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『大魔神怒る』 [邦画(タ行)]

「大魔神怒る」(1966)★★★☆☆60点
英語題: THE RETURN OF GIANT MAJIN
監督: 三隅研次
特撮監督: 黒田義之
製作: 永田雅一
企画: 奥田久司
脚本: 吉田哲郎
撮影: 森田富士郎、田中省三
録音: 大角正夫
照明: 美間博、古谷賢次
美術: 内藤昭、加藤茂
音楽: 伊福部昭
編集: 菅沼完二
特撮合成: 田中貞造
合成作画: 渡辺善夫
擬闘: 宮内昌平
音響効果: 倉嶋暢
出演:
 本郷功次郎(千草十郎時貞、領主)
 藤村志保(名越早百合、兵衛の娘)
 神田隆(御子柴弾正、領主)
 内田朝雄(名越兵衛、領主)
 上野山功一(名越勝茂、早百合の兄)
 平泉征[平泉成](田部隼人、十郎の供人)
 丸井太郎(度々平、早百合の付き人)
 北城寿太郎(鬼子嶋玄蕃、御子柴の重臣)
 寺島雄作(和助、神之島の鐘撞き)
 藤山浩二(新井一角、御子柴の家来)
 加賀爪清和(竜太、度々平の弟)
 橘公子(くめ(度々平の母))
 高杉玄(吾藤三郎太、千草の農民)
 橋本力(池長俊平、大魔神)
 水原浩一(土肥嘉門)
 神戸瓢介(茂八)
 黒木英男(太助)
 三木本賀代(とよ)
 小柳圭子(しげ)
 杉山昌三九(梶浦有助)
製作・配給・ジャンル: 大映/大映/時代劇・特撮/79分

大魔神怒る  デジタル・リマスター版 [DVD]








"大魔神" シリーズ第2弾。
物語は戦国時代。
八雲の国は隣国・武将御子柴弾正に侵略を受ける。
領民は、湖に浮かぶ神の島にある武神像に、
お家再興と平和を祈願。
しかし弾正は、武神像を爆破し、十郎と早百合を処刑せんとする。
そして、いよいよ魔神の登場…

櫓や館に逃げ上った悪党どもが
その建物の隙間越しに顔を覗かせる魔神に
建物ごとなぎ倒されるカットは定番のようだが
連作となるからには、もう一工夫欲しくなる。

湖面を2つに切り開かれて岸へと向かうシーン。
明らかに影響を受けているとは思うが
モーゼの問いに応え、ヤハウェが紅海を切り裂くのを連想させる。

弾正は帆柱の上に逃げのぼるが、縄に絡まれ
早百合に仕掛けたがごとく
十字架の上で火あぶりに晒される形で最期を迎える。
第1作にも、十字架を想起させる演出が見受けられたが
湖面が真っ二つに割れるシーンといい
製作者の中にクリスチャンがいたのだろうか。

武神像に姿を戻した魔神が、水滴と化して湖面に消えるのも
実に味な去り方である。

最後の十郎の台詞で分かるのだが
島ごと消失してしまったらしい。
一体いつ? と思ってしまうのだが、まあそれは不問に伏そう。


私はこの大魔神3部作については
第1作、第3作を先に観たので、本作は最後に観る形となった。

3部作を振り返ってみるに
結局続編2作は、
魔神の立ち居振る舞いも勧善懲悪に落ち着いているため
外面的なもの以外に目を引くものがない。
特撮映画なのだからそれで十分なのかもしれないが
第1作の最後に見せたように、善人でも踏みつけにせんばかりの
"荒ぶる" 神としての性格を、もっと前面に押し出していけば
大魔神が独自性を帯びることになり、
シリーズももう少し続いたのではないだろうか。
第3作の記事で、子供に応えて頷くのは可愛いと書いたが
やはり、人間味がない方が
その特異な存在感が際立つのではないかと改めて思う。

また、魔神の登場・活躍は、ラストわずか10分、15分であるから
そこに至るまでのドラマを
どれだけ飽きさせず面白く見せるかが鍵となる。
その意味で、3部作の中で
本作が一番退屈しないストーリー展開であった。
 
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