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『アサルト13 要塞警察』 [洋画(ア行)]

「アサルト13 要塞警察」(2005)★★☆☆50点
原題: ASSAULT ON PRECINCT 13
監督: ジャン=フランソワ・リシェ
製作: パスカル・コシュトゥー、ジェフリー・シルヴァー、ステファーヌ・スペリ
製作総指揮: ドン・カーモディ、ジョセフ・カウフマン、セバスチャン・クルト・ルメルシエ
脚本: ジェームズ・デモナコ
オリジナル脚本: ジョン・カーペンター
撮影: ロバート・ギャンツ
編集: ビル・パンコウ
音楽: グレーム・レヴェル
出演:
 イーサン・ホーク(ジェイク・ローニック、13分署巡査部長)
 ローレンス・フィッシュバーン(マリオン・ビショップ、ギャングのボス)
 ガブリエル・バーン(マーカス・デュヴァル、組織犯罪対策班警部・ポートノウの上司)
 ドレア・ド・マッテオ(アイリス・フェリー、13分署警察秘書)
 ブライアン・デネヒー(ジャスパー・オーシェア、13分署老巡査部長)
 マット・クレイヴン(ケヴィン・キャプラ、13分署警官)
 ピーター・ブライアント(ホロウェイ、13分署警部補)
 キム・コーツ(ローゼン、13分署警官)
 マリア・ベロ(アレックス・サビアン、精神科医)
 ジョン・レグイザモ(ベック、強盗犯)
 ジャ・ルール[ジェフリー・'ジャ・ルール'・アトキンス](スマイリー、偽ブランド品職人)
 アイシャ・ハインズ(アンナ、女ギャング)
 フルヴィオ・セセラ(レイ・ポートノウ、潜入捜査官)
 カリー・グレアム(マイク・カハネ)
 ヒュー・ディロン(トニー)
製作・ジャンル: 米国=仏国/アクション・サスペンス/110分

アサルト13 要塞警察 [DVD]








ジョン・カーペンター監督の傑作アクション
「要塞警察」のリメイク作品。

オリジナルで、主役の警官の名前だったビショップは
本リメイク作品では、囚人であるギャングのボスに付いている。
さらに、事件の発端が
オリジナルのように、警察や護送囚以外の第3者にあるのではなく、
ビショップこそが外敵の襲撃を受ける元凶となれば、
オリジナルを知る者は、尚ほくそえむ。

ビショップに扮するのは
「マトリックス」シリーズで一躍有名になったL・フィッシュバーン。
その体格と目立つルックスで
ギャングのボスとしての大物感を醸し出している。

リメイク(以下、改作)と言っても、
オリジナル(以下、原作)と異なる点は多い。

敵が銃撃戦のあった痕跡を消して平常を装おうとしても
もし近隣住民や警察が無関心でなければ、
救援を要請できる環境であった原作に対して、
改作では、外部から遮断され孤立を招く原因も
吹雪や電波・通信妨害など、万人が被る不可避なものだけ。
事件終結の鍵にもなりうる人的要素が排除された形である。

ビショップは事件の元凶だが
襲撃に来たのがビショップを奪還しようとする手下ではなく
ビショップを亡き者にせんとするポートノウの部下、
言い換えればデュヴァルの部下たちだった。
事件の裏には、
ギャングと結託した警察組織の汚職が潜むというサスペンス。
ビショップだけでなく、13分署のメンバーまでも狙われるのには、
汚職を知ることで口封じの対象に加えられた
という明確な理由が存在する。

そのほか、改作における、原作との違いを列挙してみる。
・分署内の銃器・弾薬もはるかに豊富。
・分署の建物内外の攻防ではなく、最後には
 生き残り全員が分署の建物を飛び出し、野外での戦闘となる。
・脱走を図る囚人たち、味方を敵に売る者など、
 分署内のメンバーに裏切り者が出現する。

逆に、
敵の求める人物一人を引き渡せば済むところを、
"助けを求めてきた人間を見殺しに出来ない"
"警官殺しを野放しに出来ない" の具体的事実の違いこそあれ、
主役のとる行動が、警官としての正義感に支えられている点は
両作品に共通している。

相違点は、プロット上のものにとどまらない。
攻めてくるのは汚職警官の集団、
と敵の氏素性がはっきりしている本作には
実態や性格が知れない異様性は微塵もない。

ストーリーが展開する前に、
過去の事件によってトラウマを抱えているなど、
主役のプロフィールが非常に細かく前置きされているのも
大きく違う点の一つ。

緊迫した対峙状況よりも
登場各人のドラマや心理的な駆け引きに重きが置かれている。
カーペンター作品とは全くテーストの違う
新作のクライム・サスペンスと考えるのが適当だろう。

ただし、
瑣末的なドラマが多い上に、どのドラマをとってみても中途半端。
"襲撃側 vs 分署側"="悪 vs 正義" という大きな構図の中に、
ビショップ vs ローニック、密告や脱走を企む者達 vs ローニック、と
分署内に、小さな "悪 vs 正義" の構図を重ねることで
軸となる対峙関係が不明瞭になっては本末転倒。

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