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『ラスト、コーション』 [アジア映画]

「ラスト、コーション」(2007)★★☆☆50点
原題: 色・戒(英語題 LUST, CAUTION)
監督・製作: アン・リー
製作: ビル・コン、ジェームズ・シェイマス
原作: チャン・アイリン「ラスト、コーション 色・戒」
脚本: ワン・フイリン、ジェームズ・シェイマス
撮影: ロドリゴ・プリエト
プロダクションデザイン・衣装デザイン: パン・ライ
音楽: アレクサンドル・デスプラ
出演:
 トニー・レオン 梁朝偉(イー 易)
 タン・ウェイ 湯唯(ワン・チアチー 王佳芝/マイ 麦 夫人)
 ワン・リーホン 王力宏(クァン・ユイミン 祐民)
 ジョアン・チェン 陳冲(イー 易 夫人)
 トゥオ・ツォンホァ 宗華(ウー 呉)
 チュウ・チーイン 朱瑩(ライ・シュウチン 頼秀金)
 チェン・ガーロウ 銭嘉楽(ツァオ 曹、副官)
 クー・ユールン 柯宇綸(リャン・ルンション 梁潤生)
 ガオ・インシュアン 高英軒(ホァン・レイ 黄磊)
 ジョンソン・イェン 阮徳鏘(オウヤン・リンウェン 欧陽霊文/マイ 麦)
 スー・イエン 蘇岩(マー 馬 夫人)
 ホー・ツァイフェイ 何賽飛(シャオ 蕭 夫人)
 ファン・グワンヤオ 樊光耀(チャン 張、秘書)
 アヌパム・カー(ハリド・S・ウディン、宝石店マネージャー)
受賞:
 ヴェネチア国際映画祭
  ■金獅子賞 アン・リー
  ■金オゼッラ賞(撮影) ロドリゴ・プリエト
製作・ジャンル: 中国=アメリカ/ロマンス・サスペンス・戦争/158分

ラスト、コーション [DVD]








実在した女スパイをモデルにした短編小説の映画化。

LAST, CAUTION(最後、戒め)かと思っていたら
"ラスト" 違いのLUST(情欲)の方だった。

観ていて意識的には長いとまでは感じないが
3時間近く座っているという肉体的な負担は否めない。

原作は短編であるから、
脚本化する上で冗長的になったとしか思えない。
じっくり描くのがリー監督の持ち味ではあるが
カットできるシークエンスは山ほどある。
特に、前半の学生たちの工作自体なくてもいいし
活かすならば、もっとスピード感を持って走り抜けることだ。

トニー・レオン。
アジア映画に疎い私は、
つい先日観た「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3」以来だが
あの頃より歳とった彼は、
どうしてもガレッジセールのゴリに見えて仕方がない。

どちらかといえば童顔のタン・ウェイ。
綺麗な容姿と小鼻に表われる気の強さ、
適役を得て女工作員を好演している。

性愛をモチーフにしているという割には
多少SMチックなだけで、特質すべき側面を持たない。
演出的にも、性愛が主なのか、サスペンスが主なのか、
はたまた報われぬ愛を描きたかったのか、曖昧にしている元凶だ。

ベッドにイーの影が映るラストカットは、リー監督らしい締めだが、
本当に処刑されてお終いだとは思わなかったので、あっけなかった。

あれで終わりなら尚更だが
スリルの不在に加え
サスペンスもほとんどと言っていいほどないのは
抗日組織弾圧の具体的な行動側面が描かれていないからだ。
つまり、イーの仕事の顔が見えないことにある。

またチアチーも、一度だけ
ウーに向かってイーとの性愛に対する不満をぶちまけるものの
基本的には忠実な抗日の志としてしか描かれない。

主人公2人が互いの間で黙して語らないのは構わないが
観客に対しても黙されては、伝わらない。
クァンの恋情描写も弱く、同志たちの間のドラマもなし。
無駄に分厚くなった台本に問題ありと見る。

敬愛するアン・リー監督の作品だが、
情感でまとめることすら出来なかった本作は評価できない。

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