『イル・ディーヴォ:魔王と呼ばれた男』 [洋画(ア行)]
「イル・ディーヴォ:魔王と呼ばれた男」(2008)★★☆☆☆40点
原題: IL DIVO
監督・脚本: パオロ・ソレンティーノ
製作: ニコラ・ジュリアーノ、フランチェスカ・シーマ、アンドレア・オキピンティ
撮影: ルカ・ビガッツィ
音楽: テオ・テアルド
出演:
トニ・セルヴィッロ(ジュリオ・アンドレオッティ)
アンナ・ボナイウート(リヴィア・ダネーゼ、アンドレオッティ夫人)
ジュリオ・ボセッティ(エウジェニオ・スカルファリ)
カルロ・ブチロッソ(パオロ・チリノ・ポミチーノ、予算大臣)
フラヴィオ・ブッチ(フランコ・エヴァンジェリスティ、アンドレオッティ)
アルド・ラッリ(ジュゼッペ・チャッラピーコ、実業家)
マッシモ・ポポリツィオ(ヴィットリオ・スバルデッラ、代議士)
アキーレ・ブルニーニ(アンジェリーニ枢機卿)
ジョルジョ・コランジェリ(サルヴォ・リーマ)
アルベルト・クラッコ(ドン・マリオ)
ピエラ・デッリ・エスポスティ(エネア夫人)
ロンバルド・フォルナーラ(ミケーレ・シンドーナ、銀行家)
ロレンツォ・ジョイエッリ(ミーノ・ペコレッリ、記者)
パオロ・グラツィオージ(アルド・モーロ、キリスト教民主党党首)
ジャンフェリーチェ・インパラート(ヴィンチェンツォ・スコッティ)
オラツィオ・アルバ(ガスパレ・ムトロ)
クリスティーナ・セラフィーニ(カテリーナ・スターニョ)
受賞:
カンヌ国際映画祭
■審査員賞 パオロ・ソレンティーノ
ヨーロッパ映画賞
■男優賞 トニー・セルヴィッロ
製作・ジャンル: イタリア/ドラマ・伝記/110分
当初、未公開だったが、
"イタリア映画祭2009" で本邦初上映となった。
マフィアとの癒着や暗殺事件への関与を取り沙汰された
イタリアの政治家、G・アンドレオッティ。
彼が大統領選に敗れ、数々の事件で起訴されるまでを描いた映画。
アンドレオッティという政治家は、
長らく、イタリア政財界をはじめ、法曹界や教会など
イタリア社会を牛耳っていたと言って過言でない存在だったようだ。
権勢の規模や影響力を持った分野に違いはあるだろうが、
日本で言えば、
ロッキード事件への関与で逮捕され "目白の闇将軍" と揶揄された
故・田中角栄氏、といったところだろう。
私は、イタリアは勿論、外国の近代・現代政治史に暗い。
政治に疎い連中が、こういった作品を観る場合、
春先にロードショーを観た
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」と同様のことが言える。
つまり、
表面的な史実やエピソードを並べられても、面白くも何ともない。
内幕に見る駆引きや工作を
ドラマチックに描いて見せてくれないことには、
怒涛のように登場する人名に押しつぶされ、
観る気を失うばかりである。
その名が耳慣れない外国人の名前であれば尚更である。
一方、セルヴィッロ以下の俳優陣は
「マーガレット~」でサッチャーを演じたM・ストリープ同様
自分たちが扮した実在の人物像を研究し
外見やその所作を、微にいり細にいり似せているであろう。
その点は、実在の人物を知らずとも
セルヴィッロが戯画的ともいえる形で演じる
アンドレオッティの立ち居振る舞いに如実に表われている。
史実を知らないと、結局
そういった瑣末的な部分にしか面白味を見出せない。
実名を出して描くからには
フィクションのように、裏打ちのない筋を追うことができないため
突っ込んだ描き方もできないというジレンマが付きまとう。
松本清張の「けものみち」や山崎豊子の「白い巨塔」のような作品に
仕上がるのなら諸手を挙げて歓迎なのだが…
ちなみに、
魔王ことアンドレオッティはいまだ存命である。
原題: IL DIVO
監督・脚本: パオロ・ソレンティーノ
製作: ニコラ・ジュリアーノ、フランチェスカ・シーマ、アンドレア・オキピンティ
撮影: ルカ・ビガッツィ
音楽: テオ・テアルド
出演:
トニ・セルヴィッロ(ジュリオ・アンドレオッティ)
アンナ・ボナイウート(リヴィア・ダネーゼ、アンドレオッティ夫人)
ジュリオ・ボセッティ(エウジェニオ・スカルファリ)
カルロ・ブチロッソ(パオロ・チリノ・ポミチーノ、予算大臣)
フラヴィオ・ブッチ(フランコ・エヴァンジェリスティ、アンドレオッティ)
アルド・ラッリ(ジュゼッペ・チャッラピーコ、実業家)
マッシモ・ポポリツィオ(ヴィットリオ・スバルデッラ、代議士)
アキーレ・ブルニーニ(アンジェリーニ枢機卿)
ジョルジョ・コランジェリ(サルヴォ・リーマ)
アルベルト・クラッコ(ドン・マリオ)
ピエラ・デッリ・エスポスティ(エネア夫人)
ロンバルド・フォルナーラ(ミケーレ・シンドーナ、銀行家)
ロレンツォ・ジョイエッリ(ミーノ・ペコレッリ、記者)
パオロ・グラツィオージ(アルド・モーロ、キリスト教民主党党首)
ジャンフェリーチェ・インパラート(ヴィンチェンツォ・スコッティ)
オラツィオ・アルバ(ガスパレ・ムトロ)
クリスティーナ・セラフィーニ(カテリーナ・スターニョ)
受賞:
カンヌ国際映画祭
■審査員賞 パオロ・ソレンティーノ
ヨーロッパ映画賞
■男優賞 トニー・セルヴィッロ
製作・ジャンル: イタリア/ドラマ・伝記/110分
当初、未公開だったが、
"イタリア映画祭2009" で本邦初上映となった。
マフィアとの癒着や暗殺事件への関与を取り沙汰された
イタリアの政治家、G・アンドレオッティ。
彼が大統領選に敗れ、数々の事件で起訴されるまでを描いた映画。
アンドレオッティという政治家は、
長らく、イタリア政財界をはじめ、法曹界や教会など
イタリア社会を牛耳っていたと言って過言でない存在だったようだ。
権勢の規模や影響力を持った分野に違いはあるだろうが、
日本で言えば、
ロッキード事件への関与で逮捕され "目白の闇将軍" と揶揄された
故・田中角栄氏、といったところだろう。
私は、イタリアは勿論、外国の近代・現代政治史に暗い。
政治に疎い連中が、こういった作品を観る場合、
春先にロードショーを観た
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」と同様のことが言える。
つまり、
表面的な史実やエピソードを並べられても、面白くも何ともない。
内幕に見る駆引きや工作を
ドラマチックに描いて見せてくれないことには、
怒涛のように登場する人名に押しつぶされ、
観る気を失うばかりである。
その名が耳慣れない外国人の名前であれば尚更である。
一方、セルヴィッロ以下の俳優陣は
「マーガレット~」でサッチャーを演じたM・ストリープ同様
自分たちが扮した実在の人物像を研究し
外見やその所作を、微にいり細にいり似せているであろう。
その点は、実在の人物を知らずとも
セルヴィッロが戯画的ともいえる形で演じる
アンドレオッティの立ち居振る舞いに如実に表われている。
史実を知らないと、結局
そういった瑣末的な部分にしか面白味を見出せない。
実名を出して描くからには
フィクションのように、裏打ちのない筋を追うことができないため
突っ込んだ描き方もできないというジレンマが付きまとう。
松本清張の「けものみち」や山崎豊子の「白い巨塔」のような作品に
仕上がるのなら諸手を挙げて歓迎なのだが…
ちなみに、
魔王ことアンドレオッティはいまだ存命である。
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