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『燃える洞窟』 [洋画(マ行)]

「燃える洞窟」(1968)★★☆☆50点
原題: THE VENGEANCE OF SHE
監督: クリフ・オーウェン
製作: アイダ・ヤング
脚本: ピーター・オドンネル
撮影: ウォルフガング・サシツキー
音楽: マリオ・ナシンベーネ
出演:
 ジョン・リチャードソン(キリクラティス)
 オリンカ・ベローワ(現オルガ・スベロヴァ)(キャロル)
 エドワード・ジャッド(フィリップ、精神科医)
 ジョージ・シーウェル(ハリー、船長)
 コリン・ブレイクリー(ジョージ)
 デレク・ゴッドフリー(メン=ハリ、マギ僧)
 ジル・メルフォード(シーラ)
 アンドレ・モレル(カシム、神秘家)
 ノエル・ウィルマン(ザ=トー、マギ僧長)
製作・ジャンル: 英国/冒険・ファンタジー/92分

燃える洞窟 [DVD]








ハマー・プロの「炎の女」の後日談的作品。

冒頭
キャロルがヒッチハイクしたトラックの運転手に襲われそうになる。
トラックを離れる際、サイドブレーキがアップになる。
これでは、
このあとブレーキが外れてトラックが坂を転げることが丸分かり。
アップのカットを使うなら、無人で走り出す直前にインサートすべきで
観客の心理を全く分かっていない初歩的なミスだ。

そもそも、前作で朽ちて死んだアイーシャが
時代を越えて甦るという発想が気に入らない。
アイーシャもキリクラティスも甦るなら、
不老不死の炎などに頼らず
過去の記憶を頼りに、各時代時代で巡り合えばいいのだ。

結局キャロルは
メン=ハリの術によって、アイーシャに仕立て上げられていた
ということだからストーリーとしては問題ないのかもしれないが
キリクラティスは炎に身を投じる間際
"アイーシャの復活はまだだ" と言う台詞を吐くのだから
やはり彼らは輪廻で同一人物として復活するのだろう。

フィリップたちがキャロルを追跡中、
彼女の行方を知る地元部族の男を捕まえたとき
男の指差した方角だけで行方を悟り、
自分たちだけで歩き出すだろうか?
砂漠で目印のほとんどない土地だ。
私なら、その男に案内させる。

砂漠では、お約束のように
"水筒の水がなくなった" というシーンが出てくる。
だが、地面に水筒の口を向けて振るのはおかしい。
もし水が残っていたら、一滴でも無駄にできないはず。
地面に向けてでなく、
天を仰いで大きく開けた自分の口に向けて振るのが道理だ。

前作同様、行動の不合理が多く
それが目につくたびに、鑑賞のテンションは下がっていく。

さて、前作ユスティン、ホリー、ジョブの3人が担っていた役どころは
フィリップが一手に引き受けている。

前作のレオはメダルの浮き出し細工の像にそっくりだったが
今作のアイーシャの胴像はキャロルにあまり似ていると言いがたく
像を見た瞬間にキャロルが「私だわ」と気づくのには納得いかない。

諸事情があるのかもしれないが
キリクラティスに前作と同じJ・リチャードソンを起用するなら
キャロルにもU・アンドレスをキャスティングすればいいのに
と一観客として思う。
「炎の女」からわずか2、3年、
アンドレスの容色もそんな急激に劣えたとは思えないが。

その一方で、前作ユスティンの父を演じたA・モレルが
そのキャラクターと関連あるかと見えて
実はまったく無関係のった心霊能力者の役で出演している。

前作が1918年の設定で、レオはせいぜい20代後半。
今作ではクーマの世界は様相が一変していて
マギ僧の軍団が支配層として君臨している。
奴隷たちも黒人でなくすべて白人。
キリクラティスことレオが
今作の公開が1968年で同時代設定とすれば
生身であれば70歳くらいで死んだということか。
2度目の炎であっという間に老い朽ちて死ぬには
ちょっと厳しい気もするが…
まあ、近未来と考えればいいかっ

とすれば
セスの星が不死の炎を導く周期については今作でも明言はないが
50年くらいということか。
いや、前作では
紀元前1000年とか2000年から君臨するアイーシャが
5、6世代は生きている、という台詞があったような気がするなあ。
せいぜい500年くらい?
まったく計算が合わなくなってくる…やれやれ。

炎の前での決闘のアナロジーは
キリクラティスvsメン=ハリでなく
vsフィリップというのは面白い。

それがきっかけでこの2編の完結へとつながる。
愛の力が届かなかったユスティンと違い
フィリップの愛がキリクラティスとメン=ハリの野望を打ち砕くのだ。

ここでも、登場する女優陣はみな美しい。

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『ムーンウォーカー』 [洋画(マ行)]

「ムーンウォーカー」(1988)★★★★☆80点
原題: MOONWALKER
監督: ジェリー・クレイマー、コリン・シルヴァース
製作: デニス・E・ジョーンズ、ジェリー・クレイマー
製作総指揮・原案: マイケル・ジャクソン
製作総指揮: フランク・ディレオ
脚本: デヴィッド・ニューマン
撮影: ジョン・ホラ、トーマス・E・アッカーマン
音楽: ブルース・ブロートン
出演:
 マイケル・ジャクソン(マイケル)
 ショーン・レノン(ショーン)
 ケリー・パーカー(ケイティ)
 ブランドン・アダムス(ジーク・マイケル、"Baby Bad")
 ジョー・ペシ(ミスター・ビッグ)
製作・ジャンル: 米国/SF・ファンタジー/93分

ムーンウォーカー [DVD]








昨年急逝したマイケル・ジャクソンを追悼して
秋に再ロードショーされた作品。

前半は
マイケルのプロモーションビデオやライブ映像。
歌にダンスにミュージックシーンに革命を起こした
マイケルの偉大な功績に改めて感服。
抜群のセンス、歌とダンスの天分、
そして何より努力の人だった彼に心酔するのは当然だ。

後半は
子供をドラッグ中毒にし世界征服を狙う悪党を相手に
マイケルが闘うダンス・ミュージカル。

映画として見ると、かなり辛いものがあるが
PVの延長として受けとめるかぎりは十分楽しめる。
得点も映画としてでなく、ビデオクリップとしての評価。

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『目撃』 [洋画(マ行)]

「目撃」(1997)★★★☆65点
原題: ABSOLUTE POWER
監督・製作: クリント・イーストウッド
製作: カレン・スピーゲル
製作総指揮: トム・ルーカー
原作: デヴィッド・バルダッシ
脚本: ウィリアム・ゴールドマン
撮影: ジャック・N・グリーン
プロダクションデザイン: ヘンリー・バムステッド
美術: ジャック・G・テイラー・Jr
編集: ジョエル・コックス
音楽: レニー・ニーハウス
舞台装置: リチャード・C・ゴダード、アン・D・マッカレー
出演:
 クリント・イーストウッド(ルーサー・ホイットニー)
 ジーン・ハックマン(アレン・リッチモンド、大統領)
 エド・ハリス(セス・フランク、殺人課刑事)
 ローラ・リニー(ケイト・ホイットニー、ルーサーの娘)
 ジュディ・デイヴィス(グロリア・ラッセル、大統領首席補佐官)
 スコット・グレン(ビル・バートン、大統領警護官)
 デニス・ヘイスバート(ティム・コリン、大統領警護官)
 E・G・マーシャル(ウォルター・サリヴァン)
 メロラ・ハーディン(クリスティ・サリヴァン)
 ケン・ウェルシュ(サンディ・ロード)
 リチャード・ジェンキンス(マイケル・マッカーティ、ヒットマン)
 ペニー・ジョンソン(ローラ・サイモン)
 マーク・マーゴリス(レッド・ブランズフォード)
 エレイン・ケイガン(ヴァレリー)
 アリソン・イーストウッド(美学生)
製作・ジャンル: 米国/サスペンス/121分

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大統領の絡んだ殺人事件をめぐるサスペンスドラマ。

冒頭の美術館のシーンで、実の娘のアリソンと共演している。

登場すればまず悪(わる)というG・ハックマン。
ここでもアメリカ最高権力を持つエロ親父を演じている。

かっこいいハゲだなあ、感心するE・ハリスだが
サスペンス性の低いストーリーだけに
活躍の場が少なくてもったいない。

サリヴァンの雇うヒットマンはまったく見せ場なく
警護官の一人コリンも
思わせぶりな笑みを見せながら大した絡みもなく
型どおりの展開にがっかり。

隔絶していた人間同士が最後に心を通わせる
というイーストウッド好みの作品だが
中盤の盛り上がりに欠けると
ハートウォーミングなラストも釈然としなくなる。

いい父親ぶりを発揮するイーストウッドも
所詮は犯罪者であり
正当防衛(?)かもしれないが、殺人も犯す役なのに
娘に好意を抱く刑事さえも彼にはノータッチなのが
もやもやを後押しする。

「ミリオンダラー・ベイビー」以来
久しぶりに残尿感を覚えるイーストウッド映画だった。

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『マーニー』 [洋画(マ行)]

「マーニー」(1964)(再)★★☆☆☆40点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: MARNIE
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ウィンストン・グレアム
脚本:ジェイ・プレッソン・アレン
撮影:ロバート・バークス
音楽:バーナード・ハーマン
出演:
 ショーン・コネリー(マーク・ラトランド)
 ティッピー・ヘドレン(マーガレット "マーニー"・エドガー)
 マーティン・ゲイベル(シドニー・ストラット)
 ダイアン・ベイカー(リル・メインウォーリング)
 ルイーズ・レイサム(バーニス・エドガー)
 アラン・ネイピア(ラトランド氏)
 マリエット・ハートレイ(スーザン・クレイボン)
製作・ジャンル: 米国/サスペンス/129分

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記憶があいまいになっていたので、つい再び観てしまった。

トラウマから姿を変えるという点では「めまい」と同様だが、
サスペンスも謎解きもスリルに欠ける。

そもそも、恐怖をおびえるのが"赤"色というのは
ありふれすぎていて厳しい。
銃で愛馬を安楽死させた後、金庫の金に手をつけようとするシーン。
その金のすぐ下に、真っ赤な布きれのような物が見える。
何故それに反応しないのかと思ってしまう。
あの場にあってはならない小道具だろう。
しかも、夫のS・コネリーが現れて
金を取れと強要され、再び同じ金庫に向かうとき
その布切れでなく、本のようなものに変わっている。
その下には赤い本が平積みになっている。
これは完全に記録係のミスだ。

ヒッチコック作品の中でも、脚光を浴びていないのがうなづける。

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『モダン・ミリー』 [洋画(マ行)]

「モダン・ミリー」(1967)(再)★★★★85点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: THOROUGHLY MODERN MILLIE
監督: ジョージ・ロイ・ヒル
製作: ロス・ハンター
脚本: リチャード・モリス
撮影: ラッセル・メティ
作詞: サミー・カーン
作曲: ジミー・ヴァン・ヒューゼン
音楽: エルマー・バーンスタイン、アンドレ・プレヴィン、ジョセフ・ガーシェンソン
出演:
 ジュリー・アンドリュース (ミリー・ディルマウント)
 ジェームズ・フォックス(ジミー・スミス)
 メアリー・タイラー・ムーア("ミス"・ドロシー・ブラウン)
 キャロル・チャニング(マジー・ヴァン・ホスミア)
 ジョン・ギャヴィン(トレヴァー・グレイドン)
 ビアトリス・リリー(ミアーズ夫人、ホテル管理人)
 ジャック・スー (中国人1、ミアーズの手下)
 ノリユキ・パット・モリタ(中国人2、ミアーズの小柄な手下)
 キャヴァダ・ハンフリー(ミス・フラナリー、ミリーの女上司)
 アンソニー・デクスター(ファレス)
 フィリップ・アーン (ティー、マジーの中国人使用人)
 ハービー・フェイ(ドロシーを乗せるタクシー運転手)
 マイクル・セイント・クレア(リヒター男爵)
 リザベス・ハッシュ(ジュディス・トレメイン、邸宅でのパーティの女)
 アン・ディー(レストランの歌手)
受賞:
 アカデミー賞
  ■作曲賞 エルマー・バーンスタイン
 ゴールデン・グローブ賞
  ■助演女優賞 キャロル・チャニング
製作・ジャンル: 米国/ミュージカル・コメディ/138分

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マジーに扮する
C・チャニングはブロードウェイの大女優だが
私にはオカマを思わせる低い声とバタ臭い顔。
まるで、何かサンダーバードの人形でも見ているようだ。

有名なナンバー ♪ベイビー・フェイス♪ は
CMなどでも聴いたことがあるだろう。

ユダヤ人の結婚式、マジーの邸宅でのジャズナンバーなどは
物語の本筋にはまったく関係のないミュージカル・シークエンス。
ただ、結婚式の円舞はスタイリッシュだし
後者は、言ってみればチャニングのパフォーマンスお披露目の場。

タイトルがタイトルだけに
ミリーのファッションや
歩き方など彼女の仕草には魅力たっぷり。

冒頭で登場したときのジミーは
がり勉タイプのダサ男に見えたが
ストーリーが進むにつれてとても愛らしい好青年に見えてくる。

ご機嫌斜めのエレベーターを動かすための
ミリーたちのタップや中国人のステップは good アイデア。
タップの踏み方に気分を反映させる演出も粋。

ビル上でデートの約束をして別れ際にミリーが言う
"butterfly boy(気まぐれ屋)" もお気に入り。

ミス・ドロシーと社長の熱視線が絡み合うたびに
ロマンチックな歌が流れ、定番の笑いを誘う。
麻酔の覚め際でも口ずさんでるし。

全編を通じて、ミリーがふと心に抱くボヤキが
ブラックバックに字幕としてインサートされるのは
いかにも演劇的で、のちの舞台版にも生かされている。

マジー宅でミアーズ一味をやっつけるときに
前回マジー宅で登場した小道具が存分に力を発揮しており
台本の用意周到さが伺える。

型芝居をコミカルに利用している点、
人身売買というミュージカルには一見不似合いなストーリーに
きわめて完成度の高い脚本。
といった具合に、用意された土台は磐石ゆえ
音楽やダンスといったミュージカルの要素が
イマイチストーリーに乗り切れていないのは不満。
せいぜい、先に挙げたタップとタイトル・ナンバーくらいであろうか。
まあ、ミュージカルとして観なければいいだけの話.
歌やフィジカルをふんだんに盛り込んだスタイリッシュ・コメディ。

J・アンドリュースにしても
ミュージカル女優としてのパフォーマンスを期待するのでなく
見事に喜劇をこなす達者な演技を堪能しよう。

「ベストキッド」のパット・モリタが端役で登場しているのも一興。

一番好きなキャラクターのはやはりミアーズ夫人。

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『見知らぬ乗客』 [洋画(マ行)]

「見知らぬ乗客」(1951)(再)★★★☆☆65点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: STRANGERS ON A TRAIN
監督: アルフレッド・ヒッチコック
原作: パトリシア・ハイスミス
脚本: レイモンド・チャンドラー、チェンツイ・オルモンド
撮影: ロバート・バークス
音楽: ディミトリ・ティオムキン
出演:
 ファーリー・グレンジャー(ガイ・ヘインズ)
 ロバート・ウォーカー(ブルーノ・アンソニー)
 レオ・G・キャロル(モートン上院議員)
 ルース・ローマン(アン・モートン)
 パトリシア・ヒッチコック(バーバラ・モートン)
 ケイシー・ロジャース(ミリアム・ジョイス・ヘインズ)
 マリオン・ローン(アンソニー氏)
 ジョナサン・ヘイル(アンソニー夫人)
製作・ジャンル: 米国/サスペンス/101分

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これもまた、パトリシア・ハイスミス原作で
彼女の飛躍のきっかけとなった作品。
ハードボイルド小説の巨匠、レイモンド・チャンドラーが
脚本を手がけているのも興味深い。

自身の監督作にチラッと登場することで知られるヒッチコックだが、
この作品での登場は至極分かりやすい。

オーソドックスで、あまりスリルを感じない展開だが
自分の計画に陶酔し、他人を追い詰める異常性に恐怖を覚える。

アンの父である上院議員が
不倫の関係から始まった娘の恋人を
当然のことのように積極的に守っていることに違和感を覚えた。

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『モディリアーニ/真実の愛』 [洋画(マ行)]

「モディリアーニ/真実の愛」(2004)★★★★☆90点
原題: MODIGLIANI
監督・脚本: ミック・デイヴィス
製作: アンドレ・ジャウイ、フィリップ・マルチネス、ステファニー・マルチネス
製作総指揮: ドナルド・A・バートン、カリーヌ・ベール、アントニー・ブラッキー、ポール・フィータム、アンディ・ガルシア、スティーヴ・マースデン、ダグラス・W・ミラー、ゲイリー・アンガー、マルコス・チューリナ
撮影: マニュ・カドッシュ
編集: エマ・E・ヒコックス
音楽: ガイ・ファーレイ
出演:
 アンディ・ガルシア(アメデオ・モディリアーニ)
 エルザ・ジルベルスタイン(ジャンヌ・エビュテルヌ)
 イポリット・ジラルド(モーリス・ユトリロ)
 オミッド・ジャリリ(パブロ・ピカソ)
 エヴァ・ヘルツィゴヴァ(オルガ、ピカソの妻)
 ウド・キア(マックス・ジャコブ)
 ピーター・キャパルディ(ジャン・コクトー)
 ルイ・ヒルヤー(レオポルド・ズボロフスキー)
 ステヴァン・リムカス(シャイム・スーティン)
 ダン・アスティリーヌ(ディエゴ・リベラ)
 ランス・ヘンリクセン(フォスター・ケイン)
 ミリアム・マーゴリーズ(ガルトルード・スタイン)
 スージー・エイミー(ベアトリス・ヘイスティングス)
製作・ジャンル: 米国=ドイツ=仏国=伊国=ルーマニア=英国/ドラマ・ロマンス・伝記/126分

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モディリアーニの絵が好きだ。
昨年も"モディリアーニ展"に出向き、久しぶりに生の絵を観た。

ジェラール・フィリップ主演の「モンパルナスの灯」の印象が強く
ガルシアのモディリアーニには抵抗感があった。
体格の立派なガルシアはやはり、
G・フィリップのような繊細さはあまり感じられなかったが
彼の表現した情熱は素晴らしい。

不摂生が病身の彼を若き死に追いやったが
それぞれの俳優が紡ぎだしたような
繊細さと情熱を兼ね備えた芸術家だったのだろう。

それにしても、ジャンヌを演じたエルザ・ジルベルスタインは
実際のジャンヌよりもはるかに、
モディリアーニの描いたジャンヌ像に似ている。
そして、何よりも美しい。
これほどの美しさに触れたことは久しくない。
実はセザール賞も受賞している実力派女優だ。
フランス映画に抵抗感のある私は今まで全く知らなかったが、
今後注目必至の女優。
くどいが、実に美しい。
彼女なくして、この映画、そしてガルシアも輝けなかっただろう。

この映画の中で、ピカソはモディと敵対する俗物に描かれているが
実際にはどうだったのだろうか。
若くして逝った天才は伝説となるが
若いとは言えない私も
熱く人を愛し、激しく生きてみたいという思いを新たにした。

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『ミッドナイト・ラン』 [洋画(マ行)]

「ミッドナイト・ラン」(1988)★★★★☆75点
原題: MIDNIGHTRUN
監督・製作: マーティン・ブレスト
製作総指揮: ウィリアム・S・ギルモア
脚本: ジョージ・ギャロ
撮影: ドナルド・ソーリン
音楽: ダニー・エルフマン
出演:
 ロバート・デ・ニーロ(ジャック・ウォルシュ)
 チャールズ・グローディン(ジョナサン・マデューカス、"デューク")
 ヤフェット・コットー(アロンゾ・モーズリ捜査官)
 ジョン・アシュトン(マーヴィン)
 デニス・ファリナ(ジミー・セラノ)
 ジョー・パントリアーノ(エディ)
 リチャード・フォロンジー(トミー)
 ロバート・ミランダ(ジョーイ)
 ジャック・キーホー(ジェリー)
 ウェンディ・フィリップス(ゲイル)
 ダニエル・デュクロス(デニース)
 フィリップ・ベイカー・ホール(シドニー)
製作・ジャンル: 米国/コメディ・クライム/126分

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元警官のバウンティハンター(賞金稼ぎ)がターゲットの横領犯を
NYからロスまで連行する間に繰り広げられるロード・コメディ。

まくし立てるデ・ニーロの軽妙な口調と
犯罪者らしくないグローディンの当たりの柔らかな優しいキャラ。
そのチグハグさが心地よい笑いを生みだす。

ジャックに名前を騙られてコケにされるFBI捜査官を演じる
コットーのユーモラスな存在感がたまらない。

飛行機の中、
FBIの身分証の写真を張り替えているジャックを見て
大人じみた態度をとる隣の席の子供が
アメリカチックで、また何とも可愛らしい。

道中でドタバタを通じて生まれる友情がラストエピソードに結実。
あったかい気持ちで観おわることが出来た。

『ミュージック・オブ・ハート』 [洋画(マ行)]

「ミュージック・オブ・ハート」(1999)★★★☆70点
原題: MUSIC OF THE HEART
監督: ウェス・クレイヴン
製作: マリアンヌ・マッダレーナ、アラン・ミラー
脚本: パメラ・グレイ
撮影: ピーター・デミング
音楽: メイソン・ダーリング
出演:
 メリル・ストリープ(ロベルタ・ガスパーリ)
 アンジェラ・バセット(ジャネット・ウィリアムズ)
 グロリア・エステファン(イザベル・バスケス)
 エイダン・クインブライアン・シンクレア)
 クロリス・リーチマン
 キーラン・カルキン
 チャーリー・ホフハイマー
 ジェイ・O・サンダース
 アイザック・スターン
 ジェーン・リーヴス
 ジョシュ・パイス
 マイケル・アンガラノ
受賞:
 放送映画批評家協会賞
  ■歌曲賞 “MusicOfMyHeart”
製作・ジャンル: 米国/ドラマ/123分

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メリル・ストリープの良作。

実話に基づいているだけあって、
結末に不釣合いな悲しいシーンもあったりするが
カーネギーに立つ主人公の感慨はぐんと胸に来る。

『マディソン郡の橋』 [洋画(マ行)]

「マディソン郡の橋」(1995)★★★★★120点
原題: THE BRIDGES OF MADISON COUNTY
監督・製作: クリント・イーストウッド
製作: キャスリーン・ケネディ
原作: ロバート・ジェームズ・ウォーラー
脚本: リチャード・ラグラヴェネーズ
撮影: ジャック・N・グリーン
音楽: レニー・ニーハウス
出演:
 クリント・イーストウッド(ロバート・キンケイド)
 メリル・ストリープ(フランチェスカ・ジョンソン)
 アニー・コーレイ(キャロリン・ジョンソン)
 ヴィクター・スレザック(マイケル・ジョンソン)
 ジム・ヘイニー(リチャード・ジョンソン)
 サラ・キャスリン・シュミット(若き日のキャロリン)
 クリストファー・クルーン(若き日のマイケル)
 ミシェル・ベネス(ルーシー・レッドフィールド)
 デブラ・モンク(マッジ)
 フィリス・リオンズ(ベティ)
 カイル・イーストウッド(ジェームス・リバー・バンドのメンバー)
製作・ジャンル: 米国/ロマンス・ドラマ/135分

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この映画を観るのは3度目。
山手線の中、先輩俳優が読み終わったベストセラー小説を借りて
深く感動したのはもう14年前か。

小説の素晴らしさから
イーストウッドによる映画化の話を知ったとき
小説は越えられないだろう、絶対失敗する
そう思ったものだ。

全く期待せずに映画館に足を運んだ私は
自分の想像力のなさを恥じた。

2度目に観たのは、NY留学中の7年前。
もちろん字幕なしで観たわけだが
雨の別れのシーンで嗚咽したことを忘れない。

3度目となる今回、ここでは嗚咽こそしなかったが
このシーンからラストまで涙が途切れることがなかった。
おかげで、涙を流すにも利き目(涙腺)があるのだと分かった。
両目から涙は出るのだが
右頬だけが熱い感動がとめどなく感じていた。

最後に、フランチェスカの声で語られる
「幸せのために手を尽くしなさい。この世は美しいものよ」
の台詞を聞いた途端、たまらず嗚咽してしまった。

すべてを懸けて愛せる人に出会うのは運かもしれない。
だが、きっと身近にもいるはずだ。
母の告白ノートを読み終えた2人の子どもたち同様
私も周りの人たちを精一杯愛そう、
とこの映画を観るたびに思うのだ。

主要映画賞はノミネートばかりで受賞はなかった。
受賞の大半が日本の映画賞だということから判断するに
殊に、日本人の琴線に触れる作品なのかもしれない。

採点は100点満点だが、個人的な好みを反映して
例外的に満点越えの点をつけた。

「グラントリノ」では音楽を担当したイーストウッドの息子カイル。
作品中で確認できなかったが
バンドメンバーとしてクレジットに名を連ねている。

マディソン郡ウィンターセットに建てられた「ジョンソン家」は
撮影後も保存され、観光スポットに。
ローズマン・ブリッジは2002年に放火で焼失してしまった。
返す返す残念だ。

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