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『王の男』 [アジア映画]

「王の男」(2005)★★★★90点
原題: WANG-UI NAMJA(英語題 THE KING AND THE CLOWN)
監督: イ・ジュニク
製作総指揮: キム・インス
原作: キム・テウン 演劇「爾」
脚本: チェ・ソクファン
撮影: チ・ギルン
衣装: シム・ヒョンソップ
音楽: イ・ビョンウ
アートディレクター: カン・スンヨン
出演:
 カム・ウソン(チャンセン 長生、芸人)
 イ・ジュンギ(コンギル 吉、芸人)
 チョン・ジニョン(ヨンサングン 燕山君、王)
 カン・ソンヨン(チャン・ノクス 張緑水、王の寵姫・元妓生)
 チャン・ハンソン(キム・チョソン 金処善、大臣)
 ユ・ヘジン(ユッカプ 六甲、芸人)
 チョン・ソギョン(チルトゥク 七得、芸人)
 イ・スンフン(パルボク 八福、芸人)
製作・ジャンル: 韓国/ドラマ・歴史劇・サスペンス/122分

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韓国のアカデミー賞と言える大鐘賞において
最優秀作品賞をはじめ、史上最多10部門受賞した大ヒット作。
16世紀の朝鮮を舞台に生きた2人の芸人の運命を描く。

座長を鎌で刺したのに、
手のひらにあんなべっとり血はつかないだろう、
せいぜい返り血を少し浴びる程度だ
と、まず引いてしまった冒頭。

チャンセンは、ワイルドなガレッジセール川田
(トニー・レオンとコンビ組めるなあ、とか)
コンギルは、美形の森山未来
王は、韓流ウィル・スミス
大臣のチョソンは、江原啓之
導入部分では、例によって
そんな風に日本人に似ているなあと思いながら観ていた。

チャンセンとコンギルたちが宮廷お抱えの芸人となってから
話は俄然面白くなる。

チャンセンとコンギル、そして王とノクス。
この四角関係の愛憎をメインストーリーにし
宮廷にはびこる腐敗と陰謀をサブストーリーに描かれていく。
話はそのサブストーリーに沿って展開する。

"王が母を毒殺に追い込んだ者達を刺殺する" 芝居を見せる場面は
明らかに、シェークスピアの「ハムレット」を下敷きにしている。

時代とはいえ、人間狩りとはおぞましい。
韓国人独特の死生観が反映しているようにも感じた。

宮廷を去ろうとするチャンセンを
刀まで手にして止めようとするコンギル。
その刀を取り上げて怒りに任せて切ろうとする綱渡りの綱は
それまで2人をしっかり繋ぎとめていた絆のように思える。

先に述べた、ストーリーのメインとサブは
書き間違えたわけではない。
人間の愛憎がメインにならなければ、
それはただの政争劇であり、
ドラマのない退屈に甘んじることになる。

残酷なまでに暴君に翻弄された芸人の人生。
夢の国か来世か、陽気に旅する芸仲間たちの姿が切ない。

ヒットしただけのことはある、見応え十分の傑作。

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