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『ガフールの伝説』 [洋画(カ行)]

「ガフールの伝説」(2010)★★★☆70点
原題: LEGEND OF THE GUARDIANS: THE OWLS OF GA'HOOLE
監督: ザック・スナイダー
原作: キャスリン・ラスキー「ガフールの勇者たち("Guardians of Ga'Hoole")」
脚本: エミール・スターン、ジョン・オーロフ
声の出演:
 ジム・スタージェス(ソーレン)
 エミリー・バークリー(ジルフィー、ソーレンの親友)
 デヴィッド・ウェナム(ディガー)
 アンソニー・ラパリア(トワイライト)
 エイドリアン・ディフェリア(エグランタイン、ソーレンの妹)
 ジョエル・エドガートン(メタル・ビーク、"純血団" 総裁)
 ヘレン・ミレン(ナイラ、メタル・ビークの妻)
 ライアン・クワンテン(クラッド、ソーレンの兄)
 ヒューゴ・ウィーヴィング(ノクタス、ソーレンたちの父/グリンブル、"聖エゴリウス孤児院" 幹部)
 エッシー・デイヴィス(マレラ、ソーレンたちの母)
 アビー・コーニッシュ(オツリッサ)
 ジェフリー・ラッシュ(エジルリブ "キールのライズ")
 サム・ニール(アラミア卿)
 リチャード・ロクスバーグ(ボロン)
 ミリアム・マーゴリーズ(ミセス・"P" プリサイバー)
 アンガス・サンプソン(ジェット)
 サシャ・ホーラー(ストリクス・ストルーマ)
 ビル・ハンター(ブボ)
 リー・ワネル(ジャット)
製作・ジャンル: 米国=豪州/アニメーション・アドベンチャー・ファンタジー/104分

gafool.jpg

ファンタジー小説「ガフールの勇者」の3Dアニメーション映画化。
若きフクロウの冒険と闘いを描く。

フクロウの世界を描いているので
ほぼ全編、かなり暗い画面。
英国のファンタジーである
「ハリー・ポッター」「ロード・オブ・ザ・リング」に似たテーストを感じる。

飛ぶこともままならなかった子どもフクロウが
勇気を持って悪に立ち向かい成長していく物語は月並みだが
善か悪かという区別がここまで一義的だと
世界の警察を自負する米国が "我こそは正義" と主張するがごとく
却って不健全な気がした。

試写会により、2D字幕版での鑑賞だったが
それでも、一見無表情に思えるフクロウが
予想以上に愛くるしく喜怒哀楽豊かに見える。

ここは3Dで観たいなあ、と思ったのは
嵐の中でも飛翔の訓練シーン。
体に叩きつける雨風が迫ってくる様は迫力が増しそうだ。
「ヒックとドラゴン」でもドラゴンが飛びまくっていたが
空を飛ぶシーンというのは3Dに打ってつけなのだろうか。

夢、家族愛、兄弟愛、正義感、
勇者を探す旅を共にしたり共闘する仲間との友情、など
物語が包含する要素も充実していれば
登場するキャラクターも多岐に渡っており
十分に練り込まれた作品[原作]である。

ただ、前述したように
勧善懲悪ばかりが前面に出ていて
恋愛・友情など、キャラクター同士の心の交流が薄い。

ソーレンが悪に洗脳された兄クラッドの目を覚まさせての
ハッピーエンドと思っていたので
クラッドが改心せぬまま、炎の中に落ちていってしまう結末は
少々消化不良。

15巻からなる原作だから
映画もシリーズ化する構想もあるのかもしれないが
ナイラが難を逃れたこと、クラッドの生死が不明なことを考えると
続編がありそう。

エンドクレジットが流れる間も
子どもを退屈させないためであろう、
手塚漫画の "ヒョウタンツギ" よろしく
ちょっと間抜けなキャラのフクロウが
画面の下端に登場することを付け加えておく。

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