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『バンディダス』 [洋画(ハ行)]

「バンディダス」(未)(2006)★★★☆☆60点
※(未):日本未公開作品
原題: BANDIDAS
監督: ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドバーグ
製作・脚本: リュック・ベッソン
製作: アリエル・ゼトゥン
脚本: ロバート・マーク・ケイメン
撮影: ティエリー・アルボガスト
音楽: エリック・セラ
出演:
 ペネロペ・クルス(マリア・アルバレス)
 サルマ・ハエック(サラ・サンドバル)
 スティーヴ・ザーン(クエンティン)
 ドワイト・ヨーカム(タイラー・ジャクソン)
 デニス・アーント(アッシュ)
 サム・シェパード(ビル・バック)
 オードラ・ブレイザー(クラリッサ・アッシュ)
 イスマエル・イースト・カルロ(ドン・ディエゴ)
 ゲイリー・セルヴァンテス(ペドロ)
製作・ジャンル: 仏国=メキシコ=米国/西部劇・クライム・アクション・コメディ/93分

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タイトルについて。
最初カタカナで見た時はどういう意味かな?と思ったが
作品を観はじめて、なるほどと合点がいった。

スペイン語で "盗賊" を bandido。
その女性形が bandida、複数で las bandidas というわけだ。
英語のバンディット(bandit)は
イタリア語 banditi(無頼漢ども)に由来し、同じルーツに行きつく。

父親を殺された2人のメキシコ人女性が
タッグを組んで悪に立ち向かう作品。
意外にも、リュック・ベッソンが製作・脚本に関わっている。

とにかく、女の取っ組み合いが面白い。
特に、最初のバトルは
陽気なメキシコ音楽をバックに存分に楽しませてくれる。

女2人に強盗を指南するB・バック役のS・シェパード。
私には劇作家としての印象の強い彼だが、俳優としても活躍。
本作では、2人を助ける登場シーンこそ流石の存在感だが
それ以外では見せ場なし。

最新警備装置を備えた銀行店舗に潜入する場面。
ロープを引っ張らせている馬のカットを挟む位置がまずい。
クエンティン危機一髪の直前に挿入しては
今から起きるトラブルが全部読めてしまって全く詰まらない。
笑えるシークエンスを一つ丸々無駄にしている。

その直後、見張り役のマリアが
安易に敵の見張り役に毒矢を撃ち込む意味が不明。
銀行内を見回りに入る風でもないのに。
一人倒せばもう一人が不審がるのは必定。
マリアは考えるより行動というキャラだから、
と片づけるのは簡単だが、脚本・監督の意図は?。
いくらなんでも
ここまで思慮の足りないマリアでは
父親を殺されたその想いの深さに疑問を持ってしまう。

金塊をめぐる列車内でのアクションシーン。
CGを駆使した弾丸やナイフのスローモーションは
観る者を惹き込むに十分の魅力。
欲を言えば、もう気持ちスローにしてもらえると
画像にしっかりついていけて、存分に楽しむことができる。

ジャクソンが撃たれて死んだとき
ブーツの拍車が止まるショットは
もしかしてスピルバーグの「激突!」のラストで
トレーラーのタイヤが息絶えるように止まるカットのパロディ?

クエンティンが町に登場して以降
終幕まで引っぱるキスに関するくだりは
さして面白いとも思わないが、コメディならではのご愛嬌。

キスに限らず
お色気を狙った箇所はあれど、
観る側の私にアピールするものは微塵もなかった。

悪 vs 善の構図のはっきりしたアクションコメディで
復讐劇という作品の性格はプロットだけで十分だろうから
ジャクソンは絵に描いたような悪役であってほしい。
その点、D・ヨーカムは
黒ずくめの衣裳といやらしい髪型で何とか体裁だけは整えているが
負の要素を俳優本人があまり持ち合わせていないのか
あるいは、小さい目とあっさりした顔立ちのせいか
悪の親玉にしては、薄味でインパクトが弱い。

馬と拳銃の扱いに長けたマリアとナイフの使い手サラのコンビを
自由に奔放の翼を広げる扇だとすれば
クエンティンは扇の要となるキーパースンだ。
S・ザーンがその刑事を
温かみのある朴訥としたキャラクターに仕上げている。

マリアとサラは、配役が逆でもよかったんじゃないか。
裕福な家庭に育ったお嬢様はわがままでも品位があるものだが
サラ役のS・ハエックには、それが感じられなかった。

全体としては
勧善懲悪ドラマの果汁入り清涼飲料。
気軽に楽しめるカウチポテト向きの映画だった。

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