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『いつか晴れた日に』 [洋画(ア行)]

「いつか晴れた日に」(1995)★★★★★100点
原題: SENSE AND SENSIBILITY
監督: アン・リー
製作: リンゼイ・ドーラン
製作補: ジェームズ・シェイマス
製作総指揮: シドニー・ポラック
原作: ジェーン・オースティン『分別と多感』
脚本: エマ・トンプソン
撮影: マイケル・コールター
美術: ルチャーナ・アリギ
衣装: ジェニー・ビーヴァン、ジョン・ブライト
音楽: パトリック・ドイル
出演:
 エマ・トンプソン(エリノア・ダッシュウッド)
 ケイト・ウィンスレット(マリアンヌ・ダッシュウッド)
 アラン・リックマン(ブランドン大佐)
 ヒュー・グラント(エドワード・フェラーズ)
 グレッグ・ワイズ(ジョン・ウィロビー)
 エミリー・フランソワ(マーガレット・ダッシュウッド)
 ジェマ・ジョーンズ(ダッシュウッド夫人)
 イモジェン・スタッブス(ルーシー)
 ロバート・ハーディ(ジョン・ミドルトン卿)
 エリザベス・スプリッグス(ジェニングス夫人)
 ヒュー・ローリー(パーマー氏)
 イメルダ・スタウントン(シャーロット・パーマー)
 ハリエット・ウォルター(ファニー)
 トム・ウィルキンソン(ダッシュウッド氏)
 ジェームズ・フリート(ジョン・ダッシュウッド)
受賞:
 アカデミー賞
  ■脚色賞 エマ・トンプソン
 ベルリン国際映画祭
  ■金熊賞 アン・リー
 NY批評家協会賞
  ■監督賞 アン・リー
  ■脚本賞 エマ・トンプソン
 LA批評家協会賞
  ■脚本賞 エマ・トンプソン
 ゴールデン・グローブ
  ■作品賞(ドラマ)
  ■脚本賞 エマ・トンプソン
 英国アカデミー賞
  ■作品賞
  ■主演女優賞 エマ・トンプソン
  ■助演女優賞 ケイト・ウィンスレット
 放送映画批評家協会賞
  ■作品賞監督 アン・リー
製作・ジャンル: 英国=米国/ドラマ・ロマンス/136分

いつか晴れた日に [DVD]








19世紀初めの英国を舞台にした
J・オースティンの名作 "Sense and Sensibility" の映画化。
主演のエマ・トンプソンが脚色を担当。
英国を代表する豪華な俳優陣の競演も見もの。

情熱的な次女・マリアンヌをK・ウィンスレットが熱演。
耐える長女エリノアとのコントラストは見事。

つねに影からマリアンヌを想い、一家を助けるブランドン大佐。
そのブランドンが、作品前半のウィロビーと同じように
雨に倒れたマリアンヌを抱えて帰ってくるのは、素敵なアナロジー。
マリアンヌの回復を確認した彼が扉を閉めて出て行くとき
マリアンヌが初めて心からの "ありがとう" を告げる。
ブランドンの想いが報われる熱い瞬間である。
A・リックマンにスタンディング・オヴェーションだ。

ラストエピソード。
エドワードが "まだ未婚です" と答えるのを聞き、嗚咽するエリノア。
何度観ても、もらい泣きしてしまう美しい感動シーン。
そして、求婚するカットを撮らず、
それを覗き見るマーガレットの第三者の言葉に託すところは
監督の "sense(センス) & sensibility(感受性)" を感じる演出。
観ている者も幸せになる。

ダッシュウッド家の兄嫁ファニーやウォロビーなど
敵役を演じる役者たちも堅実に役を全うしている。
結婚式をはるか遠くの丘から見つめるウィロビー。
一瞬だがとても意味を持つショット。

一つ前のカットで The End となっていると
いかにも "晴れた日に" となるのだが
「いつか~」というのは邦題であり、これは私のたわごと。

魅力を語りつくせぬ、情感たっぷりの文芸作品の最高峰。
アン・リー監督と仕事ができる俳優たちを羨ましく思う。
それくらい私は彼に心酔している。

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『ウォーク・トゥ・リメンバー』 [洋画(ア行)]

「ウォーク・トゥ・リメンバー」(2002)★★★☆70点
原題: A WALK TO REMEMBER
監督: アダム・シャンクマン
製作: デニーズ・ディ・ノヴィ、ハント・ロウリー
製作総指揮: E・K・ゲイロード2世、ビル・ジョンソン、ケイシー・ラ・スカラ、エドワード・L・マクドネル
原作: ニコラス・スパークス
脚本: カレン・ジャンツェン
撮影: ジュリオ・マカット
音楽: マーヴィン・ウォーレン
出演:
 マンディ・ムーア(ジェイミー・サリバン)
 シェーン・ウェスト(ランドン・カーター)
 ピーター・コヨーテ(サリバン牧師、ジェイミーの父)
 ダリル・ハンナ(シンシア・カーター)
 デヴィッド・リー・スミス(カーター医師)
 アル・トンプソン(エリック)
 ローレン・ジャーマン(ベリンダ)
 ジョナサン・パークス・ジョーダン(ウォーカー)
 クレイン・クロフォード(ディーン)
 パス・デ・ラ・ウエルタ(トレーシー)
 マット・ルッツ(クレイ・ゲッパード)
 マリサ・ミラー(ガーバー先生)
 デヴィッド・アンドリュース
 エリック・スミス
受賞:
  MTVムービー・アワード
   ■ブレイクスルー演技賞(女優) マンディ・ムーア
製作・ジャンル: 米国/青春・ロマンス・ドラマ/102分

ウォーク・トゥ・リメンバー [DVD]








アンジェリーナ・ジョリーの素朴版といった感じの
マンディ・ムーアが主役を好演。

ジェイミーがリストアップしている夢を
一つずつ叶えていくランドンの
恋人を想う真っすぐさが気持ちいい。

ジェイミーの自宅治療費を負担してくれた父親に
礼を言いに行くシーンでは
初めて大泣きするランドンに観ている私も涙をこらえきれず。

"愛は風と同じ。目に見えないけど、感じることができる"
穢れを知らない若者が口にすると、
くさい台詞にならず素直に受け取れる。

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『荊の城』 [洋画(ア行)]

「荊の城」(2005)★★★★☆75点
原題: FINGERSMITH
監督: エイスリング・ウォルシュ
製作: ジョージナ・ロウ
製作総指揮: サリー・ヘッド
原作: サラ・ウォーターズ『荊(いばら)の城』
脚本: ピーター・ランスリー
撮影: サイモン・コソフ
プロダクションデザイン: マルコム・ソーントン
衣装デザイン: スザンナ・バクストン
出演:
 サリー・ホーキンス(スーザン・トリンダー、"スー")
 エレイン・キャシディ(モード・リリー)
 ルパート・エヴァンス(リチャード・リバース、"ジェントルマン")
 チャールズ・ダンス(クリストファー・リリー)
 デヴィッド・トラウトン(イッブス氏)
 イメルダ・スタウントン(サックスビー夫人)
 スティーヴン・ワイト(チャールズ)
 リチャード・ダーデン(ホートレイ氏)
 ニック・ルーカス( フス氏)
 ローラ・ドス・サントス(アグネス)
 ウィリアム・オリヴァー(グレイヴズ医師)
 ブロンソン・ウェッブ(ジョン・ヴルーム)
 サム・グレアム(クリスティー医師)
 サラ・バデル(フロビッシャー夫人)
 ポリー・ヘミングウェイ(スタイルズ夫人)
 ステファニー・ミドルトン(幼少期の "スー")
 タルーラ・ピット=ブラウン(幼少期のモード)
製作・ジャンル: 英国/ミステリー・ドラマ/180分

荊の城 [DVD]








ブッカー賞候補にもなったミステリーをBBCでドラマ化されたもの。
前・後編各90分の大作で、
前編の終わりで一つ目のどんでん返しが明らかになる。

後編早く見せてよ、と観るものを引き込む、
テレビのCMまたぎみたいな構成が憎い。

原作に忠実なのだろうが、
いざ後編になるとあまりドラマチックな展開はなく
(一応、第2のどんでん返しがあるのだが)
期待していただけにちょっとテンションが下がる。

エレイン・キャシディの演技は素晴らしい。

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『L.A.コンフィデンシャル』 [洋画(ア行)]

「L.A.コンフィデンシャル」(1997)(再)★★★★☆80点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: L.A. CONFIDENTIAL
監督・脚本・製作: カーティス・ハンソン
製作: アーノン・ミルチャン、マイケル・ネイサンソン
脚本・共同製作: ブライアン・ヘルゲランド
製作総指揮: ダン・コルスラッド、デヴィッド・L・ウォルパー
原作: ジェームズ・エルロイ
撮影: ダンテ・スピノッティ
プロダクションデザイン: ジェニーン・オッペウォール
美術: ウィリアム・アーノルド
衣装デザイン: ルース・マイヤーズ
キャスティング: マリ・フィン
音楽: ジェリー・ゴールドスミス
舞台装置: ジェイ・R・ハート
出演:
 ラッセル・クロウ(バド・ホワイト)
 ガイ・ピアース(エド・エクスリー)
 ケヴィン・スペイシー(ジャック・ヴィンセンス)
 ジェームズ・クロムウェル(ダドリー・スミス)
 キム・ベイシンガー(リン・ブラッケン)
 ダニー・デヴィート(シド・ハッジェンス)
 デヴィッド・ストラザーン(ピアース・モアハウス・パチェット)
 ロン・リフキン(エリス・ローウ)
 マット・マッコイ(ブレット・チェイス、'Badge of Honor'の主役)
 ポール・ギルフォイル(ミッキー・コーエン)
 サイモン・ベイカー=デニー(マット・レイノルズ)
 グレアム・ベッケル(ディック・ステンスランド)
 パオロ・セガンティ(ジョニー・ストンパナート)
 アンバー・スミス(スーザン・レファーツ)
 ブレンダ・バーキ(ラナ・ターナー)
受賞:
 アカデミー賞
  ■助演女優賞 キム・ベイシンガー
  ■脚色賞 カーティス・ハンソン、ブライアン・ヘルゲランド
 全米批評家協会賞
  ■作品賞
  ■監督賞 カーティス・ハンソン
  ■脚本賞 カーティス・ハンソン、ブライアン・ヘルゲランド
 NY批評家協会賞
  ■作品賞
  ■監督賞 カーティス・ハンソン
  ■脚本賞 カーティス・ハンソン、ブライアン・ヘルゲランド
 LA批評家協会賞
  ■作品賞
  ■監督賞 カーティス・ハンソン
  ■脚本賞 ブライアン・ヘルゲランド、カーティス・ハンソン
  ■撮影賞 ダンテ・スピノッティ
 ゴールデン・グローブ
  ■助演女優賞 キム・ベイシンガー
 英国アカデミー賞
  ■編集賞
  ■音響賞
 放送映画批評家協会賞
  ■作品賞
  ■脚色賞 カーティス・ハンソン、ブライアン・ヘルゲランド
製作・ジャンル: 米国/サスペンス・クライム/138分

L.A.コンフィデンシャル [DVD]








面白かったという印象があったのに、結構話を忘れていた。
自分の記憶力にちょっとがっかりだ。

改めて見直したわけだが、やっぱり面白い。
警察を舞台にしたクライム・サスペンスとしては
かなり完成度の高い映画。
映画・舞台など、台本が7, 8割の比重を占めるというのが自論だが
この映画も同様に、
J・エルロイの原作小説に拠るところが大きいと思う。

ファーストクレジットとなっているケヴィン・スペイシーを
映画半ばで殺されてしまうような役どころで使っているのも贅沢だ。

死んだと思えたラッセル・クロウが生きているのは嬉しい裏切り。
エリート刑事がはまったガイ・ピアースが、
この映画だけの一発屋になってしまったのは、残念でもあり
ちょっと影の薄さを考えると納得でもあり。

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『女は女である』 [洋画(ア行)]

「女は女である」(1961)★★★★☆90点
原題: UNE FEMME EST UNE FEMME
監督:ジャン=リュック・ゴダール
原案:ジュヌヴィエーヴ・クリュニ
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ラウール・クタール
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:
 ジャン=ポール・ベルモンド(アルフレッド・ルビッチ)
 アンナ・カリーナ(アンジェラ)
 ジャン=クロード・ブリアリ(エミール・レカミエ)
 マリー・デュボワ(アンジェラの友人)
 ジャンヌ・モロー(バーの女)
 カトリーヌ・ドモンジョ(ザジ)
受賞:
 ベルリン国際映画祭
  ■銀熊賞 ジャン=リュック・ゴダール
  ■女優賞 アンナ・カリーナ
製作・ジャンル: 仏国=伊国/コメディ・ドラマ/84分

女は女である HDリマスター版 [DVD]








ゴダール初のカラー作品であり、
コケティッシュなヒロインを演じるアンナ・カリーナの
赤い靴下や青いアイシャドーなど、鮮やかな色彩も印象的。

作品全編を飾る洒落た音楽は、
後に『シェルブールの雨傘』で名を上げるM・ルグラン。

間の多くを音楽や歌で埋めている。
ベルモンド(JP)が観客に向かって「と言って去る」なんて解説
JPとホテルの借金取りの別れ際の掛け合い
などなど、舞台ミュージカル的演出。

ゴダールの演劇的手法によって
"歌い上げないミュージカル"
とも言うべき独特のスタイルで築いている。

今のパリジェンヌがどんなだか知らないが
人も町もこの時代のフランスは、特に粋だと思う。
美しい無駄とでも言おうか、
機能主義一点張りの現代が失くしたゆとりがここにはあふれている。

ちょっと意外だったが
フランス語のrの発音って、フランス人にも苦手な人がいるんだな。

子どもの件で揉めたアンジェラとエミールに呼ばれたアルフレッドが
"テレビで「勝手にしやがれ」を観たい" から早くしてくれと言う。
'59年にヌーヴェル・ヴァーグの最高傑作と言える同作主演のJPに
監督自らこの一言を言わせるのはおしゃれ。

エールか揶揄か
"わが友バート・ランカスター" という
60年代ヨーロッパでも活躍していたランカスターに向けた台詞も
ウィットが利いている。

リュマニテ(仏共産党の機関紙)に歌手のアズナブール
飛び出す名前も時代感もたっぷり。

口を利かないと宣言した二人が
本のタイトルを使って罵り合いを繰り広げるのも愉快だな。

とにかく、アンジェラの演技には遊びがあふれている。
卵をフライパンから投げる、電話をとる、フライパンで受ける。
でもって、声色を変えての会話とかね。

2人の男と付き合っていた女が手紙を間違える話、好きだな。
一度使ってみたくなる。

JPがバーで金を借りるくだり。
質問にノンと答えたら1万フラン貸してくれ、って前置きで始まる。
そしてその質問はと言えば、「1万フラン貸してくれ」という質問!

演劇の第一要素、"繰り返し" で成り立つ会話。
舞台俳優としては最高に面白い。

最後の妊娠の話はちょっと理解できないが
ユーモアとウィット満載で、この時代のフランスが大好きになる。

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『赤と黒』 [洋画(ア行)]

「赤と黒」(TV)(1997)★★★★85点
原題: LE ROUGE ET LE NOIR
監督: ジャン=ダニエル・ヴェラーグ
原作: スタンダール『赤と黒』
脚本・台詞: ダニエル・トンプソン
脚本: ジャン=ダニエル・ヴェラーグ
音楽: フィリップ・サルド
出演:
 キャロル・ブーケ(レナール夫人)
 キム・ロッシ・スチュアート(ジュリアン・ソレル)
 ジュディット・ゴドレーシュ(マチルド・ラ・モール)
 クロード・リッシュ(ラ・モール侯爵)
 ベルナール・ヴェルレー(レナール町長)
 モーリス・ギャレル (シェラン神父)
 ルディガー・フォグラー(ピラール神父)
 Francesco Acquaroli(アルテミア伯爵)
製作・ジャンル: 仏国=伊国/ドラマ/200分


赤と黒 [DVD]









フランス制作のスタンダールの大作のテレビドラマ化。

主役ジュリアンを演じるキム・ロッシ・シュチュアートが
とにかく端正な美男。
この役にピッタリはまっている。

彼に限らず、
演技の上手さだけでなく、キャスティングの妙が見事に働いている。

キャロル・ブーケの上品な色気も
2人の情愛を盛りたてる大きな要素。

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『逢びき』 [洋画(ア行)]

「逢びき」(1945)(再)★★★★★100点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: BRIEF ENCOUNTER
監督・脚本: デヴィッド・リーン
製作・脚本: アンソニー・ハヴロック=アラン、ロナルド・ニーム
原作・脚本・製作: ノエル・カワード
撮影: ロバート・クラスカー
音楽指揮: ミュア・マシースン
出演:
 セリア・ジョンソン(ローラ)
 トレヴァー・ハワード(アレック・ハーヴィ)
 スタンリー・ホロウェイ(アルバート)
 ジョイス・ケアリー(マートル)
 エヴァリー・グレッグ(ドリー)
 シリル・レイモンド(フレッド)
受賞:
 カンヌ国際映画祭
  ■グランプリ デヴィッド・リーン
  ■批評家賞 デヴィッド・リーン
 NY批評家協会賞
  ■女優賞 セリア・ジョンソン
製作・ジャンル: 英国/ドラマ・ロマンス/86分

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D・リーン監督の名作。
俳優・戯曲家・音楽家・演出家などなど、
どの分野においても天才振りを発揮した
ノエル・カワードの同名戯曲の映画化。

20年ぶりに鑑賞。
日本が第2次大戦に負けて瓦礫に埋もれていたころ
英国ではこんな素晴らしい芸術が息づいていたかと思うと驚きだ。

不倫・離婚に麻痺した現代日本人が、
この映画の素晴らしさを理解できないとしたら慟哭の思いだ。

S・ローレンとR・バートン主演による
'74製作のリメイク版も見たことがあるが
ローレンが幸福な日常を送る一般的な主婦に見えず
一線を越えられず不実に悩む女性という役どころと相容れない
扇情的な部分を払拭できなかった。

このオリジナル版に感慨を覚える人には
是非カワードの戯曲集を手にしてほしい。

『アポカリプト』 [洋画(ア行)]

「アポカリプト」(2006)(再)★★★★★95点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: APOCALYPTO
監督・製作・脚本: メル・ギブソン
製作: ブルース・デイヴィ
製作総指揮: ヴィッキー・クリスチャンセン、ネッド・ダウド
脚本: ファラド・サフィニア
撮影: ディーン・セムラー
プロダクションデザイン: トム・サンダース
衣装デザイン: マイエス・C・ルベオ
編集: ジョン・ライト
音楽: ジェームズ・ホーナー
出演:
 ルディ・ヤングブラッド(ジャガー・パウ)
 ダリア・エルナンデス(セブン)
 ジョナサン・ブリューワー(ブランテッド)
 ラオール・トゥルヒロ(ゼロ・ウルフ)
 モリス・バードイエローヘッド(フリント・スカイ)
 ジェラルド・タラセナ(ミドル・アイ)
 ルドルフォ・パラシオス(スネーク・インク)
 フェルナンド・エルナンデス(高僧)
製作・ジャンル: 米国/アクション・アドベンチャー・ドラマ/138分

アポカリプト [DVD]








マヤ文明の部族闘争に見るアクション(?)ドラマ大作。

冒頭の狩りやオーラスの逃亡シーンは
様々なカメラアングルを駆使して、臨場感たっぷり。
変わり映えしない近代戦争の戦闘描写に
すっかり飽きていた私は引き込まれた。

血が大の苦手な私から見ても
R-15指定を受けるほど、グロテスクな暴力描写とは思えない。

強権部族の儀式における演説は、
ナチスドイツを率いたヒトラーを揶揄しているよう。
また、ここで捕虜たちが生け贄台に横たわるところは
監督のM・ギブソンが主演・監督を務めた「ブレイブハート」で
主人公・ウォレスが処刑されるシーンを思い起こさせる。

マヤ文明の史実には暗いが、
マヤの名を借りて、近代西洋文明を批判しているようだ。

冒頭の狩りのシーンもきちんと数々の伏線となり、
緻密に計算された作品。
ちょっと計算されすぎていて、
先が読めてしまうシークエンスが多いといえば多いが。
ネイティブアメリカン系のルディ・ヤングブラッドが主役を好演。

私がM・ギブソンの大ファンだということを差し引いても
かなりの秀作と言っていい。

欲を言えば、
足元は映らないが、靴を履いて走っていると分かる足音と
作り物の黒豹をもう少しうまく処理できなかったかと言う点。

『運命の女』 [洋画(ア行)]

「運命の女」(2002)★★☆☆50点
原題: UNFAITHFUL
監督・製作: エイドリアン・ライン
製作: G・マック・ブラウン
製作総指揮: ローレンス・スティーヴン・メイヤーズ、アーノン・ミルチャン、ピエール・リシャール・ミラー
原案: クロード・シャブロル
脚本: アルヴィン・サージェント、ウィリアム・ブロイルズ・Jr
撮影: ピーター・ビジウ
音楽: ジャン・A・P・カズマレック
出演:
 ダイアン・レイン(コニー・サムナー)
 リチャード・ギア(エドワード・サムナー)
 オリヴィエ・マルティネス(ポール・マーテル)
 エリック・パー・サリヴァン(チャーリー・サムナー)
 チャド・ロウ(ビル・ストーン)
 ケイト・バートン(トレーシー)
 ドミニク・チアニーズ(フランク・ウィルソン)
 マーガレット・コリン(サリー)
 ジェリコ・イヴァネク(ディーン刑事)
 ミシェル・モナハン(リンゼイ)
 マイケル・エマーソン(ジョシュ)
受賞:
 全米批評家協会賞
  ■主演女優賞 ダイアン・レイン
 NY批評家協会賞
  ■女優賞 ダイアン・レイン
製作・ジャンル: 米国/サスペンス・ドラマ/124分

運命の女 [DVD]








どの登場人物に関しても
心理描写が中途半端というか、不十分というか。

R・ギアやD・レインが素敵なだけに、残念至極。

ラストを警察署の前というオチにしてもいいけど
オチへの導入が唐突すぎる感じがする。

はっきり言えること。
ダイアンは歳とってホント、格段によくなったなあ。

『エル・マリアッチ』 [洋画(ア行)]

「エル・マリアッチ」(1992)★★★☆65点
原題: EL MARIACHI
監督・製作・原案・脚本・撮影: ロバート・ロドリゲス
製作: カルロス・ガラルドー
音楽: マーク・トルエーロ、アルバロ・ロドリゲス、ファン・スアレス、セシリオ・ロドリゲス、エリック・ガスリー
出演:
 カルロス・ガラルド(エル・マリアッチ)
 コンスエロ・ゴメス(ドミノ)
 ジェイム・デ・ホヨス(ビゴトン)
 ピーター・マルカルド(モーリシオ)
 レイノル・マルティネス(アズール)
 ラミロ・ゴメス(カンティネロ)
受賞:
 インディペンデント・スピリット賞
  ■新人作品賞 カルロス・ガラルド(製作)、ロバート・ロドリゲス(監督/製作)
 サンダンス映画祭
  ■観客賞
 ドーヴィル映画祭
  ■観客賞
製作・ジャンル: 米国/アクション/80分

エル・マリアッチ コレクターズ・エディション [DVD]








7000ドルという超低予算で製作された映画。

製作はもちろん、
監督・脚本・撮影まで手がけた
ロバート・ロドリゲスの情熱は凄い!

この成功が、
続編「デスペラード」でのバンデラス人気を得て
さらにヒットしたシリーズ第一弾。

バンデラスに取って代わられる
C・ガラルドの優男の風貌が
純真なマリアッチ("歌手"というスペイン語)にマッチしている。

続編で復讐鬼と化した時点ならともかく
導入作となるこの映画では、
バンデラスのようなごっつい感じは主人公のキャラに合わない。
(実際のバンデラスにサインしてもらったことがあるが、
イメージに反して彼は非常に背が低い)

アズール役のR・マーティネスの存在感たっぷり。
もっとうまく筋に絡ませることができなかったろうか、
と思うとちょっと残念。

大芝居もなく、軽くユーモラスなシーンを交えながら、
淡々と描かれているのが却ってよいのだろう。

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