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『あなたになら言える秘密のこと』 [洋画(ア行)]

「あなたになら言える秘密のこと」(2005)★★★★☆80点
原題: LA VIDA SECRETA DE LAS PALABRAS
英語題: THE SECRET LIFE OF WORDS
監督・脚本: イザベル・コイシェ
製作: エステル・ガルシア
製作総指揮: ジャウマ・ロウレス、アグスティン・アルモドバル
撮影: ジャン=クロード・ラリュー
プロダクションデザイン: ピエール=フランソワ・ランボッシュ
衣装デザイン: タティアナ・エルナンデス
編集: イレーヌ・ブレクア
出演:
 サラ・ポーリー(ハンナ・アミラン)
 ティム・ロビンス(ジョゼフ)
 ハビエル・カマラ(サイモン、コック)
 エディ・マーサン(ヴィクター、精錬所職員)
 スティーヴン・マッキントッシュ(シュルツァー)
 ジュリー・クリスティ(インゲ)
 レオノール・ワトリング(ジョゼフの親友の妻)
 ダニエル・メイズ(マーティン、海洋学者)
 スヴァレ・アンケル・オウズダル(ディミトリ)
 ダニー・カニンガム(スコット、機関士)
 ディーン・レノックス・ケリー(リアム、機関士)
 エマニュエエル・イードーウ(アブドゥル、掃除夫)
製作・ジャンル: スペイン/ドラマ/114分

あなたになら言える秘密のこと [DVD]








「死ぬまでにしたい10のこと」のコイシェ監督が
S・ポーリーを再び主役に起用。
他人との交流を避けて生活する孤独な女性の、
心の傷とその再生を描く。

常に、卸したての固形石けんしか使わず
食べるのは、チキンとリンゴと白米だけ。

真面目に仕事に取り組み、ストイックに暮らす彼女は、
ふとしたきっかけで
海に浮かぶ油田掘削所で大火傷を負った男を看護することになる。

掘削所に集う面々は、実直で優しい人たちの集まり。
私もこういう人たちと一緒なら、心地いいだろうなと思う。

海の保護に献身しようとするマーティン。
そのひたむきさに感激するハンナの様子に、
彼女の優しさと、心に刻まれた傷の深さをうかがわせる。

火傷で一時的に視力を失っているジョセフは
音と匂いの想像力の中で、
軽口をたたきながら、ハンナとの心の距離を縮めていく。

泳げないばかりに味わった、海での辛い幼少体験を
ハンナに語ったジョセフ。
ハンナは、そんなジョセフに心を許し
クロアチア戦争で、自国兵に監禁・レイプされた体験を語りはじめた。
シャツを脱ぎ、
白い肌に刻まれた無数のナイフによる切り傷に触れさせるハンナ。
心のすべてをジョセフの胸に預けた瞬間である。

ジョセフが病院へ移動となり、
ハンナは元の場所へと戻っていく。

ジョセフは、ハンナのカウンセラーの元を訪ね
ハンナを迎えに行く。

共に生きることを求めるジョセフに対し、
"自分にはいつか涙が止まらなくなる日が訪れ
涙の洪水で2人とも溺死するにちがいない"
と、拒む彼女。
"泳ぎを覚える" というジョセフの返しが利いている。

顔がちっちゃい上に、195cmという長身のT・ロビンス。
(ニューヨークの小さい劇場で、彼の一人舞台を観たが
本当に、圧倒されるほど背が高い)
抱き合う2人の身長差が、また何とも言えず微笑ましい。

2人が一緒になって万事解決、にせずに
子供も生まれた結婚生活の中で、
少しずつ、そして確実に、ハンナの傷は癒されていくだろう
という示唆に、
全編を通じて流れる、作り手の静かで優しい目線を感じる。

これは、「死ぬまでに~」しかり
コイシェ作品に共通したスタイルである。
どちらも素敵な映画だが、私はこちらの方が好きだな。

筋には関係ないが
ハンナが立ち寄るレストランに、日本語の歌が流れている。
"神山みさ" なる女性歌手の「けんかは嫌い」という曲らしい。
また、ジョセフが語る話の一つに
日本人が夢をプログラムできる枕を発明、というのも登場する。
コイシェ監督は日本びいきなのだろうか。
「死ぬまでに~」の主人公・アンは
音楽の代わりに、中国語を聴いていたから、
アジアンテイストがお好きなのかも。
 
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