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『進撃の巨人』 [アニメ]

「進撃の巨人」(2013)★★★★☆75点
英語題: attack on titan
監督: 荒木哲郎
原作: 諫山創
シリーズ構成: 小林靖子
キャラクターデザイン: 浅野恭司
総作画監督: 浅野恭司、門脇聡
アクション作画監督: 江原康之、今井有文
美術監督: 吉原俊一郎
3D監督: 藪田修平
撮影監督: 山田和弘
音響監督: 三間雅文
音楽: 澤野弘之
アニメーション制作: WIT STUDIO
音響制作: テクノサウンド
制作協力: Production I.G
声の出演:
 梶裕貴(エレン・イェーガー)
 石川由依(ミカサ・アッカーマン)
 井上麻里奈(アルミン・アルレルト)
 谷山紀章(ジャン・キルシュタイン)
 嶋村侑(アニ・レオンハート)
 小林ゆう(サシャ・ブラウス)
 三上枝織(クリスタ・レンズ)
 下野紘(コニー・スプリンガー)
 逢坂良太(マルコ・ボット)
 細谷佳正(ライナー・ブラウン)
 橋詰知久(ベルトルト・フーバー)
 藤田咲(ユミル)
 神谷浩史(リヴァイ)
 小野大輔(エルヴィン・スミス)
 朴路美(ハンジ・ゾエ)
 藤原啓治(ハンネス)
東京都放送局:  TOKYO MX
放送日時:  2013年4月6日-9月28日
製作・ジャンル:  「進撃の巨人」製作委員会/アクション/本編24分×25話
 
進撃の巨人 1 [初回特典:未発表漫画65P「進撃の巨人」0巻(作:諫山創)] [DVD]
進撃の巨人 2 (初回特典:イベント優先販売申込券,諫山創監修ニセ予告ドラマCD付き) [DVD]


進撃の巨人 3 [初回特典:Blu-ray Disc ビジュアルノベル「ミカサ外伝」他(制作協力:ニトロプラス、プロダクション・I.G)] [DVD]
進撃の巨人 4 (初回特典:TVアニメ「進撃の巨人」オリジナルサウンドトラックCD2(全11曲47分)音楽:澤野弘之) [DVD]


進撃の巨人 5 [初回特典:80P「進撃の巨人」スペシャルフルカラーコミック(原作:諫山創)] [DVD]
進撃の巨人 6 [初回特典:Blu-ray Disc ビジュアルノベル「リヴァイ&エルヴィン過去編」他(制作協力:ニトロプラス、プロダクション・I.G)] [DVD]


進撃の巨人 7 [DVD]
進撃の巨人 8 [DVD]


進撃の巨人 9 [DVD]

 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
















 
諫山創による同名漫画のTVアニメ化。
「韓国の公共CMに "巨人" を模したキャラが登場」
というニュースに接したりして、
アニメ音痴の私でも、若者を中心に人気なのは知っていた。
ネットにて、一気に視聴。

私が幼少のころ親しんだアニメと違い、
近年のアニメは何かと、装備品や舞台がとても複雑である。
それに抵抗感を覚え、なかなか触手が動かないのだが、
本作は、プロットが実にシンプルで分かりやすい。
人間が目の前で食い殺されるシーンが頻出するという
ぞんざいなまでに凄惨な描写には、
良くも悪くも、ショックと刺激を覚えた。
ドラマを描き、観る者にカタルシスを与える上で不可欠な、
緊張と弛緩・抑圧と解放といった要素を備えている。
この作品が人気を博する大きな要因であろう。

巨大なものに立ち向う小さき存在。
主人公が相対する巨大な存在とは、
巨人の持つ物理的な力であり
権威・権力であり
人間の持つ私利私欲・自己保身・妬み嫉みである。

というように、テーマやストーリー構成の点で優れている一方、
人物の心理描写については不満を隠せない。


まず、言語表現がとても冗漫である。

単に台詞が冗長的であるだけでなく、
心の声として語られる部分が長すぎる。
たとえば、
「15秒で選択しろ」と言われ
それに対する葛藤や決断など、心の声に裂かれる時間は
優に1分を超えるのである。
状況を仔細に説明したり、場面を強調したりする為に
実際に流れる時間より長い時間を割いてシーンを描くことは
虚構作品において往々にして採られる手法。
とは言え、緊迫感・スピード感あるこのシーンを台無しにする長さだ。
長い上に、その言葉が決して的確な選択でないからであろう、
スッと理解できないことが多かった。

また、
衝撃的な出来事に絶句するシーンなどにおいて。
"アクション" となる台詞や行動と
"リアクション" となる絶句との間{ま}が長い。
リアクションの表情を別カットで大きく見せようとするあまり、
その間が不自然に長くなる。
表情も大事だが、この間というやつはそれ以上に大切である。
メリハリをつけたアクションシーンの描き方を
そのまま、心理描写や会話にも持ち込んでしまったせいだろうか。
間ひとつで
緊張感やサスペンスが生まれもすれば蔑ろにもされてしまう。
画本位でなく対話本位にすることで、ドラマになるはずだ。

加えて、言葉に対して無神経すぎる。
一体の巨人をやっつける場面で、「一網打尽にする」という台詞。
"一網打尽にする" とは、
多数からなる一団を全部捉えることを意味する。
こういった間違いは、一重に無知が為せる業。
また最終回には「支持母体を失墜させた」というナレーションがある。
"支持母体" 自体が失墜することはない。
"支持母体" のあとに
"権威" や "信用" といった言葉が抜けているのだ。
これら、思い出したものだけだが
こういった間違った言葉の使い方・選択が多かった印象である。
心の声やナレーションの多い作品だからこそ、
もっと言葉に繊細になってほしい。

ついでに言えば
チェックできる人間がいないことが問題だ。
「まだ目を見れない」という第14話のタイトルから分かることだが
当然のように "ら" 抜き言葉を使う世代。
時代の風潮を積極的に取り入れるのも一つの考えだが、
この物語のイメージを思う時、
若者の崩れた言い回しに媚びない方がいいと思う。
まあ、おそらくだが
作者・制作者は "ら" 抜きだということすら気づいていないのでは。


ストーリーについて感じたこと。

ミカサがエレンを命を賭して守ろうとする理由が希薄。
その理由を、
自分を守り犯人たちを刺殺してくれたことへの恩義や
両親を惨殺された人生の無情にしか求めないのであれば、
あの執拗なまでのこだわりの説明としては弱いのではないか。

入団前、アルミンを虐めていた子供たちが
エレンのことを喧嘩に弱いと評していた。
あの時点では、喧嘩技的に劣っていたとしても、
生来、図抜けて負けん気が強いことを考えるに
何とも釈然としないものを感じるのだった。

エレンが巨人に立ち向う理由、
ミカサがエレンを守る理由、
このストーリー展開の原動力である部分が
納得のいく太い幹になっていない。

コミックを読んでいるわけではないし
この先も連載は続くであろうから、結論づけることはできないが、
そういった部分が補足され、
アニが反人類に至った経緯も明快に説明されることを願う。

その他で気の付いた点と言えば、
入隊時の儀式として、訓練兵が罵倒されるシーン。
これは戦争映画でよく目にする光景だが、
私の知るかぎり、こういった演出の原点は
『愛と青春の旅立ち』ではないかと思う。
ルイス・ゴセット・Jr 演じる教官が
主演のリチャード・ギアら新兵に与える洗礼。
本作に登場する教官の台詞は、
内容こそ違え、なじり方は『愛と~』のそれそっくりである。

超大型巨人や鎧の巨人も人間の変身したものと想像できる。
その謎解きをはじめ、まだ明かされない秘密満載で
作品のさらなる展開に興味は尽きない。
この先もアニメ化を企画するなら、
今回私が抱いた不満が解消されんことを。
 
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