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『暗黒街の対決』 [邦画(ア行)]

「暗黒街の対決」(1960)★★★☆70点
監督: 岡本喜八
製作: 田中友幸
原作: 大藪春彦
脚本: 関沢新一
撮影: 山田一夫
美術: 阿久根厳
音楽: 佐藤勝
出演:
 三船敏郎(藤丘三郎)
 鶴田浩二(村山鉄雄)
 司葉子(サリー)
 河津清三郎(大岡久三郎、大岡組組長)
 中丸忠雄(柴田)
 堺左千夫(お不動吉)
 牧野児郎(タンバ)
 岩本弘司(富田)
 田崎潤(小塚音吉、小塚組組長)
 平田昭彦(天堂進、大岡組弁護士)
 天本英世(市野)
 若松彰(二川)
 高木弘(三田)
 ミッキー・カーティス(杉野、殺し屋)
 佐藤允(弥太)
 中山豊(ター公)
 小杉義男(大久保署長、荒神署)
 中谷一郎(望月次席、荒神署)
 夏木陽介(三宅警官、荒神署)
 村上冬樹(警視庁部長)
 堤康久(警視庁課長)
 山本廉(岩井村記者、東朝新聞)
 北あけみ(マリ、アルバイト売春婦)
 浜かおる(ヒロミ、ストリッパー)
 沢村いき雄(矢田、芸能ブローカー)
製作・ジャンル: 日本/アクション・サスペンス・ドラマ/95分

暗黒街の対決 [DVD]








てっきり、三船敏郎と鶴田浩二が対決するのかと思った。
暴力団同士の抗争に私怨を絡めたアクション物。

着ながし姿の組長を頭に土着の土建屋が本体の小塚組。
対する大岡組は
バー "青い猫" を経営し悪徳弁護士や黒ずくめの殺し屋を擁する。
欧米風ボス vs. 純和風親分、大(岡)vs. 小(塚)の対照。

藤丘がトラックで村山を救い出すシーン。
エンジンをかける前にハンドルを切っただけで
トラックの位置をカットが切り替わるたびに
完全に横向きだった車体が少しずつ、手前に頭を向けてきて
最後にはまっすぐ手前の大岡組をめがける体勢になっている。
観客は藤丘が救いにくるのを分かって待っているのだから
ああいう小細工はすぐバレる。
動かす必要全くないのに。

殺し屋3人組がバーでトリオを組んで披露する歌は最高。
ここでも天本英世の存在感が図抜けている。
ミッキー・カーチスが
弱っちい殺し屋役で客寄せパンダを務めている。

大岡を撃ったあとに対峙する2人。
"友だち" "友だちか。妙な友だちだな"
というエレベータ内と同じやりとりが再現され
納得してハジキを捨てたと思わせておいて
隙を突いて藤丘を狙ったのだ…
と思いきや、実は背後から藤丘を狙った天堂を。
勘違いした藤丘に撃たれて息を引き取る村山。
これぞ、脚本・演出の妙。

妻と育ての親である親分の仇を背負い
三船への借りを返して仁義を貫く鶴田。
鶴田浩二はこうでなくちゃ。
汚職刑事、
はたしてその実体は暴力団狩りの特命刑事・野口。
どちらもバッチリのキャスティング。
それに対し、司葉子演じるサリーは
キャラクターもポジションも曖昧。
司に女優としての魅力がないせいもあり。

電車の車内のアナロジーで終わるラスト。
胸チラのサービスカット。
結局 "刑事" という正体を明かさずに
丸腰だということを見せるだけで済ますというのも
喜八流ユーモア。

ちょっと気になったのが、"バカ" という台詞の多さ。
流行り言葉だったのかも知れないが
それに代わる気の利いた台詞ならいくらでもあるだろうに。

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