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『グリーンフィンガーズ』 [洋画(カ行)]

「グリーンフィンガーズ」(2000)(再)★★★★☆80点
原題: GREENFINGERS
監督: ジョエル・ハーシュマン
製作: トラヴィス・スウォーズ
製作総指揮: ダニエル・J・ヴィクター
脚本: ジョエル・ハーシュマン
撮影: ジョン・デイリー
音楽: ガイ・ダガル
出演:
 クライヴ・オーウェン(コリン・ブリッグス)
 ヘレン・ミレン(ジョージーナ・ウッドハウス)
 デヴィッド・ケリー(ファーガス・ウィルクス)
 ウォーレン・クラーク(ホッジ、エッジフィールド刑務所長)
 ダニー・ダイア(トニー)
 アダム・フォガティ(ロウ)
 パターソン・ジョセフ(ジミー)
 ナターシャ・リトル(プリムローズ・ウッドハウス)
 ピーター・ギネス(ダドリー、看守長)
 ルーシー・パンチ(ホリー)
 サリー・エドワーズ(スーザン・ホッジ)
 ドナルド・ダグラス(ナイジェル)
 ケヴィン・マクモナグル(ローレンス)
製作・ジャンル: イギリス=アメリカ/コメディ・ドラマ/91分

グリーンフィンガーズ [DVD]








実話に基づいた心温まる映画。

公開当時に観ているのだが、
どこでどう記憶違いしたのか、
主役のコリンを演じていたのは
ラッセル・クロウだとばかり思っていた。

その主演は、クライヴ・オーウェン。
どこか影のある顔立ち。
芯が強く、それでいて心優しいコリンを好演している。

時系列的には、のちに再現されるシーンであるが、
映画冒頭、花を盗んだコリンは街中を逃げ回る。
緑あふれる小じんまりした街並みがとても美しい。
追いかけるパトカーも通れないほど道幅の狭い橋が
小川に架かっている一角など
箱庭を見ているような錯覚を覚える。

そして、時間を遡ること一年前。
コリンは、一般刑務所から
開放的な特別刑務所・エッジフィールドに移送される。
他人との交流を避けるコリンだったが、
ルームメイトの老人・ファーガスが
ガンをはじめ、いくつもの病に冒されているのを知ったことで、
心を開き、彼との距離を急速に縮めていく。
ファーガスがクリスマスに、コリンにプレゼントしたスミレの種が
花を咲かせたことをきっかけに、
刑務所でのガーデニング作業がスタートする。

タイトルの「グリーンフィンガーズ」は
天才園芸師を意味する。

囚人たちの園芸指南役となるカリスマ・ガーデニストを演じるは、
近年、犯罪ドラマ「第一容疑者」で再注目を浴びた名優H・ミレン。
流石、ただいるだけで気品がにじみ出る。

ハンプトンコートのフラワーショーに向けて
強盗や殺人を犯してきた囚人たちが
思い思いの理想の庭を真面目に語る場面は愉快。
大会を前に、花に語りかけるコリン。
優しく励ますその言葉は、自分自身に向けられているようでもある。

民間労働先での盗難事件による
フラワーショー辞退から程なくして、
コリンの釈放が決まる。

"霜が来たら、バラに袋がけを頼む" というコリンの頼みに、
"I won't forget. You can depend on me, Son.(忘れないよ。任せておけ、息子よ)" と答えるファーガス。
Son(息子)という言葉が象徴するように、
2人の絆は、いつの間にか
親子と言えるまでに深く強いものに育っていたのだ。
字幕では、この "Son" を無視しているが、
直訳調の硬い言葉になっても、
訳出しなくてはならない大切な単語だと思うのだが。

出所するコリンをプリムローズが迎えにやってくるシーンでは
我らがBoss、ブルース・スプリングスティーンの歌が使われている。
イギリス映画に、アメリカのスーパースターのバラッドが流れることに
ちょっと不思議な感覚を覚えた。

一度は駄目になったハンプトンコート・フラワーショー。
一年後に再度の招待を受けるのだが、
コリンの出所後であったために
仲間からの要請を受けたコリンは、
軽罪を犯してエッジフィールドに舞い戻る。
これが、冒頭のシーンである。

大会を待たずして世を去るファーガス。
彼の遺志で、"野草の庭園" で大会に挑むコリンたち。
審査前に、コリンはファーガスの遺灰を庭に撒いてやる。
遺灰を入れた缶が、
庭に据えたファーガスの人形の頭の中から現われるのはご愛嬌。

受賞こそならなかったが、
コリンたちは女王への謁見を許される。
女王の元へ向かう3人の笑顔は素敵だ。

思えば
濡れ衣で逃亡犯と化したトニー、
可哀想だなあ。

ところで、現実には
この後、エッジフィールドの囚人たちは
主要な大会での受賞を重ね、
ついには
ハンプトンコートの最高賞・チューダーローズ賞を
獲得したそうである。
事実は小説よりも "輝" なり(拍手)。
 
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