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『大誘拐 RAINBOW KIDS』 [邦画(タ行)]

「大誘拐 RAINBOW KIDS」(1991)★★★☆70点
監督・脚本: 岡本喜八
製作: 岡本よね子、田中義巳、安藤甫
プロデューサー: 森知貴秀、水野洋介
原作: 天藤真「大誘拐」
撮影: 岸本正広
美術: 西岡善信、加門良一
音楽: 佐藤勝
出演:
 北林谷栄(柳川とし子刀自)
 緒形拳(井狩大五郎、和歌山県警本部長)
 風間トオル(戸並健次・"雷")
 内田勝康(秋葉正義・"風")
 西川弘志(三宅平太・"雨")
 樹木希林(中村くら、元柳川家女中)
 神山繁(柳川国二郎)
 水野久美(柳川可奈子)
 岸部一徳(柳川大作)
 田村奈巳(柳川英子)
 松永麗子(吉村紀美)
 岡本真実(邦子)
 天本英世(串田、柳川家の使用人頭)
 奥村公延(安西、柳川家の運転手)
 本田博太郎(高野、ヘリコプターパイロット)
 竜雷太(佐久間、和歌山県警刑事)
 嶋田久作("東京"、和歌山県警刑事)
 常田富士男(和歌山県警刑事)
 橋本功(鎌田、和歌山県警刑事)
 松澤一之(長沼、WTVチーフアナウンサー)
 藤木悠(和歌山放送社長)
 上田耕一(WTV報道局長)
 中谷一郎(WTV社長)
 山本廉(警官)
 大木正司(警官)
 山藤章二
 景山民夫
 寺田農(ナレーター)
製作・ジャンル: 「大誘拐」製作委員会(=喜八プロ、ニチメン、フジエイト)/コメディ・クライム/120分

大誘拐 RAINBOW KIDS [DVD]








3人組の若者に誘拐された資産家の老女が
犯人たちや事件を囲む人々を翻弄するドラマを
奇才・岡本喜八が人情味あふれるコメディに仕上げた。

犯人の主犯格に
モデルから転向して役者デビュー2年目の風間トオル。
仲間の2人に扮する内田勝康・西川弘志ともども
器用でない演技も良い方に働き
純朴で心優しい青年の実像がよく表現されている。
キャスティングを含めた喜八の演出の妙とでも言おうか。

刀自演じるは北林谷栄。
北林と言えば、"THE 日本のお婆ちゃん"。
江戸っ子ならではの(役柄は関西人だが)気っ風のよさ、
優しい声の響き、
人懐っこく柔らかな顔の表情など
老いの素敵な部分が遺憾なく発揮。
彼女の存在がこの作品のすべてと言っていい。

北林は1989年、動脈瘤破裂で倒れているから
本作の撮影はその翌年だったことになる。
いくら回復が早かったとはいえ、復帰ぶりにはプロ根性を感じる。

その刀自が
犯人たちは勿論、
実の子供たち、警察、挙句は国税局を手玉に取るわけだが
中でも、子供たちが面白い。
というのは、何しろいい人たちなのだ。
身代金を渋ることなく、素直に出すし
財産をめぐって揉めるでもない。
醜い遺産争い・跡目争いの末にクライマックスを迎えるというのが
ストーリーメイクの定番だが
そうならない展開が、逆に
この作品の面白さを一味違ったものにしている。

樹木希林も
彼女お得意のポジションできっちりサポート。

緒形拳は腕利きの刑事役。
一癖も二癖もある緒形独特のいやらしい味が
あまり活かされない豪腕キャラというのが残念だ。
それでも、豪腕一辺倒でなく
思慮深く洞察力の鋭い人物を実感させる上手さには感服。

ストーリーよりも
役者それぞれの個性・存在感の際立つ映画。

『突入せよ!「あさま山荘」事件』 [邦画(タ行)]

「突入せよ!「あさま山荘」事件」(再)(2002)★★★★☆30点
※(再):私が以前に観たことのある作品
英語題: THE CHOICE OF HERCULES
監督・脚本: 原田眞人
プロデュース: 原正人
原作: 佐々淳行「連合赤軍「あさま山荘」事件」
撮影: 阪本善尚
美術: 部谷京子
音楽: 村松崇継
照明: 大久保武志
録音: 中村淳
出演:
 役所広司(佐々淳行)
 宇崎竜童(宇田川信一)
 伊武雅刀(野間長野県警本部長)
 串田和美(丸山参事官)
 山路和弘(石川警視正)
 矢島健一(大久保第九機動隊長)
 豊原功補(内田第二機動隊長)
 遊人(後田巡査)
 遠藤憲一(山野第二機動隊小隊長)
 松岡俊介(佐治警視)
 池内万作(東野通信技官)
 篠井英介(兵頭参事官)
 田中哲司(国松広報課長)
 光岡湧太郎(菊岡理事官)
 榊英雄(小野沢警部補)
 井上肇(加々見警部)
 李鐘浩(伊東警部補)
 眞島秀和(淡路巡査)
 野村貴志(別当巡査)
 重松収(富沢警備局長)
 深水三章(鈴木警備課長)
 村田則男(ホトケのトミさん)
 木村栄(小林特科車輌隊長)
 加藤満(高見警部)
 古本恭一(石原警部)
 長森雅人(片山第二機動隊副隊長)
 工藤俊作(上原第二機動隊中隊長)
 山崎清介(山根長野県警警備部長)
 螢雪次朗(吉井長野県軽井沢警察署長)
 大森博(反後長野県警警備第一課長)
 田中要次(柳木長野県警警備第一課長)
 山田明郷(萩長野県警機動隊長)
 黒沼弘巳(皆川次長)
 豊川栄順(尚子)
 田嶋基吉(満願)
 飯田孝男(千石)
 荒川良々(木戸長野県警機動隊員)
 石丸謙二郎(長野県警機動隊分隊長)
 むかい誠一(警視庁コンバット・チーム)
 鈴木英介(警視庁コンバット・チーム)
 街田しおん(里見品子)
 篠原涼子(小雀真理子)
 松尾スズキ(小雀彰夫)
 もたいまさこ(中野の母)
 高橋和也(ヤク中の男)
 武田真治(大河内浩)
 鈴木一真(中野雅人)
 甲本雅裕(石野巡査)
 八嶋智人(亀島アナ)
 高川裕也(日比野記者)
 大鷹明良(五十嵐記者)
 真実一路(赤木警備部長)
 小林勝彦(初老の刑事部長)
 安藤岳史(百田栄作)
 風見章子(内田の老母)
 椎名桔平(白竜組社長)
 天海祐希(佐々幸子)
 藤田まこと(後藤田正晴警察庁長官)
製作・ジャンル: あさま山荘事件製作委員会(東映、アスミック・エース、TBS、産経新聞社ほか)/ドラマ/133分

突入せよ!「あさま山荘」事件 [DVD]








学生から左翼過激派へと運動の主体が移行していた当時。
その過激派の象徴的なテロ事件を
警察・防衛の要職を歴任した佐々淳行の手記に基づいて描く。

警察同士、各部、各隊、各人が
自分の面子やプライドを守るために、
指揮系統が統一されないのは人間の愚かさにつきる。
今も官僚や政治家に根強く残る権力志向。
このつまらぬエゴが生んだ悲劇はただただ虚しい。

ただ、本作は
完全に警察内部の人間模様に焦点が当てられており
実際の事件における過激派・捕虜やその周囲の人々は
ほとんど描かれていない。
よって、これが "あさま山荘事件" である必要性が全くない。

冒頭の "フィクション" を強調するクレジットが流れるが
実名がフルに用いられており
クレジットはただのエクスキューズにしか思えない。

役所のてきぱきとした言動は、モデルの佐々を彷彿とさせる好演。
主役の役割はきっちりこなしている。

活躍の場を与えられない石川の苛立ちを
山路が惨めったらしく表現しているのもいい。

結構台詞のある街田しおん。
小声になると何言ってるかさっぱり分からない。
出番を活かせない悲しさ。

とにかく、全体的に
名のある俳優を無駄にたくさん起用している。

伊武は
いつもながらの演技で、
本部長を完全にコミカルな人間に作り上げているが
ギャグっぽい表面的な可笑しさでなく
端から見る内面的な滑稽さ・ユーモアを表現すべき。
これは彼の演技に限らず、
他の演技者、ひいては台本や演出にも言えることである。

ドラマに仕立てたいのか、エンターテインメントにしたいのか
中途半端な仕上がりなのだ。
原作があるがゆえに、"あさま山荘事件" を離れられず
かと言って
客観的なドキュメンタリー風には描きたくなかった監督の意図が
タイトルから事件の真相に迫る作品を期待する
観客の心理と乖離しているように思う。

地上波でやっていたから、つい2度目の鑑賞となったが
やはり評価は低くならざるを得ない。

『電送人間』 [邦画(タ行)]

「電送人間」(1960)★★☆☆☆40点
監督: 福田純
製作: 田中友幸
脚本: 関沢新一
撮影: 山田一夫
美術: 浜上兵衛
音楽: 池野成
特殊技術・合成: 向山宏
特殊技術・撮影: 荒木秀三郎、有川貞昌
特殊技術・美術: 渡辺明
特殊技術監督: 円谷英二
出演:
 鶴田浩二(桐岡勝、東都新報記者)
 平田昭彦(小林警部)
 中丸忠雄(中本伍郎、須藤兵長)
 土屋嘉男(岡崎捜査主任)
 白川由美(中条明子、日邦精機営業部OL)
 河津清三郎(大西、海南貿易社長)
 田島義文(隆昌元)
 堺左千夫(滝)
 大友伸(塚本、不動産ブローカー)
 佐々木孝丸(仁木博士)
 村上冬樹(三浦博士、桐岡の恩師)
 天本英世(海南貿易社員)
 広瀬正一(海南貿易社員)
 桐野洋雄(海南貿易社員)
 山本廉(丸根刑事)
 向井淳一郎(警視庁部長)
 宇野晃司(トラックの運転手)
 松村達雄(井田)
 堤康久(記者)
製作・ジャンル: 日本/SF・サスペンス・特撮/85分

電送人間 [DVD]








銃剣殺人事件をめぐる特撮もの。

「美女と液体人間」同様、またしても
主役は、平田の扮する役大学時代の同級生という役どころ。

"大本営" っていう名の軍隊キャバレーに
金粉ダンサーなんて、時代だなあ。
そういえば「社長太平記」にも海軍バーってのが出てきた。

パトカーを見ていて思ったが
昔の車って、ずいぶん流線型でボディーに丸みがある。
近頃の車よりずっとカッコイイ!

「暗黒街」のわずか4年後だけど
鶴田浩二は少し老けたというか、ぐっと大人になっている。

「美女と液体人間」につづいて、白川由美はスリップ姿を披露。
こういうお色気要素も
大人の観客を動員するための必要条件だったようだ。

電送元が軽井沢の小谷牧場というのは分かるが
隆を殺した際、
電送先である倉庫の電送装置は証拠隠滅のために燃やしている。

滝を殺害した後に
甲府行きの貨物列車が怪爆発ということは
その際に、新たな電送装置は貨車にあったということだが
どうやって運んだのかなあ?
コンテナごと借りていたってこと?

大西の別荘宛てに届いた装置を含めて
かなり高価で大きな電送装置。
少なくとも3台は必要となっているわけだから
仁木博士曰く、
"中本に装置を使われていたのは知っていたが" 程度じゃ
話は収まらない。
しかも、電送可能な体に改造したのは仁木のはずだし…

「仮面ライダー」の死神博士こと天本英世も端役で登場。
年老いてからは腰が曲がっていたせいもあってか分からなかったが
とてもすらっとした長身で、実は180cmもあったなんて。

浅間山の噴火で研究室が崩れ落ち、
牧場に帰れず、電送失敗で幕。
読めてしまうからスリリングではないが、きちんと考えられたオチ。

特撮感の薄いテーマだから、
もっと人間関係を描き出すことに力を入れてもよさそうだが
当時は、特撮やSFばかりが売りで
その中でドラマを生み出すっていう意識は低かったのか。

『トリック 劇場版』 [邦画(タ行)]

「トリック 劇場版」(2002)★★☆☆50点
監督: 堤幸彦
製作: 木村純一、風野健治
プロデューサー: 桑田潔、島袋憲一郎、蒔田光治、山内章弘
ラインプロデューサー: 渡邊範雄
脚本: 蒔田光治
撮影: 斑目重友
美術: 稲垣尚夫
音楽: 辻陽
VE: 中村寿昌
照明: 池田ゆき子
出演:
 仲間由紀恵(山田奈緒子)
 阿部寛(上田次郎)
 生瀬勝久(矢部謙三)
 野際陽子(山田里見)
 伊武雅刀(長曾我部為吉)
 根岸季衣(菊姫)
 芳本美代子(南川悦子)
 山下真司(神崎明夫)
 大島蓉子(池田ハル)
 前原一輝(石原達也)
 アベディン・モハメッド(ジャーミーくん)
 三宅弘城(臼井猛)
 相島一之(本郷三四郎)
 みのすけ(駒場一路)
 川崎麻世(安田安夫)
 蛍雪次郎(村の住人)
 竹中直人(神001)
 ベンガル(神002)
 石橋蓮司(神003)
製作・ジャンル: 日本/ミステリー・コメディ/119分

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上田の同級生だというエリート官僚との会合。
いくらコミカルな映画作りをすると言っても
くせ者役者を集めれば、それでひと場出来上がり
って意識なら安直もいいとこだ。
エリートになんか全く見えない連中に
"リーマン予想" なんて口にされてもねえ。
普通にエリート演じてちゃ、あのメンバーを配した意味が全然ない。

形を形で終わらせるコミカルな演技は
芝居を面白くするのではなく、ただただ安っぽくするだけだ。
その類の役者が多すぎる。
せめて、伊武雅刀ぐらいには
ポジションを決めて、キャラクター芝居を貫くべき。

それなりに楽しめるが
結局は、ドラマの域を越えない。

『透明人間』 [邦画(タ行)]

「透明人間」(1954)★★☆☆☆40点
監督: 小田基義
製作: 北猛夫
原案: 別府啓
脚本・原案: 日高繁明
撮影: 円谷英二
美術: 安倍輝明
編集: 庵原周一
振付: 縣洋二
音楽: 紙恭輔
特技監督: 円谷英二
出演:
 河津清三郎(南條)
 三條美紀(美千代、クラブ「黒船」の歌手)
 高田稔(矢島)
 土屋嘉男(小松)
 植村謙二郎(健)
 水野匡雄 (ジョー)
 藤原釜足(まりのおじいさん)
 村上冬樹(山田、社会部長)
 沢村宗之助(代議士)
 恩田清二郎(警視総監)
 大友伸(龍田警部)
 重山規子(踊り子)
 近藤圭子(まり、盲目の少女)
 堤康久(宝石商の店員)
 汐見洋
製作・ジャンル: 日本/SF・特撮/70分

透明人間 [DVD]








円谷が撮影監督を務めた特撮もの。

ピエロのキャップを脱いだ時に一度映っていた髪が
正体を見せましょうと言う時になると消えている。
名キャップや服装で人間の姿形を整えるのは分かるが
目ばかりはどうしようもない。
特撮技術の限界と演出の甘さは時代を考えるに致し方ない。

画(え)が消えるというその効果だけで
当時の観客たちは大興奮したに違いない。

可愛がっている盲目の少女の部屋へ
透明のまま出入りするシーンを見ていると
人間、外見ではごまかせないものこそ大切だと気づかされる。

南條がスクーターで矢島を追うシーンは、
キャスターを追加したスクーターの無人走行らしい。
苦労が伺えるエピソードだ。

オーラス、拳銃の銃弾ごときで
石油タンクが爆発してしまうのは拍子抜け。

落下した南條の死ぬ瞬間。
倒れているのにアゴを縦方向に落として死ぬのは
重力を無視したありえない演技。

ピエロの死とオルゴールの音のラストが切ない。

『探偵物語』 [邦画(タ行)]

「探偵物語」(1983)★★★☆☆60点
監督: 根岸吉太郎
製作: 角川春樹
プロデューサー: 黒澤満、長谷川安弘、紫垣達郎
原作: 赤川次郎
脚本: 鎌田敏夫
撮影: 仙元誠三
美術: 徳田博
音楽: 加藤和彦
出演:
 薬師丸ひろ子(新井直美)
 松田優作(辻山秀一)
 財津一郎(岡野)
 秋川リサ(直木幸子)
 岸田今日子(長谷沼君江)
 北詰友樹(永井裕)
 坂上味和(進藤正子)
 ストロング金剛(和田)
 山西道広(佐藤)
 清水昭博(若い男)
 林家木久蔵(警官)
 藤田進(国崎剛造)
 加藤善博(直美を誘う男)
 草薙良一(黒背広の男A)
 清水宏(黒背広の男B)
 壇喧太(黒背広の男C)
 南雲佑介(黒背広の男D)
 榎木兵衛(アパートの住人)
 中村晃子(国崎三千代)
 鹿内孝(国崎和也)
 荒井注(赤川晶)
 蟹江敬三(高峰刑事)
製作・ジャンル: 日本/ロマンス・サスペンス/111分

探偵物語 デジタル・リマスター版 [DVD]








時代を感じさせる優作の髪型。
手足の長い彼のスーツ姿は抜群にカッコイイ。
薬師丸ひろ子の純粋でひたむきな可愛らしさがいい。

クレジットの流れるラストで、いつまでも佇む辻山(優作)が切ない。
2人の関係はあれっきりなのか、どうなったんだろう
と気持ちが残るのは私だけか。
きっと、あれきりで思い出に形を変えるのだろう。

『地底の歌』 [邦画(タ行)]

「地底の歌」(1956)★★★☆70点
監督: 野口博志
製作: 浅田健三
原作: 平林たい子「地底の歌」
脚本: 八木保太郎
撮影: 永塚一栄
美術: 大鶴泰弘
音楽: 原六郎
出演:
 名和宏(鶴田光雄)
 山根寿子(岩田辰子、おかる八の妻)
 菅井一郎(おかる八)
 石原裕次郎(ダイヤモンド冬、辰子の弟)
 二本柳寛(伊豆荘太)
 高品格(びっくり鉄)
 坪内美詠子(伊豆里子)
 美多川光子(伊豆トキ子、鶴田の恋人)
 香月美奈子(山田花子)
 東谷暎子(市川松江)
 深見泰三(吉田大竜)
 三島謙(本ちゃん)
 深江章喜(一郎)
 瀬川路三郎(腕文)
 山田禅二(桂庵の男)
 弘松三郎(鬼若の里)
 雪岡純(目黒)
 美川洋一郎美川陽一郎(矢上)
 柳瀬志郎(若い男)
 峰三平(坊主の男)
 雨宮節子(女中)
 衣笠一夫(戸田)
 宮原徳平(看守)
 河野弘(客)
製作・ジャンル: 日本/ドラマ/90分

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『太陽の季節』でデビューした裕次郎の出演3作目。
売り出し中の名和宏がいたために、
裕次郎は日活のオーディションに落ちたと言われる。
その名和がこの映画の主役。

タイトル下に"朝日新聞連載"とクレジットされるあたり
作品が受けていたのか、
新聞の連載小説が当時の人気だったのか
いずれかだろう。

冒頭いきなり、刺青彫りに博打場に出入りする女学生の挿話から。
見学とはいえ、何とも大胆な花子。
挙句身売りされたと知り、即座に開き直れる彼女の型破りさ。

死語となった「接吻」という言葉の響きに
ドキッとして妙な気分になった。
男女の触れ合いを障子越しの影だけで描き出すのも、
想像を掻き立てる演出。

悲しい裏社会を、飾り立てることなく描いている点がいい。

『転校生 -さよならあなた-』 [邦画(タ行)]

「転校生 -さよならあなた-」('07)★★★☆☆60点
監督・脚本・潤色・編集: 大林宣彦
製作: 黒井和男
プロデューサー: 鍋島壽夫、大林恭子
原作: 山中恒『おれがあいつであいつがおれで』
脚本: 大林千茱萸、山内健嗣、剣持亘、内藤忠司、石森史郎、南柱根
美術: 竹内公一
撮影監督: 加藤雄大
音楽: 山下康介、學草太郎
音楽プロデューサー: 加藤明代、大林千茱萸
主題歌: 寺尾紗穂『さよならの歌』
出演:
 蓮佛美沙子(斉藤一美)
 森田直幸(斉藤一夫)
 清水美砂(斉藤直子、一夫の母)
 厚木拓郎(山本弘)
 寺島咲(吉野アケミ)
 小林桂樹(弘の祖父)
 石田ひかり(大野光子、担任教師)
 田口トモロヲ(斉藤孝造、一美の父)
 窪塚俊介(斉藤孝一、一美の兄)
 入江若葉(一美の祖母)
 関戸優希(金子正枝)
 高木古都(佐久井由香)
 斉藤健一(ヒロシ、変な大学生)
 高橋かおり(ピアノ運搬業者)
 宍戸錠(旅芸人一座座長)
 山田辰夫(旅芸人・女形)
 根岸季衣
 中原丈雄
製作・ジャンル: 日本/ドラマ・ファンタジー/120分

転校生 さよなら あなた 特別版 [DVD]








'82年に公開された大林映画「転校生」の自身によるリメイク。
舞台を前作の尾道から長野に移し、
さらに後半のストーリーを大幅に変えている。

主人公の2人、一夫と一美。
前作で演じた尾美としのりと小林聡美。
やはり一美役の小林が素晴らしい演技を見せ、尾美も好演。
尾道という情緒たっぷりの港町を背景に大ヒットし
尾道3部作の端緒となった。

本作は、大林が「20年に一人の逸材」と評した蓮佛美沙子が主演。
ちょっと原田知世似で、いかにも大林好み。
歌声(そして、曲自体)も、大林テーストをたっぷり感じさせる。
実際、感性のよさが光る素敵な女の子である。
一方、一夫役の森田直幸は、
下手ではないが、役の個性、自身の個性、いずれも見えてこない。

前作と大きな違いである、一美の死は意外。
病気にかかってなお、
体が元に戻るか何かのきっかけで治ってのハッピーエンドを当て込んでいたので…
リメイクを観る場合に抱く、邪魔な先入観というヤツだ。
死を一つのステップに新たに生きていく力を伝えたい意図も分かるが
やはり、人が死なないのがいいなあ。

『手紙』 [邦画(タ行)]

「手紙」('06)★★★★☆80点
監督: 生野慈朗
製作: 宇野康秀、大澤茂樹、高瀬哲、細野義朗、日下孝明、常田照雄
プロデューサー: 朴木浩実、橋口一成
エグゼクティブプロデューサー: 河井信哉、星野有香、大村正一郎、松山彦蔵
企画: 永江信昭、熱田俊治
製作エグゼクティブ: 依田巽
原作: 東野圭吾『手紙』
脚本: 安倍照雄、清水友佳子
撮影: 藤石修
美術: 山崎輝
編集: 川島章正
音楽: 佐藤直紀
音楽プロデューサー: 志田博英
照明: 磯野雅宏
出演:
 山田孝之(武島直貴)
 玉山鉄二(武島剛志)
 沢尻エリカ(白石由美子)
 吹石一恵(中条朝美)
 尾上寛之(寺尾祐輔)
 吹越満(緒方忠夫)
 風間杜夫(中条)
 杉浦直樹(平野)
 田中要次(倉田)
製作・ジャンル: 日本/ドラマ/121分

手紙 プレミアム版 [DVD]








山田孝之という俳優を初めて認識したのは
フジのTVドラマ「ロング・ラブレター〜漂流教室〜」だった。
常盤貴子目当てで見始めた私だったが、
まだ10代だった彼の整った顔立ちと瑞々しい演技が
私の目先を捉えて話さなかったのを覚えている。

その山田がドラマ「白夜行」以来で東野圭吾作品に出演。
お笑い芸人としての彼の演技はイマイチだが
陰を背負う役をやらせたら上手い。

犯罪の増加・凶悪化に歯止めのかからない現代社会。
我々も、こういったストーリーにいつ巻き込まれるか分からない。
さまざまなことを考えさせられる映画だった。

小説を読んでいないが、原作とは違うというラストには涙もした。

相変わらず生真面目すぎる感を否めない玉山鉄二も悪くはない。
ただ露出が少なかったせいもあるのだろうが
顔立ちの割に意外に影の薄いんだなと感じた。

玉山はともあれ、山田孝之には今後も注目していく。

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