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『スター毒殺事件』 [邦画(サ行)]

「スター毒殺事件」(1958)★★★☆65点
監督: 赤坂長義
製作: 大蔵貢
企画: 岡本良介
原案・脚本: 葭原幸造
脚本: 蓮池義雄
撮影: 吉田重業
美術: 鳥居塚誠一
音楽: 渡辺宙明
録音: 竹口一雄
出演:
 天知茂(上原城二)
 万里昌代(若葉マリ)
 江見渉(須賀浩)
 城実穂(愛住礼子)
 三原葉子(信濃あけみ)
 沼田曜一(黒木、助監督)
 中村彰(木戸、監督)
 江川宇禮雄(浜田、プロデューサー)
 御木本伸介(水谷、企画部員)
 林寛(南記者)
 高田稔(社長)
 高松政雄(所長)
 中川一郎(若葉一郎)
 天野照子(若葉の母)
 倉橋宏明(捜査課長)
製作・ジャンル: 新東宝/サスペンス/75分

新東宝映画傑作選 スター毒殺事件 [DVD]







冒頭のクレジットバックに
注がれた毒薬を思わせる液体が上から溶け降りてくる画と
おどろおどろしい音楽が
観る者を、これから始まる物語へグンと引き込んでいく。

城二から須賀へ
そして、須賀から黒木へ。
移り気なマリは、"魔性の女"的な存在。
万里昌代の太い眉とはっきりした目鼻は
少しバタ臭い印象を与えるが、
その一方でとても色気を感じさせる。

江見が扮する須賀は
なよなよして言葉遣いもオカマチック。
マリが惚れるような男には見えない。
そういう部分が却って、城二の嫉妬を煽るし
観ている私も、そのいやらしさにムカつき
知らぬ間に、主人公に思いっきり肩入れしていた。

礼子役の城実穂は
ダンサーを演じている姿は
メイクのせいか、とても綺麗に見えるが
普段はちょっとオバサンくさい。

女優陣の大げさなリアクションはいただけない。

礼子は須賀に、マリは城二に対して
"悪魔" と罵る。
現在では、人を罵るのにまず使うことがない言葉だが
当時の言葉文化をうかがい知ることができる。

嫉妬から狂気に陥っていく一人の男の心理が
手に取るように分かる天知の演技が絶妙。

今なら、ストーカー行為
と、一蹴されてしまうような話だが
こうした状況は
ままならぬ恋をしたことがある人間には
非常に理解しやすいだろう。
城二は特別屈折した人間ではないのだ。

殺したマリを乗せて逃亡する車に
蜜月の思い出となる男女の人形が悲しい。

包囲する警察に向かって進み出る城二。
拳銃自殺をするかもしれない含みを持たせて終わるラストは
好みの分かれるところ。

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