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『シェルブールの雨傘』 [洋画(サ行)]

「シェルブールの雨傘」(1963)★★★★★95点
原題: LES PARAPLUIES DE CHERBOURG
監督: ジャック・ドゥミ
製作: マグ・ボダール
脚本: ジャック・ドゥミ
撮影: ジャン・ラビエ
作詞: ノーマン・ギンベル
音楽: ミシェル・ルグラン
出演:
 カトリーヌ・ドヌーヴ(ジュヌヴィエーヴ)
 ニーノ・カステルヌオーヴォ(ギイ)
 マルク・ミシェル(ローラン・カサール)
 エレン・ファルナー(マドレーヌ)
 アンヌ・ヴェルノン(エムリー夫人、ジュヌヴィエーヴの母)
 ミレイユ・ペレエ(エリーズ、ギイの伯母)
 アンドレ・ウォルフ
受賞:
 カンヌ国際映画祭
  ■パルム・ドール ジャック・ドゥミ
  ■国際カトリック映画事務局賞 ジャック・ドゥミ
  ■フランス映画高等技術委員会賞 ジャック・ドゥミ
製作・ジャンル: 仏国/ミュージカル・ロマンス/91分

シェルブールの雨傘








語り台詞の一切ない悲恋のミュージカル映画。
すべての台詞がメロディに載せてやりとりされる。
あくまで、語りが歌になっているのであって、
通例のミュージカルにあるような登場人物の持ち歌形式ではない。

地上波でも何度も放映されているので
雨に濡れる傘屋前の通りや、ラストの雪景色は記憶にあるのだが
しっかり観たのは初めて。

カメラを真下に向け、定点俯瞰で映し出す傘の色に始まり
原色がふんだんに用いられ、
音楽と相俟って、作品を鮮やかに彩っている。

徴兵の知らせを聞いたジュヌヴィエーヴが
ギイへの熱い想いを訴える時に初めて語り歌うメロディは
その後も、想いを口にするたびに繰り返される。
あの有名なメロディラインはこの作品に起源していたのか。
自分の勉強不足を恥じた。

出征前に、自転車で軽快に自動車修理工場を飛び出してくるギイ。
打って変わって帰国後には、自暴自棄になって工場を辞職し
負傷した足を引きずりながら歩いて出てくる。
どちらの工場内のシーンも、アップテンポな曲で構成されているが
ギイが退社する姿の違いで、その境遇や心理のギャップが際立つ。

それぞれの結婚をする2人。
ギイの息子はフランソワ
そして、ジュヌヴィエーヴが生んだ娘はフランソワーズ。
かつて、2人で付けようと話していた名前を
そのまま、おのおのの子供に授けていた。

互いに幸せだと告げるラストシーン。
わずか1年半離れていただけで、壊れてしまった熱い想い。
完全には忘れることは出来ない。

ガソリンスタンドと言えば "Esso(エッソ)" の看板。
そんな光景も今は昔。
Esso 傘下のギイのガソリンスタンドに降る雪。
恋の始まりに降っていた雨は、形を変えて固まった。
哀切の極みに感じた。

ドヌーヴの美貌さながら、美しすぎる悲恋の物語。

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