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『セクシー地帯』 [邦画(サ行)]

「セクシー地帯(ライン)」(1961)★★☆☆50点
監督・脚本: 石井輝男
製作: 大蔵貢
企画: 佐川滉
撮影: 須藤登
美術: 宇寿山武夫
音楽: 平岡精二
録音: 根岸寿夫
照明: 岡庭正隆
出演:
 吉田輝雄(吉岡博司、"東洋貿易" 営業部社員)
 三原葉子(真弓、スリ)
 三条魔子(滝川玲子、"東洋貿易" タイピスト)
 池内淳子(秋子、"ラ・ムール" の女)
 細川俊夫(須藤五郎、刑事)
 沖竜次(瀬川、"クロッキー・クラブ" のボス)
 鳴門洋二(内山)
 高城美佐(内海晴子)
 佐々木孝子(八田路子)
 九重京司(森川荘介、"東洋貿易" 営業部長)
 吉田昌代(ホテルの女)
 新宮寺寛(浅草の男)
 根岸十九子(浅草の娘)
 若緑映子(令嬢風の女)
 加藤欣子(管理人の女)
 近衛敏明(関西弁の紳士)
 守山竜次(東京駅の紳士)
 村野英子("東洋貿易" の女事務員)
 金光洋子("東洋貿易" の女事務員)
 岡竜弘("東洋貿易" の課長)
 飯田公男(吉岡の同僚)
 池月正(吉岡の同僚)
 佐伯一男(瀬川の子分)
 西一樹(タクシーの運転手)
 三宅実(タクシーの運転手)
製作配給・ジャンル: 新東宝/クライム・サスペンス/82分

セクシー地帯 [DVD]





前作「黄線地帯」に続いて鑑賞した
新東宝製作の "地帯(ライン)" シリーズの第4弾。
婚約者殺人の濡れ衣を着せられた一貿易会社社員が、
謎の会員証の秘密を探るうち、
女スリとともに売春斡旋組織の闇に迫る姿を描く。
本作でも、吉田輝雄と三原葉子が主役を張る。

部長から預かった重要書類を真弓に掏られてしまった吉岡。
実は、それは "ビザール・クロッキー・クラブ" の会員証だった。
バー "バッカス" で会員と間違われた吉岡と真弓は
それが買春クラブの会員証であることを知る。
バーのドアに付けられた金属プレートが、
例の会員証と同じマークであることに気付いた吉岡は
同じプレートが張り付けられた、他のバーを探し歩く。
そして、組織に所属する売春婦と接触して
ストーリーは大詰めへと突き進んでいく。

売春組織と婚約者殺害が結びつく過程を含め
組織にたどり着くまでの工程はよく出来ている。

前作にも言えることだが、
謎解きに重点が置かれており
組織の核心にたどり着いた後が呆気ない。
当世なら、脱出シーンも立派な見せ場、
いや、それこそクライマックスとなるところだ。

また、売春組織もそのボスも、ちゃちな点がつまらない。
アジトの地下で、吉岡と真弓を殺そうとするも
"地下で銃を撃てば、響いて周りに聞こえるから拙いんじゃない?"
という真弓の発言に、
いとも簡単に説得されてしまう程度の浅はかなボスなのだ。
殺害の方法ならいくらでもあるだろうに。

本作でも、前作に続いて
"ハクイスケ" の単語が飛び出す。
当時、イカした言葉として流行っていたのだろうか。

真弓が "パー" という仕草をするのも時代を感じさせる。
クルクルパー。
"頭がおかしい" ことを指す、この言葉とジェスチャーも
今の若者には通用しない。

開映間もなく
玲子が森川部長からの手切れ金としてもらう小切手。
瑣末なことだが、
小切手の数字の3を8に書き換えるのはあんまりだ。
あんな改ざんではバレバレ。
銀行に受け入れてもらえるわけはない。
小さなメッセージがヒントになって進行するサスペンス。
大筋に関係ないからと言って蔑ろにしてほしくない。

時間経過の象徴として用いられている、銀座の和光・服部時計台。
まったく効果的ではないが
当時から、銀座のシンボルだったことが知れる。

主役以外で目を引くキャストは
後年 "味噌汁の似合う日本のお母さん" と評された池内。
TVで人気を博していたトップ女優が、
売春婦役で脇役に甘んじているのがもったいない。

のちに時代劇でも活躍する細川俊夫は
出番の少ない刑事役ながら、
その端正な顔立ちで存在感を発揮している。

月並みなエンディングで、尻すぼみは否めない。
 
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