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『クライマーズ・ハイ』 [邦画(カ行)]

「クライマーズ・ハイ」(2008)★★★☆65点
監督・脚本: 原田眞人
製作: 若杉正明
プロデューサー: 久保理茎
ラインプロデューサー: 松田康史
原作: 横山秀夫「クライマーズ・ハイ」
脚本: 加藤正人 、 成島出
撮影: 小林元
美術: 福澤勝広
音楽: 村松崇継
音響効果: 柴崎憲治
VFXスーパーバイザー: 小田一生
スタイリスト: 宮本まさ江
照明: 堀直之
装飾: 大庭信正
録音: 矢野正人
出演:
 堤真一(悠木和雅、遊軍・日航機事故担当全権デスク)
 高嶋政宏(安西耿一郎、販売部)
 小澤征悦(安西燐太郎、耿一郎の息子)
 山崎努(白河頼三、社長)
 堺雅人(佐山達哉、社会部・県警キャップ)
 滝藤賢一(神沢周作、地域報道班)
 遠藤憲一(等々力庸平、社会部長)
 中村育二(粕谷隆明、編集局長)
 でんでん(亀嶋正雄、整理部長)
 マギー(吉井弁次郎、整理部)
 堀部圭亮(田沢善吉、社会部デスク)
 尾野真千子(玉置千鶴子、地域報道班)
 西田尚美(安西小百合、耿一郎の妻)
 田口トモロヲ(岸円治、政経部デスク)
 皆川猿時(伊東康男、販売局長)
 矢島健一(守屋政志、政経部長)
 野波麻帆(黒田美波、元・社長秘書)
 螢雪次朗(追村穣、編集局次長)
製作・ジャンル: 東映=ギャガ・コミュニケーションズ/ドラマ・サスペンス/145分

クライマーズ・ハイ [DVD]








1985年に起きた日航機123便の墜落事故と、
その取材記者たちの波乱に満ちた1週間を描いた
同名小説の2度目の映像化。

あの事故当時、私は
墜落現場からさほど遠くない北軽井沢に滞在していた。
電話もないあばら家を借りての避暑。
墜落を知ったのは翌日の朝刊の一面を見たときだった。
友の知人の医大生が犠牲者名簿に名を連ねていた。
後から聞いたところでは
彼は金持のぼんぼんで、
いつもなら高級自家用車で大阪入りするのに
その日にかぎって飛行機を選び、123便に乗り込んだそうだ。
多感な時期に飛び込んできたあの事故のニュースは
今も私の脳裏にもしっかと焼きついている。

2005年のNHKドラマも観ている。
だから、どうしてもつい比較してしまう。
特に主役級については、
はっきり言って
佐藤浩市の悠木、大森南朋の佐山のドラマ組に軍配だ。

堤、佐藤とも、私がとても好きで評価も高い2人だが
堤・悠木はもっと熱くなってよかったんじゃないだろうか?
良くも悪くも、堤はスマートでカッコよすぎる。
全権を任された悠木の下に記者たちがまとまる様が
唐突すぎて、"えっ、いつからそうなったの?" と疑問符がつく。

俳優の中では、亀嶋役のでんでんがとてもいい味を出している。
ドラマの石井愃一はほとんど印象に残っていないから
整理部長に命を吹き込んだと言っていい。

堺は必死に演技をしているって感じ。
大森・佐山は必死に取材していた。

堺雅人は
舞台「噂の男」で
"喜怒哀楽をすべて笑いで表現する" と共演者に揶揄されたように
あの "常に笑ってる感のある" 顔を活かせる
薄っぺらな役、お為ごかしな役など、
偽善者系ならハマって良い味を出す俳優だが
野心家・熱血漢・正義の人には向かない、というのが私見。

息子を訪ねるラストシーン、
まず、もう少し頑張って老けメイクしようよ。
しかも、"会わずに帰っちゃうのかよ" とがっかりだった。
ところが、
車は牧場に向かっていて、その先に息子たち3人がいるらしい。
そんな分かりづらいカットしか撮れない、
あるいはそういう編集しかできないというのは、
すべて監督のセンスの問題だ。
ネットでこれに言及した記事に遭遇しなければ、
私は誤解したままだった。

突然、目の前に死を突きつけられ
しかも、
その死へのカウントダウンの恐怖を
甘受しなければならなかった乗客たち。
命の尊さを思い知らされる物語であり、事件であった。
今年の夏で、あれから四半世紀の時間を数える。

実際の事故に根ざした話だけに
あまりに作り物チックに仕上げた
この原田眞人映画は好きになれない。

NHKドラマより良かったと断言できるのは
でんでんと、玉置千鶴子役の尾野真千子くらいだろうか。
とにかく、映像をどちらか一本観るなら
断然、NHKドラマをオススメする。

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コメント 2

yanasan

あの事故は悲惨でしたね、その後は、映画にもなりましたが、安易な気持ちで製作してほしくないですね。
by yanasan (2010-02-09 23:02) 

ケイイチロウ

犠牲者がいる事件・事故を扱った実話物は難しいです。

サリン事件を題材にした舞台を観たことがありますが
作り手の姿勢が問われますね。

by ケイイチロウ (2010-02-10 03:58) 

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