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『燃える洞窟』 [洋画(マ行)]

「燃える洞窟」(1968)★★☆☆50点
原題: THE VENGEANCE OF SHE
監督: クリフ・オーウェン
製作: アイダ・ヤング
脚本: ピーター・オドンネル
撮影: ウォルフガング・サシツキー
音楽: マリオ・ナシンベーネ
出演:
 ジョン・リチャードソン(キリクラティス)
 オリンカ・ベローワ(現オルガ・スベロヴァ)(キャロル)
 エドワード・ジャッド(フィリップ、精神科医)
 ジョージ・シーウェル(ハリー、船長)
 コリン・ブレイクリー(ジョージ)
 デレク・ゴッドフリー(メン=ハリ、マギ僧)
 ジル・メルフォード(シーラ)
 アンドレ・モレル(カシム、神秘家)
 ノエル・ウィルマン(ザ=トー、マギ僧長)
製作・ジャンル: 英国/冒険・ファンタジー/92分

燃える洞窟 [DVD]








ハマー・プロの「炎の女」の後日談的作品。

冒頭
キャロルがヒッチハイクしたトラックの運転手に襲われそうになる。
トラックを離れる際、サイドブレーキがアップになる。
これでは、
このあとブレーキが外れてトラックが坂を転げることが丸分かり。
アップのカットを使うなら、無人で走り出す直前にインサートすべきで
観客の心理を全く分かっていない初歩的なミスだ。

そもそも、前作で朽ちて死んだアイーシャが
時代を越えて甦るという発想が気に入らない。
アイーシャもキリクラティスも甦るなら、
不老不死の炎などに頼らず
過去の記憶を頼りに、各時代時代で巡り合えばいいのだ。

結局キャロルは
メン=ハリの術によって、アイーシャに仕立て上げられていた
ということだからストーリーとしては問題ないのかもしれないが
キリクラティスは炎に身を投じる間際
"アイーシャの復活はまだだ" と言う台詞を吐くのだから
やはり彼らは輪廻で同一人物として復活するのだろう。

フィリップたちがキャロルを追跡中、
彼女の行方を知る地元部族の男を捕まえたとき
男の指差した方角だけで行方を悟り、
自分たちだけで歩き出すだろうか?
砂漠で目印のほとんどない土地だ。
私なら、その男に案内させる。

砂漠では、お約束のように
"水筒の水がなくなった" というシーンが出てくる。
だが、地面に水筒の口を向けて振るのはおかしい。
もし水が残っていたら、一滴でも無駄にできないはず。
地面に向けてでなく、
天を仰いで大きく開けた自分の口に向けて振るのが道理だ。

前作同様、行動の不合理が多く
それが目につくたびに、鑑賞のテンションは下がっていく。

さて、前作ユスティン、ホリー、ジョブの3人が担っていた役どころは
フィリップが一手に引き受けている。

前作のレオはメダルの浮き出し細工の像にそっくりだったが
今作のアイーシャの胴像はキャロルにあまり似ていると言いがたく
像を見た瞬間にキャロルが「私だわ」と気づくのには納得いかない。

諸事情があるのかもしれないが
キリクラティスに前作と同じJ・リチャードソンを起用するなら
キャロルにもU・アンドレスをキャスティングすればいいのに
と一観客として思う。
「炎の女」からわずか2、3年、
アンドレスの容色もそんな急激に劣えたとは思えないが。

その一方で、前作ユスティンの父を演じたA・モレルが
そのキャラクターと関連あるかと見えて
実はまったく無関係のった心霊能力者の役で出演している。

前作が1918年の設定で、レオはせいぜい20代後半。
今作ではクーマの世界は様相が一変していて
マギ僧の軍団が支配層として君臨している。
奴隷たちも黒人でなくすべて白人。
キリクラティスことレオが
今作の公開が1968年で同時代設定とすれば
生身であれば70歳くらいで死んだということか。
2度目の炎であっという間に老い朽ちて死ぬには
ちょっと厳しい気もするが…
まあ、近未来と考えればいいかっ

とすれば
セスの星が不死の炎を導く周期については今作でも明言はないが
50年くらいということか。
いや、前作では
紀元前1000年とか2000年から君臨するアイーシャが
5、6世代は生きている、という台詞があったような気がするなあ。
せいぜい500年くらい?
まったく計算が合わなくなってくる…やれやれ。

炎の前での決闘のアナロジーは
キリクラティスvsメン=ハリでなく
vsフィリップというのは面白い。

それがきっかけでこの2編の完結へとつながる。
愛の力が届かなかったユスティンと違い
フィリップの愛がキリクラティスとメン=ハリの野望を打ち砕くのだ。

ここでも、登場する女優陣はみな美しい。

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