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『レス・ザン・ゼロ』 [洋画(ラ行)]

「レス・ザン・ゼロ」(1987)★★★☆70点
原題: LESS THAN ZERO
監督: マレク・カニエフスカ
製作: ジョン・アヴネット、ジョーダン・カーター
原作: ブレット・イーストン・エリス
脚本: ハーリー・ペイトン
撮影: エドワード・ラックマン
音楽: トーマス・ニューマン
音楽監督: リック・ルービン
出演:
 アンドリュー・マッカーシー(クレイ)
 ジェイミー・ガーツ(ブレア)
 ロバート・ダウニー・Jr.(ジュリアン・ウェルズ)
 ジェームズ・スペイダー(リップ)
 トニー・ビル(ブラッドフォード・イーストン)
 ニコラス・ペレイアー(ベンジャミン・ウェルズ)
 ドナ・ミッチェル(エレイン・イーストン)
 マイケル・ボーウェン(ビル)
 ブライアン・ウィマー(トレント)
 サラ・バクストン(マーキー)
 ケリー・ウルフ
製作・ジャンル: 米国/ドラマ/99分

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原作者のブレット・イーストン・エリスと言えば
ジェネレーションXと呼ばれる世代の小説家。

本をほとんど読まない私も、当時は
ジェイ・マキナニーをはじめ、この作家群の小説は
単行本を買い込んでは結構読んでいたことを思い出す。

この小説本はいまだに押入れのどこかにあるはずだが
パームスプリングを走る車の情景、ドラッグパーティのイメージしか
記憶に残っていない。

世界の中心・アメリカの威が健在で
日本でもバブルがどんどんと膨らんでいた時代、
それがこの映画の背景であり
ファッションや街の風景がそれを忍ばせる。
ドラッグは当時の必須アイテムだった。

キャスティング的にも
アンドリュー・マッカーシーが主演しているとあって
ブラットパック(Brat Pack)物とカテゴライズされることも多い。

ヒロインのジェイミー・ガーツに華がない。
彼氏である親友の不在の間に寝取るほど、いい女には思えない。
どうせなら、ブラットパック全開で
デミー・ムーアあたりを持ってきてもよかった。

旧友を薬で縛るリップを演じるジェームズ・スペイダーは
その蛇のような目つきがいい。
クリストファー・ウォーケンばりのマスクが
麻薬の売人の冷淡なイメージにぴったり合っている。

ダウニーJr.がジャンキーを好演している。
のちに、自身が薬にハマってしまったのは残念だし
事件を知っている今となっては
あの頃からドラックをやっていて
あれも演技でなく、実体験だったのかを疑ってしまう…

3人で夜のドライブに出るシーンで
酒とドラッグに酔ったダウニーJr.が
クリスマスソングをメドレーで歌うが
彼の歌の上手さに意外性を感じた。
ミュージカルにも挑戦してもらいたい気がする。

20代のアンドリューは
とにかく誠実なスマートさで人気を誇っていた。
その彼が演じるクレイは、
ジェネレーションXを典型的に体現したキャラクターだと思う。
同時期、文壇にデビューした村上春樹の処女作「風の歌を聴け」の
"僕" のポジションに近い。

ドラッグに興じるシーンがいくつも登場する割りには
時代の狂乱ぶりがもう一つ伝わってこないために
薬漬けになる若者をめぐるただの青春映画に思う人もいるだろうが
若者独特のモラトリアムとセンチメンタリズムは
よく表現されていると感じた。

エンド・ロールに流れる "Life Fades Away" が
とてもエンディングの雰囲気にマッチしている。

単行本を引っ張り出して、読んでみる気が起こった。

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