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『激突!』 [洋画(カ行)]

「激突!」(1971)(再)★★★★★100点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: DUEL
監督: スティーヴン・スピルバーグ
製作: ジョージ・エクスタイン
原作・脚本: リチャード・マシスン
撮影: ジャック・A・マータ
美術: ロバート・S・スミス
編集: フランク・モリス
音楽: ビリー・ゴールデンバーグ
アシスタントディレクター: ジェームズ・ファーゴ
出演:
 デニス・ウィーヴァー(デヴィッド・マン)
 キャリー・ロフティン(タンクローリーの運転手)
 ジャクリーン・スコット(マン夫人)
 ティム・ハーバート(ガソリンスタンドの店員)
 チャールズ・シール(老人)
 シャーリー・オハラ(ウェイトレス)
 ジーン・ダイナスキー(カフェの男)
 エディ・ファイアストーン(カフェの主人)
 ルー・フリッゼル(バスの運転手)
 ルシル・ベンソン(蛇屋の女性)
 アレクサンダー・ロックウッド(車の老人)
 エイミー・ダグラス(車の老婦人)
製作・ジャンル: 米国/サスペンス/89分

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スピルバーグ、衝撃の映画デビュー作。
幼い頃、テレビの放映で初めて観たとき抱いた恐怖は鮮烈だった。

車庫の闇の中、エンジンがかかる音から映画は始まる。
恐怖のドラマにもエンジンがかかるという
冒頭から天才的演出アイデアの一端がうかがえる。

劇場版ではD・ウィーバーのナレーションはないそうだ。
久しぶりに観た本フィルムは、ナレーション付き。

ウィーバー演じるマンが乗る車は
クライスラー社製プリマス・ブランドのバリアント(valiant)。
年代は違うが、
父が渡米当時乗っていた車と同車種で、少し親しみを覚える。

バックにFLAMMABLE(引火性)と書かれたトレーラーのタンク。
"火がつきやすい" とは、
まさにドライバーの性格をアピールしているよう。
俺に触ると火傷するぜ、ってわけだ。

電話ボックスめがけて始動するタンクローリーのカット。
エンジンの始動音、
運転席の天板越しに光る太陽、
煙突から吐き出される煙、
ローアングルから映るタイヤの横っ面、
そして、車体下から大写しになる回転軸のアップは圧巻。
監督自身が "怪物" に例えたタンクローリー。
戦闘モードに入るその様子はまさに生き物だ。

ドライバーが姿を見せないことが
タンクローリーそのものに意思があるように見せているが
顔の見えない人間というのも無気味。
未知は人間の好奇心を刺激する一方で
不安や恐怖を植えつけるからだ。
カフェでドライバー探しに考えをめぐらせるマンの焦りが
ひしひしと伝わってくる。

マンを執拗に追い回す頭のイカれたドライバーだが
表では、スクールバスを助けて善人ぶっている。
裏表のある人間の恐ろしさをここにも見ることができる。

以前見た印象では
ほぼ全編、路上の駆け引きだったように思っていたが
ガソリンスタンド、カフェ、蛇屋、スクールバスとの遭遇などなど
多くの停車シークエンスが配されている。
だから、ラストの攻防も20分程度。
こういった観客を飽きさせないプロット構成も天才たる所以。

無機物に生命を吹き込んで怪物に仕立てたスピルバーグは
この後、生きた怪物をテーマに「ジョーズ」を製作する。

個人的には
これがスピルバーグのデビューにして最高傑作。

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yanasan

最後のシーンでの〝叫び〟が印象的でしたネ!
by yanasan (2010-02-17 22:33) 

ケイイチロウ

私は、何と言っても
タイヤの回転が止まる瞬間が脳裏に。
DUEL(対決)が終結っ

by ケイイチロウ (2010-02-18 05:03) 

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