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『続・荒野の1ドル銀貨』 [邦画(サ行)]

「続・荒野の1ドル銀貨」(1965)★★★☆☆60点
原題: IL RITORNO DI RINGO(英語題: RINGO RIDES AGAIN/THE RETURN OF RINGO)
監督・脚本: ドゥッチオ・テッサリ
脚本: フェルナンド・ディ・レオ
撮影: フランチェスコ・マリン
音楽: エンニオ・モリコーネ
出演:
 モンゴメリー・ウッド[ジュリアーノ・ジェンマ](モンゴメリー・ブラウン大尉 "リンゴ")
 ハリー・ハモンド[ロレッラ・デ・ルーカ](ヘレン・ブラウン/ハリー・フィッツジェラルド、ブラウンの妻)
 ジョージ・マーティン(パコ・フエンテス)
 フェルナンド・サンチョ(エステバン・フエンテス)
 パハリト[マヌエル・ムニズ](ミオソティス "朝顔")
 ニエヴェス・ナヴァロ(ロジータ)
 アントニオ・カザス(カーソン保安官)
 トゥネト・ビラ(ミンブレノ・アパッチ族の呪医)
 マリア・バーヨ(エレミア・ピット、居酒屋店主)
 ホアン・トーレス(ミンブレスのバーテン)
 ホセ・ハルフィ(墓を暴く盗賊)
 モニカ・スグラネス(エリザベス・ブラウン、ブラウン夫妻の娘)
製作・ジャンル: 伊=西/西部劇/100分

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南北戦争帰りのガンマンによる復讐を描いた作品。

邦題からすると「荒野の1ドル銀貨」の続編かと思うが
これは "リンゴ" を主人公にした「夕陽の用心棒(UNA PISTOLA PER RIGO:A PISTOL FOR RINGO:A GUN FOR RINGO)」の続編であることが原題からも分かる。
邦題が「荒野の1ドル銀貨」の続編と謳ったのは
"南北戦争のガンマン" というポイントで重なるからだろうか。
ただし、「荒野の1ドル銀貨」は南軍兵士で
こちらでは北軍の大尉という違いはある。

マカロニ・ウェスタンでスターダムにのし上がった
ジェンマの出演映画のタイトルには
やたらと、"荒野" と "用心棒" という言葉が躍る。

戦争からの帰途にあるリンゴは当初、銀髪である。
それが、故郷の町がメキシコ人に蹂躙されていると聞き
町に現れる時には黒髪となっている。
変装のためだろうが
本来これぐらいでは、
町の住民らは名家のヒーローの顔を見間違えないだろう。

アメリカ人(白人)=正義、メキシコ人=悪という構図は
米国(あるいは西欧)=世界の盟主という現代につながる
アメリカの信条を体現しているように思う(米国製作でないが)。

むやみに先住のアメリカ人を殺すフエンテス兄弟だが
わざわざ葬式に顔を出す殊勝なところもあるのが可愛い。

女好きなエステバンが足繁く通う娼婦ロジータだが
この女性のキャラクターが非常に曖昧だ。
アメリカ人でありがなら、フエンテス一味に日和って生きている。
だから、エステバンを脱獄させるのは理解できるが
彼を逃がせば、住民やリンゴたちに死者が出るのは分かるはず。
保安官が撃ち殺されたのは自分のせいだと嘆くには値しない。

パコの婚約者となってしまったリンゴの妻・ハリー。
過ぎるほど冷静な姿に、リンゴへの愛情があまり感じられない。
リンゴ、ハリー、パコ、三者三様の葛藤・苦悩があってこそ
エンディングが盛り上がるものだが
それぞれが静かすぎてもどかしい。

一味に怯え波風を立てずに暮らす保安官は
酒に走りアル中となっているが
首から垂らしたストールを利用して、
グラスを持つ手が震えるのを抑えるのは面白い発想。
胸を撃たれながらも、息絶えるまで銃を構える姿に気概を感じる。

素っ頓狂に高い声で話す "朝顔"。
アクセントになるキャラクターで、この作品で唯一特筆できる点。
花を愛する男が最後には銃を手にリンゴとともに戦ってしまう。
薬草を提供するインディアンも弓矢で参戦するのだから
三銃士的な盛り上がりも考えられた。
保安官も含めて四銃士でもいいかもしれない。

ダイナマイトを仕込んでいる時には
どんなふうに使うのか分からなかったが、
実際にガンファイトシーンでの使い方を見てなるほどと納得。

利き手を刺され、左手で拳銃の練習を積んだ割には
拳銃よりライフルを多用していて、成果の見せ場が少ないのは残念。

扉の陰に隠れている相手を敵か味方か探りあうシーンは
緊張感もありユーモアも感じる。

例によって、ジェンマの甘すぎる顔に
ガンマン・復讐劇として物足りなさを感じる。

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