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『ルワンダの涙』 [洋画(ラ行)]

「ルワンダの涙」(2005)★★★★★90点
原題: SHOOTING DOGS
監督: マイケル・ケイトン=ジョーンズ
製作: デヴィッド・ベルトン、ピッパ・クロス、イェンス・モイラー
製作総指揮: リチャード・アルウィン、ルース・キャレブ、デヴィッド・M・トンプソン、ポール・トライビッツ
原案: デヴィッド・ベルトン、リチャード・アルウィン
脚本: デヴィッド・ウォルステンクロフト
撮影: アイヴァン・ストラスバーグ
音楽: ダリオ・マリアネッリ
出演:
 ジョン・ハート(クリストファー、公立技術学校付きの神父)
 ヒュー・ダンシー(ジョー・コナー、国際協力隊の英語教師)
 ドミニク・ホルヴィッツ(チャールズ(シャルル)・デロン、国連軍大尉)
 クレア=ホープ・アシティ(マリー、ツチ族の少女)
 スティーヴ・トゥーサン(ローランド、マリーの父)
 ニコラ・ウォーカー(レイチェル、BBC放送のリポーター)
 ジャック・ピアーズ(マーク、BBC放送のカメラマン)
 デヴィッド・グヤシ(フランソワ、フツ族)
 ヴィクター・パワー(ジュリアス、雑貨店主・フツ族)
 スーザン・ナルウォガ(エッダ、学校で出産する女性・ツチ族)
 ルイス・マホニー(シボマナ)
 ムサ・カソンカ・ジュニア (Boniface)
製作・ジャンル: 英国=ドイツ/戦争・ドラマ/115分

ルワンダの涙 [DVD]








恥ずかしい話、描かれたルワンダの大虐殺事件を知らなかった。
こんな無残な人種紛争が
いまだに続いているんだと思うと恐ろしく切ない。

鉈で惨殺していくなど
銃や砲弾で殺すよりも、はるかにおぞましい行為である。
尋常ならぬ戦慄を覚えた。

人種の違いだけから、こんなにも人は残酷になれるのか。
ナチスのユダヤ虐殺以上に、人間の本質を疑いたくなる。

ツチ族とフツ族が本当に理解し愛し合う日は来るのだろうか。

"ボスニアの白人女性には同情できたのに
ルワンダ人の死体には涙が流れない"
と、絶望にも似た自己嫌悪に口にするレイチェル。

国連軍の撤退を前に
"鉈で殺されたくない。銃殺してくれ、せめて子どもたちだけでも"
と懇願するローランド。
その悲痛な訴えにも、国連軍は無力だった。

一人残り、子ども達を脱出させんとする神父も犠牲となる。
そして、見捨てられた学校に残った人たちは
運よく逃れたわずかな者達を除き、ことごとく虐殺された。

何十万とも何百万とも言われる惨殺を前に
"ジェノサイド(集団虐殺)" という言葉さえ認めないアメリカ。
世界の大半は無知で、実情を知っている人たちでさえ
対岸の火事よりはるかに遠い土地の出来事だと
知らん顔を決め込んでいるのだ。

生き残ってジョーに会いに来るマリーは
かすかな希望の光であるとともに
ジョーに代表される自分達を見捨てた
我々他者に対する非難の鋭い矢である。

どの側面を切り取っても
人間がいかに利己的であるかを思い知らされる作品である。

数少ない生き残りのツチ族の人たちが
この映画に出演者・スタッフとして関わっていることが
なおさらに、この出来事の意味を重いものにしている。

 
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