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『雪に願うこと』 [邦画(ヤ行)]

「雪に願うこと」(2006)★★☆☆50点
監督: 根岸吉太郎
製作: 若杉正明
プロデューサー: 田辺順子
エグゼクティブプロデューサー: 甲斐真樹
原作: 鳴海章「輓馬」
脚本: 加藤正人
撮影: 町田博
美術: 小川富美夫
音楽: 伊藤ゴロー
音楽プロデューサー: 佐々木次彦
スクリプター: 森直子
衣裳デザイン: 小川久美子
照明: 木村太朗
装飾: 小池直実
録音: 小野寺修
出演:
 伊勢谷友介(矢崎学)
 佐藤浩市(矢崎威夫、学の兄)
 小泉今日子(田中晴子、矢崎厩舎の賄い)
 吹石一恵(首藤牧恵、騎手)
 草笛光子(矢崎静子、学と威夫の母)
 山崎努(丹波、財産家の老人)
 椎名桔平(黒川、獣医)
 香川照之(小笠原、威夫の同僚)
 小澤征悦(須藤、学の東京での友人)
 でんでん(藤巻保、厩務員)
 山本浩司(加藤テツヲ、厩務員・学の幼なじみ)
 岡本竜汰(富永、厩務員)
 出口哲也(湯原、厩務員)
 津川雅彦(大関、馬主)
製作・ジャンル: ビターズ・エンド=「雪に願うこと」フィルムパートナーズ/ドラマ/112分

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ばんえい競馬に携わる人間たちを扱った映画。
サラブレッド競馬は近代化著しい昨今だが
その陰で、ばんえい競馬は存続自体が危機に瀕している。

監督の意向か、プロデューサーの趣味か知らんが
いや~、泥臭い輓馬(ばんば)の現場に
若手から老人まで、
よくもこんなに二枚目と美人ばかり集めたもんだ。

40代の実力俳優が終結しているのは喜ばしい。
その一方で
地方色豊かな作品に、
都会の似合う上品な俳優ばかり配役したことが許せない。
主役の兄弟ぐらいはよしとしても。

日本映画界では
キャスティングディレクター(Casting Director、CD)
というポジションがまだまだ確立されていないが
財政だけでなく芸術性を追求できるCDが育つことを願う。

ワンポイントで出演の小澤征悦の芝居が甘い。
怨み辛みが腹に落ちていない表面的な演技。
ハイソに生まれ育った家庭環境は誤魔化せない。

作品のシンボルになっている上士幌町の橋「タウシュベツ川橋梁」
特に、雪国の冬の現実を知らない都会暮らしにとっては
その雪景色はとても美しく印象的。

ばんえい競馬のレース。
ニュース映像か何かで見たことがあるが
画面に大写しになる輓馬の体の大きさ、
殊に首の太さには驚かされる。

ばんえい競馬やウンリュウに賭ける
形振り構わぬ熱意・執念・一徹さといった力強さが
全く伝わってこない。
キャスティングばかりを責めたが
あるいは
その配役に応えられなかった俳優陣の演技力不足かもしれない。

兄弟の確執以外に、明確な対立軸のないストーリーにおいて
どんな形にせよ、
各人が胸に抱えた過去や苦悩が大きく熱いものでなければ
それを背負って走るウンリュウの姿にもカタルシスは生まれない。

学が東京へ戻る決意を兄に告げるシーンで
兄弟愛と学の心の弱さが少し窺い知れる。
(施設に母を訪ねた帰りに、威夫が雪を投げつける演技は空ぶりだ)

伊勢谷にはやはり白洲次郎の方が似合うが
こういう静かで弱い人間をしっかり演じられる役者に成長してほしい。

競馬好きの佐藤浩市が
2008年からJRAキャンペーンキャラクターを務めることになったのは
この映画出演も一因だろうか。

またしても、根岸監督にはがっかりだった。

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