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『ジンジャーとフレッド』 [洋画(サ行)]

「ジンジャーとフレッド」(1985)★★☆☆50点
原題: GINGER ET FRED
英語題: GINGER AND FRED
監督・脚本: フェデリコ・フェリーニ
製作: アルベルト・グリマルディ
脚本: トニーノ・グエッラ、トゥリオ・ピネッリ
撮影: エンニオ・グァルニエリ、トニーノ・デリ・コリ
美術: ダンテ・フェレッティ
衣裳デザイン: ダニロ・ドナティ
音楽: ニコラ・ピオヴァーニ
出演:
 マルチェロ・マストロヤンニ(ピッポ・"フレッド"・ボッティチェラ)
 ジュリエッタ・マシーナ(アメリア・"ジンジャー"・ボネッティ)
 トト・ミニョネ(トト)
 フレデリック・フォン・レデブール(アウレンティ海軍大将)
 アウグスト・ポデロージ(女装家)
 フランコ・ファブリッツィ(番組のホスト)
 マーティン・マリア・ブラウ(アシスタント・ディレクター)
 エツィオ・マラーノ
 フリードリッヒ・フォン・サン
 サルヴァトーレ・ビラ
 フランチェスコ・カセール
 ヘルマン・ヴァイスコップ
 モアナ・ポッツィ
製作・ジャンル: イタリア/フランス/西ドイツ/ドラマ/128分

ジンジャーとフレッド [DVD]








ハリウッド・ミュージカルで大活躍だった
ジンジャー・ロジャースとフレッド・アステア。
かつて、そのコンビを模して人気を博したアメリアとピッポ。
TVの特別番組で、30年ぶりに共演する二人を描いた作品。

マストロヤンニの登場まで、
ジンジャーことアメリアを追って物語は進む。

アメリアは
とてもプライドが高く、何事にもきちんとした性格。
プロ意識が高いと言えばそうなのだが
ちょっと鼻もちならないタイプで、どうも好きになれない。
素顔はもちろんのこと、他の作品でも観ていないので
G・マシーナがどんな女優なのか、何とも言えないが、
アメリアは、そういったカチッとしたダンサーに描かれている。

二人の再会の場となるのは、クリスマスの特別TV番組。
ゲイ、モノマネ芸人、小人症のパフォーマウスグループから
元海軍大将まで、
集められた面々を見るに、まるで見世物小屋のよう。
出演するアメリアは不安や後悔に襲われるが
当時のイタリア風俗を知る上でも、観ている者にはとても面白い。

女が堅物とくれば、男は…
マストロヤンニが演じるピッポはそんな男。

ダンスのリハーサルで、リフトに息を切らせるピッポ。
本番でも、タップ中に転倒してしまう。
それでも、再び立ち上がり最後までやり遂げる様は
いじらしくもあり、いじましくもあり。
マストロヤンニが踊れる人だと知らなかったので
彼のダンスには感激した。

双方の性格を考えるとき
以前、ピッポはアメリアに惹かれていた、
という側面が見えてこない。
それゆえ
二人を個別に観ている分には、
慌ただしく物事が進む現代のテンポの速さや、低俗なTV至上主義、
それらに翻弄される姿に悲哀を感じるのだが、
二人の関係を思うとき
コンビとして活躍していた往時を懐かしむ、郷愁の念は理解できても
かつての恋人たちに、行き交うケミストリーを実感できない。

そこがしっかり描かれていてこそ
ラストの淡白な別れのシーンが生きてくるのではないだろうか。

いろんな意味で淋しさを感じる作品だった。
 
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