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『モンキー・ビジネス』 [洋画(マ行)]

「モンキー・ビジネス」(未)(1952)★★★☆65点
原題: MONKEY BUSINESS
監督: ハワード・ホークス
製作: ソル・C・シーゲル
原案: ハリー・シーガル
脚本: ベン・ヘクト、チャールズ・レデラー、I・A・L・ダイアモンド
撮影: ミルトン・クラスナー
音楽: リー・ハーライン
出演:
 ケイリー・グラント(バーナビー・フルトン博士)
 ジンジャー・ロジャース(エドウィナ・フルトン、バーナビーの妻)
 チャールズ・コバーン(オリヴァー・オクスリー、社長)
 マリリン・モンロー(ロイス・ローレル、社長秘書)
 ヒュー・マーロウ(ハンク・エントウィッスル)
 アンリ・レトンダル(ジェローム・キッツェル博士)
 ダグラス・スペンサー(ブラナー博士)
 ダブス・グリア(タクシー運転手)
製作・ジャンル: 米国/コメディ/97分

モンキー・ビジネス [DVD]








研究開発中の若返り薬が引き起こすドタバタコメディ。

単に数年若返るに留まらず、子供の年齢まで退行してしまうことと、
時代からして、当然CGなど使っていないから
精神年齢は下がっても外見は若返らないこと、
この2点が、喜劇的要素を構成するポイントとなっている。

作品冒頭、BGMをバックにクレジットが流れる場面。
玄関のドアを開けて登場するグラントが
監督であろう人の声で、
"まだ出が早い" とダメを出されて、家の中に戻る。
そして、またクレジットが流れ出すのだが
そこで、もう一度同じボケをかぶせてくる。
日本のお笑いで言うところの、"天丼" である。
手法の多様化した今なら、特段珍しくないことだろうが、
この時代、こうした趣向で作品がスタートするところに
ホークス監督の粋を感じる。

タイトルの "Monkey Business" とは
文字通り、"猿の仕業" を指すと同時に
"イタズラ" や "いんちき" を表わす英語の口語である。
効果のある若返り薬を調合するのが、猿[チンパンジー]で、
その結果が、周りに騒動を巻き起こすイタズラと化す。
本物のチンパンジーが登場するわけだが、
ビーカーやメスシリンダーを巧みに扱って調合する器用さには
ただただ感心してしまう。
いやあ、チンパンジーってホントに賢い。

薬を開発する博士に扮するはC・グラント。
ラブロマンスでも、
気の利いたジョークで、ユーモアの素養のある所を見せている彼。
三枚目には成り切れていないが
真っ向勝負のコメディにおいても、健闘している。

一方、G・ロジャースがめっぽう笑わせてくれる。
ロジャースといえば、
アステアと組んだミュージカル映画で名を馳せたように
ダンスの名手。
この作品でも、薬で若返り・幼児化する様を
得意のチャールストンを駆使して、茶目っ気たっぷりに魅せてくれる。
ロジャースがいなければ、作品の大半が喜劇として成り立たない。
彼女がガンガン引っぱり回すからこそ、グラントも面白くなる。

モンローは、本作と同年公開の「ノックは無用」で
注目を集め、スターダムへの階段を急ぎ昇っていくことになる。
おとぼけの可愛らしさと、セクシーぶりが
本コメディのアクセントとなっている。
また、「ナイアガラ」でクローズアップされる
モンローウォークを、本作でも披露。
後年よりむっちりしたモンローのプロポーションは
若さも手伝って、明るいエロティシズムを演出している。

赤ん坊の闖入で、事がエスカレート。
薬の効いた夫と、その赤ん坊を取り違えるエドウィナ。
"私はあなたの妻よ" と赤ん坊に話しかける彼女に
タクシードライバーが驚き、当惑するシーンがとってもおかしい。

大笑いできる映画ではないが、ほのぼのと楽しめる。
ラストは、オープニングと同じく
パーティに出かけるシーンを持ってきて、
着地も無難に決めている。
 
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