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『死ぬまでにしたい10のこと』 [洋画(サ行)]

「死ぬまでにしたい10のこと」(再)(2003)★★★★☆80点
原題: MY LIFE WITHOUT ME
監督・脚本: イザベル・コイシェ
製作: エステル・ガルシア、ゴードン・マクレナン
製作総指揮: アグスティン・アルモドバル、ペドロ・アルモドバル、オグデン・ギャヴァンスキー
撮影: ジャン=クロード・ラリュー
出演:
 サラ・ポーリー(アン)
 スコット・スピードマン(ドン、アンの夫)
 デボラ・ハリー(アンの母)
 マーク・ラファロ(リー)
 レオノール・ワトリング(アン、アンの隣人)
 アマンダ・プラマー(ローリー、アンの夜間清掃仲間)
 ジュリアン・リッチングス(トンプソン、担当医)
 マリア・デ・メディロス(美容師)
 アルフレッド・モリナ(アンの父)
 ジェシカ・アムリー(ペニー、アンの長女)
 ケーニャ・ジョー・ケネディ(パッツィー、アンの次女)
 ディアンナ・ヘンリー(ソニー、ウェイトレス)
製作・ジャンル: カナダ=スペイン/ドラマ・ロマンス/106分

死ぬまでにしたい10のこと [DVD]








弱冠23歳にして余命2ヶ月の宣告を受けた女性が
残されたわずかな時間の中で、
自分や周りの人間と改めて向き合う姿を描いた作品。

S・ポーリーが演じる主人公アンには、透明感があふれている。
その透明感は
決して生活感のない無機質なものではなく、
日常にしっかり根を下ろした実存的なものである。

自分の死後、娘に毎年誕生日のメッセージを贈ると決めるアン。
夜中、車の中一人、
テープにメッセージを吹き込む姿は切なくも美しい。

無邪気な2人の娘。
単純だが、素朴で朗らかな夫。
過去を悔い、他人に素直になれない母。
心を病み、過食に走る友。
トラウマを抱えた隣人。
身近にいるのは、実直で優しい存在ばかりだ。
それが、迫りくるアンの死をより悲しいものにする。

病院に運ばれたアンを検査するために初めて登場した時には
その特徴的な顔つきから、
嫌味なふざけた医者かなと思わせたトンプソン先生。
実は、心優しい誠実な医師だったことが
とても意外で、無性に嬉しくなった。

ジンジャー味のキャンディーでつながった2人の心。
そんなちっぽけなことでさえ
人の愛の尊さ・美しさを感じさせてくれる。

唯一白けてしまったのは
スーパーマーケットでの一瞬の空想シーン。
踊る客や従業員の様がぎこちなくて中途半端なのだ。
やるなら徹底的に、あるいはスタイリッシュにやってほしい。

アンはリーのことを本当に愛していたのだろうか。
リストアップした項目の一つであった "別の男との恋" を叶えながらも
アンはリーを愛していたのではなく
最後の生を精一杯素敵なものにしたいという
自らの生に対する執着でありエゴであったろう。
だが、その立場に立ったことのない人間には
それを云々する資格はないように思う。

アンがリストアップした "死ぬまでにしたい10のこと"。
1. 娘たちに、一日に何度も "愛してる" と言う
2. ドンに、娘たちの気に入る新婦を探す
3. 娘たちが18歳になるまで毎年誕生日に贈るための、メッセージを録音する
4. 家族でビーチにピクニックに出かける
5. 好きなだけ、酒とタバコを楽しむ
6. 思っていることを話す
7. 他の男性とHしてみる
8. 誰かを恋の虜にしてみせる
9. 刑務所にいる父親に会いに行く
10. つけ爪をする(そして、ヘアスタイルを変える)

私なら、どんな項目を並べるだろうか。

タイトルの "MY LIFE WITHOUT ME" が示すように
慈しみたっぷりにアンが残したメッセージは、
彼女と絆を育んだ者たちに
生きる喜びをきっと再認識させてくれるにちがいない。
 
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