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『マンハッタン』 [洋画(マ行)]

「マンハッタン」(1979)★★★★85点
原題: MANHATTAN
監督・脚本: ウディ・アレン
製作: チャールズ・H・ジョフィ、ジャック・ロリンズ
製作総指揮: ロバート・グリーンハット
脚本: マーシャル・ブリックマン
撮影: ゴードン・ウィリス
音楽: ジョージ・ガーシュウィン
出演:
 ウディ・アレン(アイザック)
 ダイアン・キートン(メアリー、イェールの愛人)
 マリエル・ヘミングウェイ(トレイシー、アイザックの恋人)
 メリル・ストリープ(ジル、アイザックの前妻)
 マイケル・マーフィ(イェール)
 アン・バーン(エミリー、イェールの妻)
 ウォーレス・ショーン(メアリーの前夫)
 カレン・ルドウィグ(コニー)
 マイケル・オドナヒュー(デニス)
 カレン・アレン
受賞:
 全米批評家協会賞
  ■監督賞 ウディ・アレン
 NY批評家協会賞
  ■監督賞 ウディ・アレン
 LA批評家協会賞
  ■助演女優賞 メリル・ストリープ
 英国アカデミー賞
  ■作品賞
  ■脚本賞 ウディ・アレン、マーシャル・ブリックマン
 アメリカ国立フィルム登録簿
  ■2001年新規登録作品
 セザール賞
  ■外国映画賞 ウディ・アレン
製作・ジャンル: 米国/ドラマ/96分

マンハッタン [DVD]








中年のTVライターの恋模様を
NYはマンハッタンを舞台に描いたウディ・アレン作品。

モノクロフィルムに浮かびあがる夜景が胸に迫る。
個人的には
ヤンキースタジアムと
地下鉄(から洩れる窓の明かり)に郷愁を覚える。

ニューヨークの定番とも言える
ブルックリン橋のブルックリンのたもとからのショット。
夜の景色は殊更に美しい。

セントラルパークを散歩中
突然の雨で、アイザックとメアリーはプラネタリウムに駆け込む。
館内、2人の会話は闇の中でやりとりされる。
闇の中、バックから光を当てる撮影法は
町の夜景を含めて、本作全編を通じて用いられているが
日食のダイヤモンドリングがごとく、非常に印象的手法だ。

劇中登場する映画館。
サインボードに掲げられた上映中の映画タイトルは
"Inagaki's CHUSHINGURA(稲垣の忠臣蔵)"。
何のことやら分からなかったが
1962年公開の稲垣浩監督の東宝映画「忠臣蔵 花の巻 雪の巻」
をさしているようだ。

忠臣蔵 花の巻・雪の巻 [DVD]








私はまだ観たことはないが
本作の製作当時より15年以上も前の古い映画。
DVD化されているようなので、機会があれば観てみたい。

アイザックがトレイシーに別れを告げるシーン。
"ほかの女(ひと)を?"
と、問いかけるトレイシーに
"大きな目で睨むな。里親を探すボリビア孤児みたいだ"
と、切り返すアイザックのブラックユーモアが
私の笑いの琴線に触れた。

最初は凡庸でありふれた男にしか見えなかったイェール。
メアリーの想いが2人の男の間で揺れ動き、
イェールとの復縁に至る様を見ているうちに
イェールが魅力的な大人の男に見えてくるから不思議なもの。

メアリーの前夫と遭遇し
彼がチビハゲでショックを受けるアイザック。
端から見るに
チンケな似たもの同士なのに、と笑いを誘う。

部屋でダンスするアイザックとメアリー。
西洋の映画でよく見かけるシーンだが
スタンドライトが柔らかく2人を包む光景は優しく美しい。

メアリーに振られ、
喪失感からトレイシーのロンドン行きを止めようとする。
新しい恋がうまく行かず、取って返して元さやを狙う。
その安易で軽薄な俗っぽさゆえに
却ってアイザックに共感してしまうのは、男の私だけだろうか。

"変わらない人もいるわ。少しは人を信じなきゃ"
というトレイシーの言葉。
17歳の彼女を前に子供に見えるアイザックのリアクションといえば
少し間を置いて考えた後口元をちょっぴり上げる。
何とも純朴で可愛らしい表情ではないか。
2人の幸せな行く末を願わずにはいられないラストだ。

トレイシーを演じるM・ヘミングウェイが
初々しく健気で、その純真さがたまらなくいとおしい。

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doramdorami

ウッディ・アレンの映画、観たいと思ってましたが、これは面白そう!!きれいな夜景なども観てみたいっ☆
by doramdorami (2010-03-22 22:21) 

ケイイチロウ

モノクロだから
きらびやかな夜景じゃないですけどね。

偏執狂的な人も出てこないから
見やすいと思いますよっ
by ケイイチロウ (2010-03-23 13:52) 

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