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渡辺謙さんについて [日記]

NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』を観ました。
今回は「渡辺謙55歳、人生最大の挑戦」、
俳優・渡辺謙をフィーチャー。


私の彼に対する演技的な評価は
優・良・可・不可で表すならば、「可」です。

私の中で渡辺謙さんと言えば、何と言っても『独眼竜政宗』。
NHK大河史上最高の平均視聴率39.7%を叩きだしました。
真っ直ぐで力強く、
若々しいエネルギーの発露は素晴らしかった。

と同時に、当時から
“真っ直ぐな演技しかできない”
大根役者だと評する声も少なからずありました。
ことに、彼が当時所属していた演劇集団・円での舞台では
それが定評だったように記憶しています。

『独眼竜』と "白血病からの生還" のレッテルを剥がさんと
一気にハリウッドに打って出て
大成功を収めたのは万人の知るところ。
やはり、あの風貌からくるスター性は圧倒的で
日本のみならず、ハリウッドでも評価されたことは
何ら不思議ではありません。


『プロフェッショナル』の内容は
現在彼が出演中のブロードウェイ・ミュージカル
『王様と私』の稽古の日々に密着したドキュメンタリー。

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稽古風景からオープニング・ナイトまでを観て
やはり、英語は下手だなあ、というのが正直な感想。
一時期、歌手活動もされていたと聞きますが
どう贔屓目に聴いても、歌も上手いとは言えません。

私は、ニューヨークに留学中
大きいものから小さいものまで、
ミュージカルやドラマ(日本で言うところの “ストレートプレイ”。ただし、ストレートプレイは英語圏では死語に近い)など、200本以上の舞台を観まくりました。

それゆえ
彼がトニー賞のミュージカル主演男優賞にノミネートされたことは、私にとって予てから驚愕の事実でしたが、
この番組の中で、その歌と英語を目の当たりにするにつけ、
改めて、納得のいかない思いになりました。

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『王様と私』が同賞で9部門にノミネートされているのは
“多分に演出のバートレット・シャー氏の力量が物を言っている”
というのが、舞台を観てもいない私の勝手な憶測です。

シャーは、今回を含め
トニー賞にノミネートされること6回、受賞も果たしている名演出家。

相手役のケリー・オハラも
同様にトニー賞6度ノミネートの実力派ミュージカル女優。

新作ではなく、リバイバル部門でという点も併せて
環境に恵まれてのノミネートと言えば、言いすぎでしょうか。

とはいえ、出演オファーを出したのはシャーであり
ミュージカル最高峰のキャストに、請われて名を連ねたことは凄い!
『硫黄島からの手紙』の演技を観ての起用だそうです。

ただ、ノミネートはされても、受賞はないでしょう。
歌や英語が二流の役者が、トニー賞を獲得できるほど
ブロードウェイは甘くはありません。
(もちろん、日々上達していることは疑いません)

歌唱力や言葉の問題はともかく、
『王様と私』の王様=ユル・ブリナー というイメージを払拭し
渡辺謙ならではの王様像を打ち立てた、その演技力が高く評価された。
それは事実だと思います。

ミュージカル通を気取っている私は
ずいぶん辛口な言葉ばかり並べましたが、
番組を観ていて
やっぱりプロフェッショナルだな、と思ったのは、
謙さんの挑戦し続ける姿勢、
「プロ=最後まで諦めない」という彼のひと言にあります。

じゃあ、必死に努力するだけでプロと言えるのかよ
と突っ込む人もいるかもしれません。
無論、評価されなくてはプロとは言えないと思います。
努力の過程でなく、結果を評価されるなら
そのステージが小さかろうが、レベルが低かろうが不問。
ただ、その大前提として、最大限の努力を最後まで怠らない。
それがプロフェッショナルではないかと、私は思うのです。

そして、渡辺謙さんは
紛うことなきプロフェッショナルです。

「最後まで諦めない」
これは言い古されているようで、
その意味を実感し、かつ実践に移せている人はいったいどのくらいいるでしょうか?

私も、これを肝に銘じて演技に精進しよう。
そう固く心に決めたのでした。
 

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