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『ペーパー・ムーン』 [洋画(ハ行)]

「ペーパー・ムーン」(1973)★★★★☆80点
原題: PAPER MOON
監督・製作: ピーター・ボグダノヴィッチ
原作: ジョー・デヴィッド・ブラウン
脚本: アルヴィン・サージェント
撮影: ラズロ・コヴァックス
プロダクションデザイン: ポリー・プラット
出演:
 ライアン・オニール(モーゼ・プレイ)
 テイタム・オニール(アディ・ロギンス)
 マデリーン・カーン(トリクシー・ディライト)
 ジョン・ヒラーマン(ハーディン保安官/ジェス・ハーディン)
 P・J・ジョンソン(イモジン)
 バートン・ギリアム(ホテルのフロント係)
 ローズマリー・ランブリー(ビリー伯母さん)
受賞:
 アカデミー賞
  ■助演女優賞 テイタム・オニール、マデリーン・カーン
 ゴールデン・グローブ
  ■有望若手女優賞 テイタム・オニール
製作・ジャンル: 米国/ドラマ/103分

ペーパー・ムーン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]








聖書の押し売りで稼ぐペテン師・モーゼが
母を亡くしたアディを親戚の家に送り届けるロード・ムービー。

本作は、ライアンの実の娘テイタムのデビュー作にして
実の親子が、親子もどきを演じた貴重な作品。

頭の回転の速いませガキを、テイタムが見事に演じている。
オスカー受賞もうなづける天才ぶり。
親子俳優のやりとりは息もぴったりだ。
大人顔負けの演技を披露する彼女も
がに股で階段を駆け下りる姿などを見ると
やはり子供だな、と安心する。

詐欺を働きながらの道中、大の大人であるモーゼは
わずか9歳の女の子に、
お釈迦様の手の上で弄ばれるかのように、手玉に取られる。
ペテン師のお株を奪われることもあれば
知らぬ間に、アディのシナリオ通りに踊らされもする。

しかし、それも
すべては、父親かもしれないモーゼに対する愛情のなせる業。
当初、相手にもしていなかったモーゼが
旅を続けるうちに、アディに愛情を覚えていく様は微笑ましい。

道中出会うのは、いいことばかりではない。
予想のつかない出来事が次々に起こるストーリー展開も
観る者を飽きさせない。

伯母の家に送り届けられたアディが
モーゼを追いかけてくるであろうことは想像がつくが
"200ドルをまだ返してもらっていない" ことを理由に
連れて行け、とアディが要求するラストには
思わず泣き笑いしてしまう。

流れるエンドロールの向こう、
坂の下に小さくなっていくトラックを見ながら
きっと2人が幸せな親子になることを確信するのである。
DVDのジャケット写真はもう夢の代物ではなく、
アディがペーパームーンに一人で腰かけることはもうない。
素敵な親子愛に心温まる秀作。

シャーリー・テンプルの再来と騒がれたテイタム。
「がんばれ!ベアーズ」シリーズの大ヒットの後、
全くいい役に恵まれず
稀代の天才子役は順調な芸歴を積み上げられなかった。
ついには、麻薬にも手を出してしまったようで
残念な思いでいっぱいになるとともに、
この世界、大成することの難しさをつくづく感じる。

昔、容貌や印象が似ていることから
R・オニールとポール・ニューマンを、
T・オニールとジョディ・フォスターを
よく取り違えたのを思い出した。
 
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