『キャットピープル』 [洋画(カ行)]
「キャットピープル」(1942)★★★☆☆60点
原題: CAT PEOPLE
監督: ジャック・ターナー
製作: ヴァル・リュートン
脚本: ドゥウィット・ボディーン
撮影: ニコラス・ムスラカ
音楽: ロイ・ウェッブ
出演:
シモーヌ・シモン(イレーナ・デブローナ、衣裳デザイナー)
ケント・スミス(オリヴァー・リード、C R. クーパー造船会社設計士)
トム・コンウェイ(ルイス・ジャド博士、精神分析医)
ジェーン・ランドルフ(アリス・ムーア、オリヴァーの同僚)
ジャック・ホルト
アレック・クレイグ(動物園職員)
エリザベス・ダン(ペットショップの女主人)
メアリー・ハルシー(アパートメントハウスの受付)
テレサ・ハリス(ミニー、カフェのウェイトレス)
ベティ・ロードマン(ハンセン夫人)
エリザベス・ラッセル(猫顔の女)
受賞:
アメリカ国立フィルム登録簿
■1993年新規登録作品
製作・ジャンル: 米国/ホラー/73分
大仰なオープニングテーマが、サスペンスの始まりを盛り上げる。
カゴの中のカナリヤを
まさに猫のように手で追い回すイレーナの表情は
とても嬉しそうで何とも可愛いのだが
追い回される恐怖でカナリヤがあっという間に死んでしまうのは
彼女の呪われた運命を改めて突きつけられる現実が悲しい。
夫婦となっても寝室を別にするイレーナ。
ドアノブに手をかけようとするその手つきも
指先を少し曲げて、猫が壁をひっかいて爪を研ぐような仕草。
その他にも
回転ドアの床を拭く掃除婦の格好、
猫脚のバスタブ、
ボウスプリット(斜檣)の浮彫り模様
などなど、猫を想起させる描写が満載。
挙句、離婚を告げられ
軽く引っ掻いたソファの布地は簡単に裂けてしまう。
プールでアリスを襲おうとするシーンも
階段の影やプールの水面の乱反射など
光と影を巧みに用い、
作品中のスリルは、ほとんど間接的に表現される。
血まみれシーンなど、
凄惨な描写を用いて直接的に恐怖を煽らないのは
私の好みでもあるが、
その詰め方が甘いため
さしたる恐怖を覚える前にシーンが終わってしまう。
間接的恐怖には、"音" の要素も駆使できるはずだ。
製図用コンパスの影が十字架に映って
黒豹(=イレーナ)は退散する。
初めて会ったオリヴァーをお茶に誘うシーンで話題になる
イレーナが使う匂いの強いラレッジの香水も
後のシーンで彼女の存在を
これまた間接的に示すための伏線となっている。
死に瀕したイレーナが、鍵を開けて解き放つ動物園の黒豹は
あっという間にタクシーに轢かれてしまう。
え~っ、と思うくらいあっさりしているが
押し込められていた猫族の性が解き放たれた途端に
刺されて死んでしまうイレーナを象徴するメタファーだ。
全体的には良質なホラー映画だが
肝心のホラーテイストが薄味。
頻出する暗示・ヒントをもっと有効に使った上で
主人公イレーナの運命に翻弄される苦悩に焦点を当てると
ドラマとしての深みも増すものと思われる。
動物占いで、私は黒豹だったなあ
などと、作品とは無縁のことも思い出した。
原題: CAT PEOPLE
監督: ジャック・ターナー
製作: ヴァル・リュートン
脚本: ドゥウィット・ボディーン
撮影: ニコラス・ムスラカ
音楽: ロイ・ウェッブ
出演:
シモーヌ・シモン(イレーナ・デブローナ、衣裳デザイナー)
ケント・スミス(オリヴァー・リード、C R. クーパー造船会社設計士)
トム・コンウェイ(ルイス・ジャド博士、精神分析医)
ジェーン・ランドルフ(アリス・ムーア、オリヴァーの同僚)
ジャック・ホルト
アレック・クレイグ(動物園職員)
エリザベス・ダン(ペットショップの女主人)
メアリー・ハルシー(アパートメントハウスの受付)
テレサ・ハリス(ミニー、カフェのウェイトレス)
ベティ・ロードマン(ハンセン夫人)
エリザベス・ラッセル(猫顔の女)
受賞:
アメリカ国立フィルム登録簿
■1993年新規登録作品
製作・ジャンル: 米国/ホラー/73分
大仰なオープニングテーマが、サスペンスの始まりを盛り上げる。
カゴの中のカナリヤを
まさに猫のように手で追い回すイレーナの表情は
とても嬉しそうで何とも可愛いのだが
追い回される恐怖でカナリヤがあっという間に死んでしまうのは
彼女の呪われた運命を改めて突きつけられる現実が悲しい。
夫婦となっても寝室を別にするイレーナ。
ドアノブに手をかけようとするその手つきも
指先を少し曲げて、猫が壁をひっかいて爪を研ぐような仕草。
その他にも
回転ドアの床を拭く掃除婦の格好、
猫脚のバスタブ、
ボウスプリット(斜檣)の浮彫り模様
などなど、猫を想起させる描写が満載。
挙句、離婚を告げられ
軽く引っ掻いたソファの布地は簡単に裂けてしまう。
プールでアリスを襲おうとするシーンも
階段の影やプールの水面の乱反射など
光と影を巧みに用い、
作品中のスリルは、ほとんど間接的に表現される。
血まみれシーンなど、
凄惨な描写を用いて直接的に恐怖を煽らないのは
私の好みでもあるが、
その詰め方が甘いため
さしたる恐怖を覚える前にシーンが終わってしまう。
間接的恐怖には、"音" の要素も駆使できるはずだ。
製図用コンパスの影が十字架に映って
黒豹(=イレーナ)は退散する。
初めて会ったオリヴァーをお茶に誘うシーンで話題になる
イレーナが使う匂いの強いラレッジの香水も
後のシーンで彼女の存在を
これまた間接的に示すための伏線となっている。
死に瀕したイレーナが、鍵を開けて解き放つ動物園の黒豹は
あっという間にタクシーに轢かれてしまう。
え~っ、と思うくらいあっさりしているが
押し込められていた猫族の性が解き放たれた途端に
刺されて死んでしまうイレーナを象徴するメタファーだ。
全体的には良質なホラー映画だが
肝心のホラーテイストが薄味。
頻出する暗示・ヒントをもっと有効に使った上で
主人公イレーナの運命に翻弄される苦悩に焦点を当てると
ドラマとしての深みも増すものと思われる。
動物占いで、私は黒豹だったなあ
などと、作品とは無縁のことも思い出した。
小学生の頃、1982年版、ナターシャ・キンスキー主演のキャット・ピープルをテレビで観た覚えが。1942年版と違い、人間から黒豹に変身するシーンがあったり、子供の私には恐怖でした~ しばらく、夜、タンスの上に黒豹が潜んでるのではないかと思い、本気で布団の中で凍りついていました。ぶるるっ。
by doramdorami (2010-03-11 21:54)
キンスキーが出演しているとなれば
さぞセクシーでスリリングなイメージですね。
是非観たいですねっ
by ケイイチロウ (2010-03-13 18:07)