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『チャタレイ夫人の恋人』 [洋画(タ行)]

「チャタレイ夫人の恋人」(TV)(1993)★★★★☆75点
原題: LADY CHATTERLEY
監督: ケン・ラッセル
製作: マイケル・ハジャッグ
製作総指揮: バリー・ハンソン、ロバート・ハジャッグ
原作: D・H・ロレンス
脚本: マイケル・ハジャッグ、ケン・ラッセル
撮影: ロビン・ヴィジョン
音楽: ジャン=クロード・プティ
出演:
 ジョエリー・リチャードソン(コニー・チャタレー夫人)
 ショーン・ビーン(オリヴァー・メラーズ、森番)
 ジェームズ・ウィルビー(クリフォード・チャタレー卿)
 シャーリー・アン・フィールド(ボルトン夫人)
 ヘティ・ベインズ(ヒルダ、コニーの姉)
 ケン・ラッセル(マイケル・リード卿、コニー&ヒルダの父)
 デヴィッド・スターン(フィールド)
 アマンダ・マーレイ(ドレイコット夫人)
 フランク・グライムス(リンリー氏)
 スー・ドルーエ(フリント夫人)
製作・ジャンル: 英国/ドラマ・ロマンス/210分

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D・H・ロレンスの文芸大作を映像化した
英国BBCのTV映画(全4話)。

第1話「ざわめく心」
第2話「禁断の森で」
第3話「愛の歓び」
第4話「運命に燃えて」

20歳のころ、文庫本を買い込んで読破を試みたことがあったが
普段から本を読まない私は、すぐに挫折。
以後、この名作のストーリーさえ知らないまま長年を過ごしてきた。

だから、とても新鮮な心持ちでフィルムに臨んだ。
そのタイトルから、勝手なイメージで
上流社会の一夫人が国を股に掛け、
ヨーロッパ中を列車で移動なんかしながら
同じく上流階級の男性とエレガントな不倫でもするんだろうなあ
と思っていた。

ところがどっこい、自邸の使用人との恋とは意外だった。
そのラグビー邸の玄関ホールに山ほどある肖像画は妙に印象的。
これも階級の象徴か。

BBCだから、プロットは原作に忠実なのだろうが
キャラクターについてはどうだろう?

クリフォードはあんなに気弱な性格なのだろうか?
少なくとも、もっと厳格なスノッブに仕立てた方が
他者との関係がドラマチックになる。

コニーの姿を見ていると
自由とはこういうことなんだ、と教えられる。
全裸で雨の中を走り回る彼女を見ていると
時代も進み、しかも英国のような階級意識のない日本でも
あんな風に自分を解放できるだろうか。

階級の壁を破り、
階級の殻の中に囚われている自己を解放したのは
許されぬ恋に落ちた2人ではなく
その一方のコニーだけである。
彼女の衝動と行動力こそが、禁断の恋を成就させたのだ。

他方、メラーズ。
コニーが森の小屋を訪ねてくるのを待つ。
自分からコニーを奪いに行くことはない。
カナダへの船に乗り込み、コニーが追いかけてきてくれるのを待つ。
ただひたすら待つだけ、常に受身の人間。

コニーの姿を追いかけながら、今の自分を思った。
俳優という職は、世間に言わせれば
サラリーマンよりも気楽で自由を謳歌できる商売。
個人的には、
サラリーマンが手にできるものを沢山犠牲にしているから
一概に比較できるものではないと思っている。

そこで、私はどれだけ自由に行動しているだろうか。
生活を理由にこじんまりとまとまってはいないか。
好きなように体を動かしているようでいて、
その体の各部は十分伸びきっておらず、強ばったままではないか。
コニーの勇気を見習わなくてはならない、と強く触発された。
私は幸運がめぐってくるのをただ待っているメラーズにはならない、
自分で道を切り開くコニーになる。

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