリフ監督作品は初めてだが
台詞をはじめとした理知に頼らず、
視覚・聴覚といった五感に訴える作風のようだ。

奔放なナイマは可愛い。
人間は何歳くらいまでああいう無邪気な行動をとれるのものだろうか
と、もう若くない視点に立つ私は憧憬の念を抱きながら観ていた。
ルブナ・アザバルはとても魅力的な女優だ。

ルーツを辿る旅は、ザノが望んだことだが
ザノよりもナイマにフォーカスが当たっている印象。
ザノについては
亡き両親の痕跡残る地へ気楽な思い出探しに出かけただけ
としか感じられない。

目的地は、実際にアルジェリア地震で多大な被害を受けたナイバ。
そのナイバで、2人がトランス状態に至るまで踊るオーラス。
ここがこの映画の唯一の見せ場のように思うが
それが、ルーツ回帰とつながっているとは思えない。

むしろ
シルビア・クリステル主演でセンセーションを巻き起こした
「エマニエル夫人」で展開される性の解放に似たコンセプトを感じる。

憑き物が取れたように、ルイバを後にするラストカット。
エキゾチックな儀式しか残らない作品だった。

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『運命のボタン』 [洋画(ア行)]

「運命のボタン」(2009)★★★☆65点
原題: THE BOX
監督・製作: リチャード・ケリー
製作: ショーン・マッキトリック、ダン・リン
製作総指揮: スー・ベイドン=パウエル、テッド・フィールド、パリス・カシドコスタス・ラトシス、テリー・ダガス、エドワード・H・ハム・Jr
原作: リチャード・マシスン
脚本: リチャード・ケリー
撮影: スティーヴン・ポスター
プロダクションデザイン: アレクサンドラ・ハモンド
衣装デザイン: エイプリル・フェリー
編集: サム・バウアー
音楽: ウィン・バトラー、レジーヌ・シャサーニュ、オーウェン・パレット
出演:
 キャメロン・ディアス(ノーマ・ルイス)
 ジェームズ・マースデン(アーサー・ルイス)
 フランク・ランジェラ(アーリントン・スチュワード)
 ジェームズ・レブホーン(ノーム・ケイヒル)
 ホルムズ・オズボーン(ディック・バーンズ)
 サム・オズ・ストーン(ウォルター・ルイス、息子)
 ジリアン・ジェイコブズ(デイナ)
 シーリア・ウェストン(ラナ・バーンズ)
 デボラ・ラッシュ(クリマニ・スチュワード)
 リサ・K・ワイアット
 マーク・S・カルティエ
 ケヴィン・ロバートソン
 ミシェル・デュレット
 イアン・カーン
 ジョン・マガロ
製作・ジャンル: 米国/サスペンス・ミステリー・SF/116分

box.jpg

宇宙飛行士として火星へ行く夢の潰える夫。
突然の経済難に悩む妻。
そこへふいに届いた謎の箱。

その大きな赤いボタンを押せば
①誰かが一人死ぬ
②現金100万ドルが手に入る

観終わって第一声。
肩が凝った、救いがない。

普段、家のTV画面で映画を観ることが多いせいかもしれないが
久しぶりにドキドキした。
それだけ、
先の展開・箱の正体に期待して集中していたということだろう。

だが、ルイス夫妻の苦闘は一体何だったのか。
何もせずに手をこまねいていても、結果は同じだったのだ。

グロテスクな風貌のスチュワードに愛を感じたと告げるノーマ。
与えられた試験をクリアしたアーサー。
それが何の意味もなかったのだ。
"雇い主" があれだけ2人を右往左往させる意味が全く不明。

ジャンルとして "SF" を加えたが
登場人物がNASA関係者として宇宙に関わっているという程度。

スチュワードの体を乗っ取っている "雇い主" が何者なのか。
火星人なのか、稲妻を司る超知的生命体なのか
最後まで明かされることはない。

しかも、連中は積極的に地球を侵略するでもなく
人間の道徳心を試し、それに人類が打ち克たねば滅亡するだろう
とはこれ如何に。
あるいは、"雇い主" は
数が増えすぎ暴走する人間を戒める "神" だとでも言うのだろうか。

神であるなら、ルイス夫妻が許されてもいいはず。
やはり、彼ら2人を試した意味づけが出来ない。

箱を届ける対象がNASA関係者ばかりというのも
理由付けが欲しい。

"雇い主" のために働く "従業員" たちは
いかにして "従業員" になったのだろう。
スチュワード同様に、
一度死んだ人間の体に乗り移った仲間の生命体たち?

疑問が尽きない上に
キャメロンが
あの飛び切りの笑顔を一度も見せることなく死んでしまうのは
淋しいかぎり。

J・マースデンは小作りの顔だが、
なかなかセクシーな男優だと思った。

久しぶりにドキドキさせてくれたこと以外は
非常に不満の残る映画。

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『アザーズ』 [洋画(ア行)]

「アザーズ」(2001)★★☆☆☆40点
原題: THE OTHERS
監督: アレハンドロ・アメナーバル
製作: フェルナンド・ボバイラ、ホセ・ルイス・クエルダ、パーク・サンミン
製作総指揮: トム・クルーズ、リック・シュウォーツ、ポーラ・ワグナー、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン
脚本: アレハンドロ・アメナーバル
撮影: ハビエル・アギーレサロベ
衣装デザイン: ソニア・グランデ
編集: ナチョ・ルイス・カピヤス
音楽: アレハンドロ・アメナーバル
出演:
 ニコール・キッドマン(グレース・ステュワート)
 フィオヌラ・フラナガン(バーサ・ミルズ、使用人)
 エレイン・キャシディ(リディア、使用人)
 エリック・サイクス(エドマンド・タトル、庭師)
 アラキーナ・マン(アン・ステュワート、グレースの娘)
 ジェームズ・ベントレー(ニコラス・ステュワート、グレースの息子)
 クリストファー・エクルストン(チャールズ・ステュワート、グレースの夫)
 ルネ・アシャーソン(老婆)
 アレクサンダー・ヴィンス(ヴィクター・マーリッシュ)
 キース・アレン(マーリッシュ氏 )
 ミッシェル・フェアリー(マーリッシュ夫人)
 ゴードン・リード
 リカルド・ロペス
 アルド・グリーヨ
製作・ジャンル: 米国=スペイン=仏国/サスペンス・ホラー/104分

アザーズ [DVD]








第二次大戦末期の英国の孤島にある大屋敷を舞台に
そこに暮らす母子3人を見舞う霊的恐怖を扱った作品。

離婚直前だったT・クルーズが製作総指揮に加わっている。

子供たちの不満・主張はごく尤もなものだ。
型にはまり理屈の通らない物言いしかできないグレース。
子どもたちの疑問が
宗教にとどまらず、戦争に及ぶに至っては
作り手の意図の底流に
反戦論、あるいは反体制主義を垣間見る思いだ。

ミルズら3人の正体を知り、クローゼットに隠れる子供たち。
アナロジーとして
アンが、嫌っていた母親そっくりにニコラスを叱る様は可愛い。

冒頭からしつこく訴えつづけられる子供たちの光アレルギー。
せっかくのこの要素を
クライマックスへ導くきっかけとしてしか使わず
観客の恐怖心を煽る道具にしていないのは勿体ない。

ゴシックホラーと銘打つだけに
屋敷内の景色・雰囲気はとても重要な要素となるが
そういった装置・美術面は高く評価できると思う。

生者と死者、あるいはそれぞれの世界の逆転の発想は面白いが
ホラー映画という観点で言えば、
全く恐怖心を抱くことなく観終わってしまい、非常につまらなかった。

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『ウィズ』 [洋画(ア行)]

「ウィズ」(1978)★★★★90点
原題: THE WIZ
監督: シドニー・ルメット
製作: ロブ・コーエン
製作総指揮: ケン・ハーパー
原作: L・フランク・ボーム
原作戯曲: ウィリアム・F・ブラウン
脚本: ジョエル・シューマカー
撮影: オズワルド・モリス
特殊効果: アルバート・ホイットロック
特殊メイク: スタン・ウィンストン
音楽: チャーリー・スモールズ、クインシー・ジョーンズ
出演:
 ダイアナ・ロス(ドロシー)
 マイケル・ジャクソン(かかし)
 ニプシー・ラッセル(ブリキ男)
 テッド・ロス(ライオン)
 リチャード・プライアー(ウイズ、オズの魔法使い)
 レナ・ホーン(グリンダ、南の良い魔女)
 メイベル・キング(イヴリーン、西の悪い魔女)
 セルマ・カーペンター(ミス・ワン、魔女の一人)
 テレサ・メリット(エマ伯母さん)
 スタンリー・グリーン(ヘンリー伯父さん)
製作・ジャンル: 米国/ミュージカル・ファンタジー/134分

ウィズ [DVD]








名匠S・ルメットが
「オズの魔法使い」を素敵なミュージカル映画に仕上げた。

ディズニーチャンネルのため、吹替えで観たが
やはり知り合いの声が一杯聞こえてくると
その声優さん本人を思い出してちょっと醒めてしまったが…

冒頭、universal映画のクレジットをバックにした2小節の音楽は
ミュージカル「スターライト・エクスプレス」を思わせる。

かかしは登場のシーンで、カラスの前で吊るされたまま歌う。
マイケルを動かさずに歌わせるなんて、ああ何てもったいない!
マイケルは映画デビュー&脇役とあって
見せ場も少ないが
それでも、ダンスシーンではその才能の片鱗を覗かせている。

この映画を観たことがなくとも、一度は耳にしたことがあるだろう
名曲 "Ease On Down The Road" が始まると
私も体が自然にリズムをとる。

ブリキ男がいた遊園地のレリーフになりきった3人の女性が
コーラスで参加するのが面白い趣向。

心のないブリキ男が、亡き妻 "ティーニー" の名と叫んで流す涙。
アイドルの嘘泣きを連想した。

知恵のないかかしが
F・ベーコンにキケロ、孔子やシェイクスピア
などなど、偉人の知恵を表す名言を引用するのは愉快。

だからこそ、
"この世で確かなものは人と分かち合う友情である"
と、最後に自分の言葉で友情の大切さを語る姿が素敵だ。

イヴリーン役のM・キングは
その体格を生かした歌が迫力満点。

イヴリーンが溶けた後の喜びの歌とダンス。
その歓喜のシーンでD・ロスが事もなげに踏むステップにも
黒人のリズム感のよさと体のしなやかさを見てとることができる。

イヴリーンの奴隷となっていた人たちが
ぬいぐるみを脱いで、下着にまでなってしまうのはどうかと思ったが
下着の明るさと黒人の肌の色のコントラストが生まれて
ダンスを一層鮮やかに見せている。

♪Believe in Yourself♪ の歌詞は
とても感動的で希望に満ちた素晴らしい応援メッセージだ。
子どもよりも大人の胸に響く言葉ではないだろうか。

白人の血の混じっており
黒人にしては色の白いL・ホーンが
白から伝わる善のイメージを背負った魔女グリンダに扮しているのは
意図的で分かりやすい配役。

そのグリンダによってリプリーズされる ♪Believe in Yourself♪ と
ドロシーの ♪Home♪
ラスト2曲は、まさにこのミュージカルのクライマックス。

ドロシーが家を想って歌うラストの ♪Home♪。
ダイアナが涙を浮かべて歌い上げるが、
それは歌というより熱い魂の叫びであり
感激のあまり、私も涙を堪えきれなかった。

クライスラービル、イエローキャブ、地下鉄。
ブルックリン橋の向こうに広がる摩天楼がオズの宮殿。
旅の初めに
"ケシの花には気をつけて" と声をかけられるように
犯罪・麻薬をはじめ、社会的問題を今以上に抱えていたNY。
割れ窓理論を旗印に
ジュリアーニがNYの改革に乗り出す10年以上も前の話。

その危険な都市NYを舞台に選び、全員黒人キャストで演じることで
人種的なメッセージも受け取ることが出来る。

演じるには大人すぎるダイアナがドロシー役であることからも
少し大人のための「オズの魔法使い」という気がした。

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『イヴの総て』 [洋画(ア行)]

「イヴの総て」(1950)★★★★★100点
原題: ALL ABOUT EVE
監督: ジョセフ・L・マンキウィッツ
製作: ダリル・F・ザナック
脚本: ジョセフ・L・マンキウィッツ
撮影: ミルトン・クラスナー
音楽: アルフレッド・ニューマン
出演:
 ベティ・デイヴィス(マーゴ・チャニング、スター女優)
 アン・バクスター(イヴ・ハリントン)
 ジョージ・サンダース(アディソン・デウィット、劇評家)
 ゲイリー・メリル(ビル・シンプソン、演出家)
 セレステ・ホルム(カレン・リチャーズ、ロイドの妻)
 ヒュー・マーロウ(ロイド・リチャーズ、劇作家)
 グレゴリー・ラトフ(マックス・フェイビアン、プロデューサー)
 セルマ・リッター(バーディ・クーナン、マーゴの付き人)
 マリリン・モンロー(カズウェル)
 バーバラ・ベイツ(フィービー)
 ランディ・スチュアート(イヴの代わりに電話にかける女)
受賞:
 アカデミー賞
  ■作品賞
  ■助演男優賞 ジョージ・サンダース
  ■監督賞 ジョセフ・L・マンキウィッツ
  ■脚色賞 ジョセフ・L・マンキウィッツ
  ■衣装デザイン賞(白黒) EdithHead、CharlesLeMaire
  ■録音賞 20世紀FOXサウンド部
 カンヌ国際映画祭
  ■審査員特別賞 ジョセフ・L・マンキウィッツ
  ■女優賞 ベティ・デイヴィス
 NY批評家協会賞
  ■作品賞
  ■女優賞 ベティ・デイヴィス
  ■監督賞 ジョセフ・L・マンキウィッツ
 ゴールデン・グローブ賞
  ■脚本賞 ジョセフ・L・マンキウィッツ
 英国アカデミー賞
  ■作品賞(総合)
 アメリカ国立フィルム登録簿
  ■新規登録作品
製作・ジャンル: 米国/ドラマ/138分

イヴの総て [DVD]








主要俳優全員が素晴らしい演技を見せる。

B・デイヴィスの存在感たるや圧倒的。
まさにスターにふさわしい。
彼女の存在感なくして、この作品は成り立たない。
そして、かくのごとく
若手女優に役を奪われ、怒りに震えるベテラン女優の姿は
現実の世界にも珍しくない。

バーディ役のT・リッターは
山岡久乃ばりの風貌と演技は、特に私のお気に入り。

現在進行形の演劇賞授賞式で始まったあと
回想で語られる本編の冒頭。
楽屋口で出待ちするイヴを見た時点で
彼女が成功を手にするために姦計を企てる姿が想像できる。
想像できるのだが
その彼女を中心として描かれる人間ドラマが
とにかく見応えがあり面白い。

この作品の真の主役は
イヴでも、彼女を取り巻く人間たちでもなく
演劇界そのものである。
そして
演劇界の、そして俗世間のエッセンスが詰まっている。
イヴの総て、人間の業の総てと言ってもいいかもしれない。

演技はイマイチだが若く魅力的な女優役で登場するM・モンロー。
この作品後の彼女自身の活躍を暗示するかのようで
非常に興味深い。

G・サンダース演じるアディソンの、
酷いほどの冷徹な視線と言動は
守旧派のビル、マーゴ、カレン、ロイドたちとの距離感や
その本質を見抜いたイヴに対する彼の思惑を
的確に表現している。

敢えて欲を言うなら、
ビルとロイドの風貌が少し似ていることくらい。
明白なキャラクターの違いを求めるのは欲張りというもの。

勿論、素晴らしい作家と劇評家に
これほど運良く巡り合うことはまずないだろうし
イヴ本人に才能があればこそ、実現する物語だ。

"歴史は繰り返される" というラストも分かりやすい。

なぜ、もっと早く
この世界に入る頃に観なかったのか後悔するほどだ。
俳優を目指す諸君、是非これを観て参考にしなさい。

ちなみに、演劇賞のサラ・シドンズ賞。
サラ・シドンズは実在した18世紀を代表する英国人女優。
この映画公開当時、
その名を冠した演劇賞は劇中の創作でしかなかったが
この映画を機に、実際に授与されるようになったという。

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『アバウト・シュミット』 [洋画(ア行)]

「アバウト・シュミット」(2002)★★★★☆75点
原題: ABOUT SCHMIDT
監督・脚本: アレクサンダー・ペイン
製作: マイケル・ベスマン、ハリー・ギテス
製作総指揮: ビル・バダラート、レイチェル・ホロヴィッツ
原作: ルイス・ベグリー
脚本: ジム・テイラー
撮影: ジェームズ・グレノン
音楽: ロルフ・ケント
出演:
 ジャック・ニコルソン(ウォーレン・シュミット)
 キャシー・ベイツ(ロバータ・ハーツェル)
 ホープ・デイヴィス(ジーニー・シュミット)
 ダーモット・マローニー(ランドール・ハーツェル)
 ハワード・ヘッセマン(ラリー・ハーツェル)
 レン・キャリオー(レイ・ニコルス)
 ハリー・グローナー(ジョン)
 ジューン・スキッブ(ヘレン・シュミット)
 コニー・レイ(ヴィッキー)
受賞:
 LA批評家協会賞
  ■作品賞
  ■男優賞 ジャック・ニコルソン
  ■脚本賞 アレクサンダー・ペイン、ジム・テイラー
 ゴールデン・グローブ
  ■男優賞(ドラマ) ジャック・ニコルソン
  ■脚本賞 ジム・テイラー、アレクサンダー・ペイン
 放送映画批評家協会賞
  ■主演男優賞 ジャック・ニコルソン
製作・ジャンル: 米国/ドラマ・コメディ/125分

アバウト・シュミット [DVD]







定年を迎えた男の孤独を描いた映画。

J・ニコルソンが大衆の俗っぽさを体現している。

定年を迎え、後任の若者が無能に思え
長年連れ添った妻に苛立ちを覚える。

その妻が突然死すれば、その存在の大きさを感じて哀切を極める。
妻の使っていたコールドクリームを塗っては拭う様は愛らしい。

と思えば、妻の浮気の証拠たる手紙を見つけ
妻の遺品を一掃し、浮気相手と分かった親友を殴りつける。

娘の婚約相手が間抜けなことに反対だが
疎遠だった娘は聞かない。

一念発起、承諾も得ずに娘のもとへ向かえば拒絶される。
一人旅では
自分の孤独を理解してくれた女性に甘えそこねて逃げ去る。

娘婿の家族はどこかねじの緩んだ者ばかり。
挙句、婿の母親に誘惑される。
その母親で、臆することなく老体を晒すK・ベイツに
男気というか、プロ意識を感じる。
さすがはベテラン女優、ベイツここにあり。

ウォーレンの心配をよそに結婚していく娘。
結婚式でも
自分の怒りや不満をぶちまけることもなく、良き父親を演じきる。

ぶざまで、切なく、悲しく、滑稽で
何とも人間的だ。
人はそんなに簡単に生き方を変えられない。
考え方など、まず変わることはない。
変えられるのは、唯一俗に塗れていない純粋な人間との出会い。
それが、自身が養父となったタンザニアの6歳の男の子だ。

孤独で、周りからは偏屈だと思われる存在でも
頼ってくれる人間がいる。
人が老いの中に抱く言い知れぬ孤独を丁寧に描いた良作。

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『オーシャンズ11』 [洋画(ア行)]

「オーシャンズ11」(2001)★★★☆☆60点
原題: OCEAN'S ELEVEN
監督・撮影: スティーヴン・ソダーバーグ
製作: ジェリー・ワイントローブ
製作総指揮: スーザン・イーキンス、ジョン・ハーディ、ブルース・バーマン
原案: ジョージ・クレイトン・ジョンソン
脚本: テッド・グリフィン
オリジナル脚本: チャールズ・レデラー、ハリー・ブラウン
音楽: デヴィッド・ホームズ
出演:
 ジョージ・クルーニー(ダニー・オーシャン)
 ブラッド・ピット(ラスティー・ライアン)
 ジュリア・ロバーツ(テス・オーシャン)
 マット・デイモン(ライナス・コールドウェル)
 アンディ・ガルシア(テリー・ベネディクト)
 ドン・チードル(バシャー・ター)
 エリオット・グールド(ルーベン・ティシュコフ)
 カール・ライナー(ソール・ブルーム)
 ケイシー・アフレック(バージル・マロイ)
 スコット・カーン(ターク・マロイ)
 エディ・ジェイミソン(リビングストン・デル)
 バーニー・マック(フランク・カットン)
 シャオボー・クィン(イエン)
製作・ジャンル: 米国/アクション・コメディ・クライム/116分

オーシャンズ11 特別版 [DVD]








「オーシャンと十一人の仲間」のリメイク。

シナトラ・ファミリーによるオリジナルにあやかって
ハリウッドの人気スターのドリーム・チームでキャストを固めた。

主要な俳優陣の実力は世間に良く知れたところ。
ストーリー重点のクライム映画だけに
よほどひどい演技でもしないかぎり、俳優に不可はつかない。

ベネディクトを絡めたダニー vs テスの関係が
ドラマといえばドラマの部分。
テスについては、もっとウェットな魅力のある女優がいいが
これは私の好み。

プロジェクト成功。
オリジナルのように、苦労が水の泡って方が好き。
それをさばさばと受け入れて帰途につく大人の作りがいい。
本作は続編前提だから、次作の伏線として必要なエンディング。

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『オーシャンズ12』 [洋画(ア行)]

「オーシャンズ12」(2004)★★★☆70点
原題: OCEAN'S TWELVE
監督: スティーヴン・ソダーバーグ
製作総指揮: スーザン・イーキンス、ジョージ・クルーニー、ブルース・バーマン
脚本: ジョージ・ノルフィ
撮影: クリス・コニアー 、ピーター・アンドリュース
音楽: デヴィッド・ホームズ
出演:
 ジョージ・クルーニー(ダニー・オーシャン)
 ブラッド・ピット(ラスティー・ライアン)
 ジュリア・ロバーツ(テス・オーシャン)
 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(イザベル・ラヒリ)
 マット・デイモン(ライナス・コールドウェル)
 アンディ・ガルシア(テリー・ベネディクト)
 ヴァンサン・カッセル(フランソワ・トゥルアー)
 ドン・チードル(バシャー・ター)
 エリオット・グールド(ルーベン・ティシュコフ)
 カール・ライナー(ソール・ブルーム)
 ケイシー・アフレック(バージル・マロイ)
 スコット・カーン(ターク・マロイ)
 エディ・ジェイミソン(リビングストン・デル)
 バーニー・マック(フランク・カットン)
 シャオボー・クィン(イエン)
 ブルース・ウィリス(本人)
 アルバート・フィニー(ギャスパー・ルマルク)
製作・ジャンル: 米国/アクション・コメディ・クライム/125分

オーシャンズ 12 [DVD]








「オーシャンズ11」の続編。

前作と同じ布陣。
テスを仲間に加えて12人。
ベネディクトに前作で盗み出した金の返還を要求され
その返済額を稼ぐために
舞台をヨーロッパに移し、稀代の大泥棒 "ナイトフォックス" と対決。
ラスティーの恋人役にゼタ=ジョーンズ、
ナイトフォックスにV・カッセルを迎えた。

執拗な復讐を受けることを覚悟して盗み出したはずなのに
あっさり返金する話になっているのが解せない。

ナイトフォックスが "ファベルジェの卵" を盗み出すカラクリは
そんなのありって感想。
ちょっと発想が安易で、こじつけ的。
しかも、手ぶらの行きはいいけど、
卵抱えてあんな超人的な動きはできないだろう。
作り手も無理だと分かっているから、
現にそのくだりは映像化していない。
おまけに決着にまつわる種明かしもこじつけに感じる。
盛り上がるはずの泥棒対決ですっかり肩透かしを食らった。

イザベルとラスティーの関係の描き方が浅い。
イントロが2人で始まるわけだし
色気のあるカップルの愛憎を観客はもっと見たいはず。
冒頭から、
イザベルはいずれオーシャン側につくのでは
と、推測できるから尚更だ。

ハリウッド・オールスター・キャストが目玉のこのシリーズ。
本作は、B・ウィリスを本人役で絡めてきた。
一興と言えば一興だが、
折角だから、タブロイド紙的・芸能ネタ的な絡めかた見たかった。

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『オーシャンズ13』 [洋画(ア行)]

「オーシャンズ13」(2007)★★★☆☆60点
原題: OCEAN'S THIRTEEN
監督・製作総指揮: スティーヴン・ソダーバーグ
製作: ジェリー・ワイントローブ
製作総指揮: スーザン・イーキンス、ジョージ・クルーニー、ブルース・バーマン、グレゴリー・ジェイコブズ、フレデリック・W・ブロスト
脚本: ブライアン・コッペルマン、デヴィッド・レヴィーン
撮影: ピーター・アンドリュース
プロダクションデザイン: フィリップ・メッシーナ
衣装デザイン: ルイーズ・フログリー
音楽: デヴィッド・ホームズ
出演:
 ジョージ・クルーニー(ダニー・オーシャン)
 ブラッド・ピット(ラスティー・ライアン)
 マット・デイモン(ライナス・コールドウェル)
 アンディ・ガルシア(テリー・ベネディクト)
 アル・パチーノ(ウィリー・バンク)
 エレン・バーキン(アビゲイル・スポンダー)
 ドン・チードル(バシャー・ター)
 エリオット・グールド(ルーベン・ティシュコフ)
 カール・ライナー(ソール・ブルーム)
 ケイシー・アフレック(バージル・マロイ)
 スコット・カーン(ターク・マロイ)
 エディ・ジェイミソン(リビングストン・デル)
 バーニー・マック(フランク・カットン)
 シャオボー・クィン(イエン)
 ヴァンサン・カッセル(フランソワ・トゥルアー)
 エディ・イザード(ローマン・ネーゲル)
 ジュリアン・サンズ(グレコ・モンゴメリー)
 オプラ・ウィンフリー(本人)
製作・ジャンル: 米国/アクション・コメディ・クライム/122分

オーシャンズ13 [DVD]








「オーシャンズ11」「オーシャンズ12」につづくシリーズ第3弾。

仲間の一人ルーベンが、
ホテル王バンクに騙され病に倒れることをきっかけに
復讐劇を展開する。

女性陣が撤退した代わりに
オーシャンたちが助言を求めるプログラマーのローマンと
かつての敵で資金提供の依頼先となるベネディクトを加えて13人。
女性2人を使わなかったのは何故だろう?
契約トラブル?
それとも、純粋に復讐劇には不要と踏んだ?

ナイトフォックスが前作に続いて登場するが
今回は、ベネディクトの手下的存在に降格されている。

敵役バンクにパチーノを持ってきて
バンクのことを良く思っていないアンディ演じるベネディクトが
オーシャン側に回るというのは
「ゴッドファーザー」を連想させる意図的キャスティング。

オプラがカメオ出演。

あのイケメン俳優、J・サンズが
こんなちゃちな役で出演しているのは、ちとショック。

シリーズすべてに共通するが
先進技術が発達し、昔よりスケールが大きく、
かつ現実離れした騙しの仕掛けになっている。
今回も
地震を起こすなんてちょっとピンとはずれな感じでついていけない。
技術に頼って仕掛けが大掛かりな分、
「スティング」に見られるような、
心理戦のサスペンスやどんでん返しのインパクトが薄い。

作品の性格上も、キャスティングも、お祭り的色彩が強い企画だから
そういった側面を楽しむべし。

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『オーシャンと十一人の仲間』 [洋画(ア行)]

「オーシャンと十一人の仲間」(1960)★★★☆☆60点
原題: OCEAN'S ELEVEN
監督・製作: ルイス・マイルストン
原作: ジョージ・クレイトン・ジョンソン
脚本: チャールズ・レデラー、ハリー・ブラウン
撮影: ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽: ネルソン・リドル
タイトルデザイン: ソウル・バス
出演:
 フランク・シナトラ(ダニー・オーシャン)
 ディーン・マーティン(サム・ハーモン)
 リチャード・ベネディクト("カーリー"・ステファンズ)
 ピーター・ローフォード(ジミー・フォスター)
 リチャード・コンテ(アンソニー・レイモンド・バーグドーフ、"トニー")
 ヘンリー・シルヴァ(ロジャー・コーニール)
 サミー・デイヴィス・Jr(ジョシュ・ハワード)
 バディ・レスター(ヴィンス・マスラー)
 ジョーイ・ビショップ("ムッシー"・オコナーズ)
 ノーマン・フェル(ピーター・ライマー)
 クレム・ハーヴェイ(ルイス・ジャクソン)
 シーザー・ロメロ(サントス公爵)
 アンジー・ディキンソン(ベアトリス・オーシャン)
 パトリス・ワイモア
 エイキム・タミロフ
 イルカ・チェイス
 ジーン・ウィルス
 シャーリー・マクレーン
製作・ジャンル: 米国/クライム・アクション/130分

オーシャンと11人の仲間 特別版 [DVD]








冒頭のタイトルデザインがイカしている。
11人すべてがスター扱いでないからだろうが
カウントされる数字それぞれに、
主演どころだけでなく、
仲間を演じる俳優全員がクレジットされるといいのに。

F・シナトラ、D・マーティン、S・デイヴィス・Jr。
当時のミュージックシーンでトップを飾るこの面々は
映画界でも確固たる地位を築いていた。

劇中、デイヴィスやマーティンらは歌も披露するが
ついでに、デイヴィスの華麗なステップも見たいところ。

材料も情報も増えた現代からすれば
半世紀も前の犯罪テクニックが極めて単純に見えるのは当然。

とはいえ、
仲間が集まるまでに時間をかけすぎで
準備工作にもっと時間を割いてほしいと感じる。

埋葬が普通のアメリカで
会葬者に話もなく、火葬に回されることには??だが
"チャンチャン" という最後のアッサリさに感服。
台詞もなく、クレジットが流れ出すなんて最高に気持ちいい。

クライム映画だが
クライムサスペンスとは無縁のアットホームな
キャスティング的にも内容的にも、文字通り "お仲間" 映画。

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